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選ばれし者12
で、オレは考えた。どんな人間だったらメッセンジャーは心を開くのかってね。まず子供を使ってみた。最初にメッセンジャーが会話しようとしたのが、施設に預けられた子供だったからだ。
ところがメッセンジャーの出す声は人間に有害で、機械で防御しても途中で失神してしまう。ヤツとの対面はデリケートな子供には無理で、鈍くて高周波音域を拾えない大人じゃないとならないようだ。
そういうわけで、お次は『ガキみたいな物言いをする大人』で試みようと考えてる次第さ」
有働は再三、政直とナオミを眺め回した。口では酷い言い様だが、瞳は愛おしいものを見つめているかのようだった。
「貴方の思い通りにならないものは、子供ですか。とてつもなく傲慢な考えですね」
ナオミが話を混ぜっ返した。言うことは間違っていないが、話の趣旨が逸れている。
「オレたちに、あの子の尋問をしろということですか?」
政直は有働のこの提案に、興味を示した。
おそらくだが、政直にはやれる。自信があった。




