第29話「ドライブスルー」
お昼休憩の時間、
我はひとみをつれ、車を走らせておった。
「部下さん、大変そうでしたね」
「まあ、無理もない。新施設の関係で以前より仕事が増えたしな。」
もともと、我の仕事だった部分をあやつが担うことになってしまったからな。
新施設関連が落ち着くまでは、タスクをできるだけ多くの社員に分散させ、
過集中することがないようにしなければな。
「……」
すまない、部下。
「ええっと、部下さんはトリプルチキンバーガーとコーヒーのMサイズでしたね。
悪魔さんは、これが定番みたいなものとかあったりするんですか?」
「そうだな……」
定番はないような気がするが、ちょっとピリッと来るのがよいな。
地獄と比べれば、人間界の辛いものは刺激が足りぬような気がするが、
ただ辛いのではなく、その中に素材の良さと相性のハーモニーとやらが感じられる。
「ハーモニー?」
「どうされました悪魔さん?」
「いや、何でもない。…定番はないが、少しピリッと来るものが良いな」
「あ、それなら今、ちょうどいいやつがありますよ」
ひとみは、我の方にスマホを向けながらいろいろと語っておった。
「……」
運転中で我は目を離せないのだが…
そうこうしておるうちに、店が見えてきた。
ちなみに店前ののぼりには、
ビリ、ピリ、カラ 三火一体レッドチキルバーガー」と書いてあった。
「……」
「よし、それにするか」
我は見るなり、即決した。
今日は、レッドチキルバーガーを買うと




