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悪の華5
「そうだったな。実はあれは、実験だったんだ。
政府は事実とは全く関係のない、鮎貝が精神に異常をきたした理由を捏造した。お前と同じように、あの花が人工物じゃなく天然モノだって理由で自殺するなんざ、確かに微妙すぎる。かといって誰かに『これおかしいよな?』と相談することも出来ないからな。現政府に疑問を抱いたらどうなるか目に見えてるからな。
そういうわけで、佐渡、お前さんを使わせてもらったわけだ。今になってわかったんだが、あれは政府のミスだ。あの花が天然モノであることが身の死に繋がる衝撃だったのは、政府だったんだからな。人が死ぬに値するもんだと、つい思い込んじまったわけだ」
佐渡の説明に、政直は疑問を抱いた。
「そりゃおかしい。政府にだって、一人くらいまともな発想の持ち主がいるはずだ。そんな穴だらけのアイデアが通るわけない」
「ああ。この国の政府がまともだったら、そうだろう。誰かしらに突っ込まれて、それでは人は騙せないという結論に行き着いてしまう。
だがお前も見たとおり、政府はとうの昔に使い物にならなくなってる。異を唱えるヤツを片っ端から追放しまくってきた結果、ろくにツッコミすら入れられないイエスマンだらけになっちまったんだ」




