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悪の華4
あの憎たらしい花が天然ものであったことは、かつて君の上司だった鮎貝が突き止めた。あの花はツツジの一種が放射能汚染が原因で変異したものであることを明らかにした。
しかし、その事実を発表しようとした矢先に鮎貝の研究室に侵入者が出て、全ての資料を盗み出され施設は破壊された。それを訴えた鮎貝は、いきなり精神鑑定を受けさせられて異常者と判断された。拘束を受けて薬漬けにされる毎日を重ねるうちに、鮎貝は本当に精神に異常をきたすようになったわけだ。
どうしてこうなったかというと、鮎貝は政府に都合の悪い事実を発表しようとしたからだ。放射能汚染の原因は過去に原子力発電所を杜撰な管理下のまま稼働し続け、事故を乱発しまくった上に隠蔽し続けた自業自得の結果なんだが…原発での利権を国是としていた政府にとって、国民の全てを敵に回してでも事業は続けられなければならなかった。
今になって被害が出たなんて、政府には絶対に表沙汰にしちゃならないことだった。そのためなら、鮎貝の一人や二人を抹殺 するくらいは平気で行われるものだ」
政直は仰天した。
「いや…鮎貝さんがおかしくなったのって、有働さんから聞いたんですけど……」
政直は混乱した。だがそんな有働の説明に違和感を拭いきれなかったことも、また事実だった。




