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メッセンジャー5
政直はゆっくりと音を立てないように少女に近寄った。そして少女のコメカミに刺さったプラグを慎重に抜いた。
もしもプラグを抜くことで警報でも鳴るようであったなら、この時点で終わりだった。寝ている男が起き上がり、大勢の警官を呼ばれ政直は縛につくしかなかっただろう。だが幸いにもプラグを抜いても何ら変化はなかった。
政直は小刻みに震え続ける少女を両腕で抱えた。子供というのはこんなにも軽かったか?と、首を傾げるほど軽かった。まるでスポンジの塊のような重さだった。ここしばらく子供を抱っこすることがなかったので、感覚を忘れているだけだと自分に言い聞かせた。今は、細かいことを気にしていられる余裕はない。
政直にとって、問題となるのは相変わらず方向がわからないことだった。どこへ行こうにも、道がわからないのだから逃げようがない。




