最終話 どんなときでも、ひとりじゃない
くぅ~w疲れましたこ(ry
FF7リメイクを友達が遊んでいるのを見ていました。
めっちゃ面白そうなのにスイッチ版ゼノブレイドが欲しいし
このご時世無駄遣いできなくなりそうなのでつれぇわ……。
ていうかゼノシリーズをギアスから全部リメイクしてほしいですね。
めっちゃ好きなんですよ。各話のタイトルもそっ(オタク特有の早口)
「でやああああ!!!」
「はああああああ!!!」
拳と拳がぶつかり合い、戦いが激しさを増していた。
俺たちのコンビネーションとギャークバーリのチートが衝突し、膨大なエネルギーの余波が世界を震わせていた。
「ふん、なかなかやるようだな」
「当たり前だ。俺たちはチームで戦っているんだから!」
「そうよ! 一章から続いてきたことによりカタルシスポイントが加算されさらに力を増す!」
「よくわかんないがそうだ!」
「ふん、だが……」
「くぅ……!」
ギャークバーリの力がさらに増していた。
時の力の恐ろしさ、俺はどこかの世界で十分に知っている。
一瞬の油断も許されない。
まるでオワタ式ゲームのようだ。
「孤独から生まれた力だ。仲間などという軟弱なものに左右されはしない」
そしてギャークバーリの姿が消える。
「どこだ……」
「上だ! おっさん!」
「ッ」
見上げればそこには空中で両手のひらに力を溜めているギャークバーリの姿があった。
すごい闇色の球体が出来上がっていた。
なんかやばそう。
「まずい……あの威力、ここら一体が消し飛ぶぞ!」
「何だって!」
ぼっちゃんの焦り具合を見るに、俺の直感は当たっているらしい。
「フハハハハ! これで今度こそおしまいだ!」
まるで勝利を確信したかのような顔を見せている。
何か……何か手はないのか……!
……いや、俺は知っているはずだ。
「……おっさん?」
「ごめん、ぼっちゃん。びっちゃん」
「何を言っているの……?」
「みんな……俺、行くよ」
「鴉さん……?」
生まれるはずのない命だった。
消えてなくなるだけの、ちっぽけな存在だった。
けど、みんなが俺を呼んでくれた。
紡いだ絆が俺をこの世界につなぎとめてくれた。
だから……今度はみんなのために、俺がやらなければならない。
それが《おっさん》の役割のはずだ。
「俺、消えっから!」
俺は《エターナル》の残骸を持ち上げ、飛翔する。
ブックマーク・ドライブをエネルギーに変換する。
強い思念があれば世界を作り直すことも可能なマシンだ。
あのエネルギーを相殺することも可能なはずだ。
「ぼっちゃん! 何とかおっさんを止めて!」
「……できねえよ」
「なんで!」
「覚悟を決めた男の背中だ」
「そんなの……勝手じゃない!」
「それに、これ以外の方法は思いつかねえ」
「……無力ね」
「……」
「はああああああ!!!」
俺にみんなを守るだけの力を……貸してくれ! 《エターナル》
《エターナル》の残骸がまばゆい光を放つ。
そして俺の想いに答えるかのように蒼い壁を作り出した。
バシュウウウ!!! と俺が作り上げた壁とギャークバーリのエネルギー玉がぶつかり合った。
「ぬおおおおお!!!!」
「うおおおおおおお!!!」
今までに感じたことのない痛みが体中に走る。
そして力を使うごとに、俺と言う存在が空白になっていく感じがした。
「そうやって自分を犠牲にして何が手に入る!」
ギャークバーリが叫ぶ。
アイツも俺のはずなのに、どこでこんなにも違いが生まれたのだろうか。
「何かが欲しいわけじゃない! ただ願っているだけだ!」
「願いだと……」
「仲間の……幸せをだ!」
「戯言を……! ならば死ぬがよい!」
「くっ……うああああああ!!!???」
蒼い壁がミシミシと音を立てている。
俺の意識も消えかけだ。
それでも力を抜くわけにはいかない。
絶対に……守って見せる。
みんなを。
消え行く意識の中、俺は今までの記憶が鮮明に思い出していた。
