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第三十四話「吸血鬼」
「おいしいですね悪魔さん」
口をもぐもぐと動かしながらしゃべる
ひとみに呆れながら、
我は外国食フェスとやらに目を輝かせては
「……いない」
「何か言いました?」
「いや、なんでもない。それよりもだな。なぜ、我らはこんなところに来ておるのだ」
「なんでって、甘い匂いを追いかけろということでしたので」
甘い匂いを追えとは言ったが、なぜここに来る必要があるのだ。
何かあてでもあるのだろうか?
「あ、そういえば探してる人の特徴とかはないんですか?」
特徴か…
「そうだな。引きこもりがちで色白、八重歯、日光を浴びないように日傘を常用」
「なんか、吸血鬼みたいですね」
「まあ、そんなところだ。」
実際、吸血鬼ではあるしな。
日光を浴びて死にはしないが。
「ごちそうさまでした」
「まだ食べておったのか」
ひとみにやつの特徴を伝えたからな。
これで二手に別れて捜索できるだろう。
会社に戻られる前に見つけなければな。
やつにはこれまで働いていなかった分の仕事を
してもらわなくてはならない。
それに
「……」
新たなピースを埋めるためにもやつの力が必要だ。




