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世界樹2

逃げ惑う最中に

喉奥に挟まったような違和感


咳き込みながら走る人々は

その場に倒れこんだ

苦しさのあまり地に伏せた。


目の前にある巨大な鞭より

体内に潜んだ苦痛に

誰もが屈して地に屈んだ。


やがて

喉奥に入り込んだものを


噎せながらも吐き出した。


それは

真っ赤な花びらだった

きれいな赤い花びらだった。


花びらを吐き出すと同時に

人々は次々と絶命した。


美しき殺し屋に体を侵されて

肺の中で花を咲かされ

新たな樹を育てる養分にされていった。



ビルと搭とコンクリートの地は

たった数日のうちに


赤い花の花園と化した。



数百万の人間の

夥しいほどの死の上に

生まれたものとは信じがたい


綺麗な赤い花の続く

花の大地と姿を変えた。



その中央で

細木の群は密度を増していった


やがてそれは

木々の間を埋めつくし


まるで

一本の巨木のように

堂々とそそり立った。


そして青々とした葉とともに

やはり真っ赤な花を咲かせた。


人が占領していた地は

数百年の歴史を持つ街は

あっけないほどに

木と花に奪い返された。


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