我ながら悪くない人生だったように思える。
そうだ……これが俺の物語なんだ。
「す、すごい……」
「これなら……!」
鴉を見守る仲間たちにも希望が生まれていた。
もはや異次元の戦いに踏み込むことはできない。
しかし、仲間を信じている。
だが……。
鴉とギャークバーリの衝突はやがて大爆発を起こした。
「きゃあああああ!?」
「うわああああ!?」
衝撃波で吹っ飛ばされていくぼっちゃんたち。
だが、鴉の奮闘が実を結び、地上にいた者たちは無事に生きていた。
しかし、煙が晴れ、上空に姿を現したのはただ1人だった。
代わりに空から降ってくる一振りの剣。
名を、《永遠剣》と言った。
「鴉さん……?」
それを見たキツカが戸惑いの声を漏らす。
「そうか……異空間で失くしたと思っていたアレが、おっさんを召喚する触媒になってたのか……」
ショーが納得したようにそうつぶやいた。
「ふん……最後はあっけないものだな」
上空に漂っていたのはギャークバーリだった。
皆を守るため頑張った鴉の姿は消えていた。
「あ……ああ……」
キツカの目に涙が溜まっていく。
膝をついて顔がうつむいていった。
「あのおっさんが……本当に……」
「何かの冗談、じゃないのか……?」
ぼっくんもクレトも、信じられないモノを見るような顔をしていた。
数多の世界を共に駆け抜けた仲間が消えた。
その衝撃が彼らのメンタルにダメージを与えていた。
「さて……残るはお前たちか」
「……」
「どうした? 戦う意識を失ってしまったのか?」
もはや戦意を喪失してしまったぼっちゃんたち。
誰もがうつむいたまま顔を上げようとしない。
「クレト……ぼっくん」
だが、突然ぼっちゃんが2人の名を呼ぶ。
それに反応し、顔をぼっちゃんへと向けていた。
「少しでいい……時間を稼いでくれ」
祈るように頼みごとをするぼっちゃん。
「何をいまさら……」
「頼む」
「っ」
そして2人に頭を下げていた。
それを見た2人は本気を感じたのか、呆気にとられた顔をしている。
「何か、手があるんですね」
ぼっくんの目に戦意が戻っていく。
「信じろ」
いつものような不敵な笑みを浮かべたぼっちゃんの言葉に、2人は同じように笑みを浮かべた。
「フッ、しょうがないな」
クレトはぶんぶんと腕を回し、やる気を見せた。
さらにぼっちゃんはじっちゃんの方へ近づいていく。
「じっちゃん」
名を呼ばれ、何かに気付いたのか、ハッと言葉を漏らすじっちゃん。
「……まさか」
「ああ。アレを行う」
彼の考えていることが当たったのか、心底、驚いていたような表情をしている。
「あのお前がそこまでするとはな」
「これが今の俺が得たものさ」
ぼっちゃんが悟ったようにそう答えた。
その答えに満足したのか、おやっさんが頷く。
「わかった」
一連の流れを静観していたギャークバーリが動き出す。
「何をごちゃごちゃとや―――」
「はあ!」
ぼっくんが銃を使い、ギャークバーリをけん制した。
彼の注意はぼっくんとクレトへと向かう。
「何?」
「こっちだ!」
「ここから先は通さん!」
そしてクレトが浅はかにも突撃する。
愚直なまでにストレートな剣筋はギャークバーリの片腕に止められてしまった。
まるで山のように動かない剛腕にクレトは歯ぎしりしながら力を込め続ける。
「ふん」
しかし、ギャークバーリは剣を握り砕き、さらにクレトに回し蹴りを食らわせる。
「かは……」
無残にも転がりながら吹き飛ばされていくクレト。
しかし、即座に受け身を取り、拳を構え再度走り出した。
「愚かな……何がお前をそうさせるのか」
「ああそうさ。させられたのさ……あいつに!」
オラオラオラと何度もギャークバーリを殴り続けるクレト。
だが、不動のまま攻撃をギャークバーリは受け続ける。
「目障りだ」
そしてぺしっとクレトを軽く手で払いのけた。
さらにバウンドしながら壁に叩きつけられるクレト。
だが、それと入れ替わるようにぼっくんがナイフによる一撃をギャークバーリに叩きこむ。
その姿を見ていたマホツやケイも素早く戦闘に参加していった。
「鴉さん……おっさん」
未だ涙に暮れるキツカ。
彼女に横にすっと誰かが立つ。
キツカが顔を上げると、そこにはシスタの姿があった。
彼女もまた鴉の死を悼んでいるはずだった。
「キツカさん……ここで立ち止まりますか?」
だが、涙は流れていなかった。
泣きたいほどに傷ついているであろう、彼女は仲間を鼓舞しようと頑張っていた。
「……シスタ」
「私たちを守ったおっさんの願いを無駄にして、ここですべてが終わるまで泣きますか?」
シスタの強い意志を宿した瞳を見たキツカの心に、再び炎が点火される。
「……私は」
だが、それはまだ小さく弱い。
キツカが立ち上がろうとするが、上がり切れない。
「立ちなさい、キツカ!」
「ッ」
それを後押しするように、発破をかけるシスタ。
「女なら立ちなさい!!!」
その言葉は、キツカの心に薪をくべた。
「……私も、守りたかった」
「……私もです」
徐々に炎が強さを増していく。
「逝くなら、一緒でもよかった」
「……はい」
フラフラだった体は、芯が入ったように力強く立ち上がる、
「でも……それじゃダメなんだって……誰かに教わった気がする」
「……その通りです」
戦う意思を取り戻したキツカ。
シスタと共に、必殺技を放つ!!!
「サイキックパワー!」
「シャイニングランス!」
風の刃と光の槍が、ギャークバーリへと降り注いだ。
「ぬぅ!」
少し痛みを感じたのか、声を漏らすギャークバーリ。
「みんな! 遅くなってごめん!」
キツカとシスタも仲間たちと並ぶ。
「ホントよ」
「一緒に力を合わせましょう、みなさん」
ケイとマホツが待ってましたと歓迎した。
「力の差も分からぬ雑魚共が……」
ギャークバーリが動く。
目にも止まらぬ速さでキツカたちへと迫る。
だが―――。
「サイコソード!!!」
それを何かが弾いた。
「何!?」
「ショー!」
その正体はショーだった。
体にムチを打ちながら、ボロボロの体で対峙する。
「自分が情けない……ここまでやられなければ分からなかったなんて」
本来なら傷をつけていた一撃も、神と言う存在に近いショーではルールの効果で無効化される。
しかし、ショーに動揺は一切なかった。
「おのれ……いくら攻撃したとしても、お前と言う存在ではワシの命は取れんぞ!」
「本当にそうか? そんなのは誰が決めたんだ」
「何だと……?」
意外なショーの答えに、ギャークバーリが眉をひそめた。
「最高神が創った次元も一度は破壊されたんだ。だったら不死身なんてものも! ルールなんてものはもっと壊れやすいに決まっている!」
「世迷言をぬかすな!!!」
「迷いなど無い!!!」
ショーの光の剣がギャークバーリの拳と火花を散らす。
高速で動くショーとぼっくんの遊撃に徐々に翻弄されていく。
そしてびっちゃんやキツカたちの援護攻撃が次第にギャークバーリに傷を増やしていった。
しかし、少しずつ疲弊していくショーたち。
「効かぬわ!!!」
「ぎゃーーー!!!」
「うわーーー!!!」
ギャークバーリの全体攻撃がショーたちを吹き飛ばした。
このままでは、敗北は避けられないだろう。
だが―――。
「へっ……お前ら待たせたな」
そこにぼっちゃんの声が聞こえた。
「……?」
一体何をするのかわからず、身構えるギャークバーリ。
「さぁ、ショータイムだ! 俺の! 俺たちの本気を込めたこの一回! ぜってぇ目を離すんじゃねえぞ!」
ぼっちゃんは四角い板……スマホを取り出した。
そして画面に何かを入力し、勢いよく表示されたボタンをタップする。
「召喚だ!」
すると、彼の周りを雷が打ち付けた。
ほとばしるエネルギーとエフェクト。
閃光が広がり、そこにいたすべての人々を包んだ。
「……やれやれ」
光が消え、誰かが嬉しそうにつぶやいた。
「目立つのは……大好きなんだけどな!」
そして現れたのは……死んだはずの鴉。
いや、《おっさん》だった。
「お、」
「おっさん!!!???」
「な、なぜお前が復活している……」
皆、驚きを隠せなかった。
「ククク、お主もしってるはずじゃが……」
「じっちゃん……?」
ぼっちゃんの後ろから現れたのはナイスミドルのじっちゃんだった。
「ハッ……まさか、そんな!!!」
やがて何をしたのか、その真実に気付いたのか、ギャークバーリが取り乱し始めた。
「そう、100万課金した者のみが使える究極転生……永遠剣とあるモノを触媒におっさんの魂を転生させたんだ」
ドン! と、ドヤ顔でその真実を疲労するぼっちゃん。
「バカな……あのぼっちゃんが……人のために金を使うなど……」
「ああ。俺もずいぶんバカになったと思ってるよ。けどな……」
うろたえ、後ずさるギャークバーリに向かって、ぼっちゃんが力を込めて言った。
「金より大切なものを見つけちまったようだ」
二カっと、屈託の無い笑顔を見せながら。
「ぐ、おのれええええええ!!!」
怒りのままにぼっちゃんへと攻撃を始めるギャークバーリ。
だが、そのことごとくをおっさんが弾いていく。
「ありがとう、ぼっちゃん。信じていたよ」
「言ったろ? 考えがあるって」
背中合わせに通じ合う2人。
流れが変わるのを全員が感じていた―――。
「だが所詮は《おっさん》だ!!! 神となり、最強のチートを手に入れたワシには勝てん!」
ギャークバーリがなにやら叫んでいる。
確かにアイツの力は神を越えているだろう。
再び拳からビームを放ってくる。
「それはどうかな?」
「なっ……」
だが、俺はそれと同威力のビームを奴へと放った。
同じ威力なのでぶつかると両方消滅した。
「相殺しただと……そうか、究極転生によるチートか!」
やつが必死に考えを巡らせて、答えを勝手に出した。
しかし、それは見当違いもいいところだった。
「違うッ!」
「!?」
「俺にチートなんてものはもうない」
「なら、その力はなんだ!?」
わなわなと俺を指さして問うてきた。
俺は奴から視線を外さず、口を開いていく。
「これが俺たちが作り上げてきた本当の武器。可能性という願いの結晶」
俺は手のひらに一振りの剣を召喚する。
「《永遠剣》……!」
ギャークバーリが憎ましげにそれを睨んだ。
「この中には時の力……いや、《真の時の力》が込められているんだ」
「真の時の力だと……!」
「おっさん!」
ぼっちゃんが何かを俺に投げ渡してきた。
「クワスカリバー……!」
ぼっちゃんのメイン武器。その攻撃力は《永遠剣》にも勝るとも劣らないという。
ありがたい。
俺は《永遠剣》と《魔剣クワスカリバー》の二刀流になり、パワーが二倍になった。
「ならば……ワシも全力を出そうッ!」
ギャークバーリの体からゴウッとエネルギーが噴き出す。
あれほどの強さを見せてなお、底を隠していたのか。
実力差がまたも開いていく。
だが……俺に恐怖は無かった。
「俺の体をみんなに貸すぞ!!!」
俺は《永遠剣》を天にかざした。
まばゆい光が刀身から放たれる。
「……! なるほど……そういうことですか!」
「まっ、ありじゃないか?」
ぼっくんとクレトくんが理解を示してくれる。
すると、2人の体が蒼い光へと変換され、俺の体に吸い込まれていった。
俺の体から2人のパワーが湧き上がる。
「私の想い、受け取って!」
「ロマンチックに決めましょう!」
「まるでロックスターね!」
「私のすべてを……あなたにゆだねます!」
4人のヒロインズも同様に俺の中へと入ってくる。
今まで感じたことのない力が渦巻き、激流となってあふれ出る。
「パワーアップなどさせるものか……!」
しかし、集中して力を引き出す必要があった。
その隙をギャークバーリがつこうとしてくる。
「させないわ!!!」
だが、びっちゃんがそれを押しとどめる。
ギャークバーリに渾身の一撃を叩き込んでいた。
「邪魔だ!!!」
「きゃー」
それは一瞬の時間稼ぎにしかならなかった。
けど、それでいい。
「行きなさいおっさん!!! スローライフはもう終わりよ!!!」
吹き飛びながらびっちゃんが俺にエールを送ってくれた。
ありがとう。
「散れ! いますぐに!」
ギャークバーリがビームを放った。
俺はそのビームを真正面から剣で弾く。
「なぁに!?」
奴がたいそう驚いた顔を見せる。
本気の奴と互角に近い力が今の俺には、俺たちにはあった。
「頼んだぜ、おっさん」
「俺たちの想い、あなたに託します」
色々あってもうボロボロなのか、ぼっちゃんとショーくんは俺にエールを送るだけだった。
だが、彼らの信頼は何よりも強い武器になる。
俺は再びギャークバーリと対峙する。
「ぐううううう!!!? 何故だ! 最強のチートを持つワシが勝っているはず! なのにどこからこんな力が……!」
かつてないほど焦燥を見せるギャークバーリ。
「わからないのか! これは、この力は! 俺一人が振るっているものじゃない!」
「何を……!」
俺の言うことがまるでわかっていないような顔をしていた。
それが俺とアイツの決定的な差なんだろう。
「そんなことも分からなくなっちまったのか、お前」
ぼっちゃんがタバコを取り出し、マッチを使い、慣れた動作で火を付けた。
「ぼっちゃん……!」
疑問に思うギャークバーリに、ぼっちゃんは一息ついてから口を開いた。
「絆だ」
「き、絆だと……」
理解できないと言わんばかりの動揺ぶりだった。
「世界の壁を越え、仲間を作り、旅を続けてきた俺たちが育ててきた強い絆が、この力を生み出しているんだ」
かつてのぼっちゃんからは聞けないであろうセリフだ。
それが少しおかしく思い、笑みがこぼれた。
「そんなものが……! チートを凌駕するとでも!」
「もう気づけよ!」
なおも理解を拒むギャークバーリに、俺は思いのたけをぶつける。
「この世界には、転生者はいてもいい! けど、チートなんてものは必要ないんだ!!!」
「!」
そうだ。
意味も分からず持たされた力に、俺は助けられた。
ただの一般人だった俺には、生きるためには必要だったのだろう。
だが、それは必須と言う意味ではない。
「人は力があっても一人では生きられない! それは異世界であっても同じだ!」
俺は多くの異世界を渡り歩き、いくつもの出会いと別れを経験した。
たまに一緒に戦ったスリースターズ。
時には敵として、時には味方として、この世界では友になった四天王。
あとぱっくんとか。
俺は彼らに助けられ、そして彼らが持つ強さに憧れた。
そのヒトツヒトツの思い出が今、俺たちの力になっている。
「1人じゃできないことがあるから助け合って生きていくんだ!」
俺の中のぼっくんとクレトくんが叫んだ。
「たとえ怖くても、そばにいてくれる人がいるから進んでいける!」
今度はキツカちゃん、マホツさん、ケイさん、シスタが、叫んだ。
「自分ひとりのために戦うお前に! 守る強さを知らないお前に! 俺たちの想いの強さを越えることはできない!」
やがてみんなの声がひとつに重なり、同じ言葉になっていく。
「ふざ、けるなああああ!!!」
「行くぞオオオオオ!!!」
俺とギャークバーリ、2つの必殺技の準備が今完了する。
「チートインパルスウウウウ!!!」
ギャークバーリのごんぶとビームが放たれた。
「ナローインパルスウウウウ!!!」
俺たちも渾身のビームを解き放つ。
極大なビームが視界を覆い尽くしている。
激しいエネルギーのぶつかり合い、に世界全体が震えていた。
「押している! やはりチートを持った俺が一歩先を行くのだ!」
俺たちのすべてを束ねた必殺技も、ギャークバーリの放つ技に何とか拮抗するにとどまっている。
それも次第に押されていく。
いや……、それはッ!
「違うッ!」
そうだ―――。
「何が違う! 仲間など心の弱さでしかない!」
「弱さに絶望なんてしない!」
そうなんだ―――ッ!
「何を!」
「俺たち一人一人が歩んできた時間が、経験がッ! そして思い出が弱さを強さに変えていくんだッ!」
俺たちが辿ってきた軌跡は、いくつもの繋がりを生んだ。
そしてそれは、絆と言う大きな力になって俺たちを助けてくれる。
それこそが《真の時の力》だった。
「鴉やっちまえ!」
「そこですわ!」
「さっさと倒してしまえ!」
「鴉……たくさんの人々がお前たちを応援しているぞ」
「ワーワー!」
「ここで決めなきゃただの中年だよ!」
元の世界で世話になった人たちが、俺たちに力を貸してくれていた。
ほんのわずかな力の差を、彼らの想いが集まり埋めていく。
「みんな……!」
感じる。
今までにないほどの自信とパワーが極限へと進化していった。
「「「「「「「そうだ!」」」」」」」
俺は叫んだ。
俺の中にいるみんなも同じようにしているのがわかる。
「「「「「「「どんな時でも!」」」」」」」
この言葉は俺だけから溢れたものじゃない。
俺たちのつながった大きな心から、みんなの言葉になって湧き上がった想いの結晶だった。
「「「「「「「どこにいても!」」」」」」」
俺たちの魂が、一つになって力が増幅されていく。
「そうです……《永遠剣》は……時の力は1人の人間が振るうものじゃない」
ショーくんの言葉が染みわたる。
わかっているよ。
「絆と言う、見えない手と手で何人もの輪になって振るう希望なんです!」
「《永遠剣》と俺たちの強い絆を触媒に召喚したお前なら……どんな敵にだって負けやしねえ!」
絆を通して得た強い力。
それは俺たち一人一人が弱いことを知っているからこそ積み重なったものだ。
「「「「私たちは!」」」」
「僕たちは!」
「俺たちは!!!」
想いのすべてをぶつける。
「もういい! 消えろ! 我が半身よおおおおお!!!」
ギャークバーリも己のすべてをかけているのだろう。
力を引き出すために自分さえも傷つけていた。
奴のビームが俺たちのビームを押しつぶそうと目の前まで迫る。
けど、負けない……!!!
みんなの手が、俺の剣を持つ手に重なっていく。
そうだ―――そうなんだ!!!
「ひとりじゃないんだあああああああ!!!!!!!!!!!!!」
喉がつぶれそうなくらいの声が響いた。
湧き上がる力が今、ギャークバーリの捨て身の一撃を上回った!!!!!!
ギュイン! とやつのビームを一瞬で押し戻していく!!!!!!
「があああああ!? チートがああああ!? ワシのすべてがああああ!?」
そして、俺たちの必殺技に飲み込まれていくギャークバーリ。
執念も、悲しみも、すべて光の粒子になって消えていく。
《転聖戦争》の最後に残ったのは……俺たちだった。
「はあはあ……勝った」
すべてが終わり、みんなの体が元に戻る。
全員疲れ切ったように地べたに座り込んだ。
「終わったな」
ぼっちゃんがすたすたと俺に歩み寄り、手を伸ばしてきた。
「ああ」
ガシっと握手を交わす。
「これで……世界は平和になった」
ぼっちゃんがかみしめるようにそうつぶやいた。
俺の周りにはいつの間にか、キツカちゃんたちが囲んでいた。
「頑張ったね……おっさん」
「さすがは私が見込んだ男です」
「最高のパートナーね」
「まったく……無茶しすぎです」
「キツカちゃん……マホツさん、ケイさん……シスタ」
最高に愛しい、仲間たち。
そして恋人たちだった、
「やっぱりおっさんはおっさんですね」
全身を大怪我させているショーくんが話しかけてきた。
「ショーくん……今まで本当にありがとう」
「サポート、ですから」
こつんと、拳を軽くぶつけ合う。
それだけで、今までの気持ちが通じ合った気がした。
「フン、ハッピーエンドだな」
「ほんと、大変でしたね」
「クレトくん、ぼっくん……!」
この子たちも俺の最高の仲間だ。
少年特有の無鉄砲さにいつも背中を押されてきたのを覚えている。
「へっ、おっさん。また、よろしくな」
「ぼっちゃん……ああ!」
そしてぼっちゃん。
俺の最高の相棒だ。
諸悪の根源は打ち砕かれた。
これからも世界は混沌に満ち溢れていくかもしれない。
しかし、それを正しく導いていくものがいるかぎり、きっと災厄の事態は起こらないだろう。
ということで、俺の物語はここで終わりだ。
ここまで続いてきたのは奇跡と言っていいのではないか。
でも、終わりは悲しいことではない。
いつかまた、新しい誰かの物語が世界を大きく湧かせてくれるであろう。
だから―――。
「おいおっさん、起きろ」
声が聞こえた。
どうやら長い夢を見ていたようだ。
とても懐かしい夢だ。
俺は固まった体を伸ばすように、あくびを出しながら腕を上げた。
「ふあ……おはようぼっちゃん」
「おはようじゃないぞ。いいかげん働いたらどうだ」
声の主はぼっちゃん……もう長いこと腐れ縁をやっている男だった。
「いや、それは……」
「ったく。夜中まで何やってたんだよ」
そういえば眠りにつく前のことを思い出す。
俺はパソコンに向かっていたのだ。
「いや、ちょっと小説をね」
未だにジト目を向けている。
なんなんコイツ?
「ふーん……どんなのだよ」
だが、ぼっちゃんは少し興味ありげに聞いてきた。
「今までの俺たちの話しさ」
俺はモニターに表示された文字の羅列を見る。
メモアプリには俺が経験した数々の冒険が綴られていた。
「……色々ありすぎて一冊に入りきらねえな」
ぼっちゃんも思い出しているのか、むーんとうなっていた。
「そうでもないさ。創作ってのは自由なんだ。人間は自由を追い求める生き物なんだから」
俺がそういうと、ぼっちゃんはへっと笑った。
「ふーん……だからニートも続けると?」
「うん」
俺がぽろっと本音を出すと、いきなり鉄拳が頭に降り注いだ。
痛い。
「ふざけてんと追い出すぞ。タダでさえ神材不足で忙しいってのに」
「ウッス」
だが、彼には色々恩があるため強気には出られない。
ここは我慢だ。
そうこうしていると、ぼっちゃんの携帯に着信が入った。
彼は通話ボタンを押してそれに出た。
そしてしばらく話し込んだ後、俺に顔を向ける。
「おら、また新しい魂がやってくるってよ」
どうやら仕事の話のようだ。
俺はたまに彼の仕事を手伝うこともある。
神様というのは大変な仕事なのだ。
「今度はどんな転生者だろうね」
「さあな、おっさんみたいなやつじゃないといいが」
「ええ……」
そうやって俺たちはまた歩き出した。
果てしなく長い時間の旅へと。
―――だから、きっとどこかでまた、俺たちも出会えるはずだ。
新しい仲間に。
新しい物語に。
それが永遠に続く、俺たちのトライアルアンドエラーなのだから―――。
私は何でこんな小説を長々と続けてしまったのでしょうか?
これにて完結です。
ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました。
おっさんが異世界でチートする話だったのに ~完~
また何か書きますから、気が向いたその時は読んでくださいね。
お疲れさまでした!




