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異世界転生したらメカ少女になっていた!! ~アーマード・コンフリクト~  作者: 藤谷 葵


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第32話:ドリンクホルダー

「お疲れさん」


 静まり返った暗闇の中、恭子さんの声が聞こえたので反応する。


「お疲れ様でした。何かドロップしました?」

「ああ、暗視装置と……軽装用の強化アーマーが出たわ。……あたいは重装アーマーなんだけどな」


 また恭子さんが涙目になっている。とことん運の無さを感じる。しかしやはりというべきか、夜間戦闘で暗視装置が出るらしい。


「綾乃は?」

「ジェネレーターYタイプとマジックソードの設計図が出ましたわ。あとは下着の設計図も。これでクマさんパンツともおさらばですわ」


 気分はうきうきわくわくですわ。

 早速、下着を製造開始……と思ったら部品が足りないことに気付いた。青ざめつつ思わず叫び声が出る。


「あれだけ大量の敵を倒したのに下着の部品が足りないですって? 下着なんて少ない部品でできあがるのに!」

「あはは、残念だったな」


 わたくしは腹立たしくなり、恭子さんに向かいつかつかと歩いていく。そして両手で恭子さんのほっぺたを引っ張る。


「いひゃいいひゃい! いやいひゃくはないけど気分的にいひゃい!」


 そのまま睨み付けていると恭子さんは脂汗を大量に流した。


「ごめんなひゃい」


 涙目になっているので解放した。何事もなかったかのように話題を戻す。


「それで恭子さんは装備は何ができあがりました?」


 ほっぺたを抑えつつ答える。


「サブアームとマジックソード、アクチュエーターYタイプにドリンクホルダー、それに暗視装置だな。ただサブアームをどこにつけるかはまだ決まってないから装備はしてない」


 恭子さんの装備の充実差に愕然とする。わたくしが製造できたのは、アサルトライフルとジェネレーターYタイプ。それにマジックソードぐらいである。

 ショックはあるが興味深いものがあるので聞いてみる。


「ドリンクホルダーって結局なんです? 戦闘用バギーの装備品ですか?」

「いんや、あたいの装備品だぞ?」


 わたくしの頭をもってしても、理解が追い付かない。ドリンクホルダーが装備品? 悩んでいたら恭子さんがアイテムボックスから何やら取り出した。


「これがドリンクホルダーだ」


 見せてくれたドリンクホルダーをまじまじと見る。確かに元の世界では車などについていた飲み物を固定するものである。三つ分の穴があるので三本収めることができるようだ。するとおもむろに恭子さんはそれを腰部アーマーの左側に装備した。


「え? え? それを装備しちゃうんですか? 他の物を装備した方がよろしいのでは?」


 すると再びアイテムボックスから何かを取り出す。何かと思ったらレーションを三つ出している。そしてそれを順番に使用して、お酒を出していた。

 恭子さんはそのお酒をドリンクホルダーに収めていた。


「は? もしかして戦闘中に飲む気ですか?」


 恭子さんは人差し指を立てて左右に振る。


「チッチッ、あたいのスキルは『酒飲みハイパーブースト』だぜ? 戦闘中に飲んでみないと検証できないだろ」

「まあ……それはそうですが……」


 いまいち腑に落ちない。ある意味『仕事中に飲みます!』と宣言しているようにも思える。だがまあ言いたいことは分かる。検証でしょう。ただ半分は単に飲みたいだけというのもわかってしまうのが、なんとも言えませんが……。


 わたくしたちは再び鉄くずの壁の上に登り、警備した。恭子さんが暗視装置を内蔵したので、暗闇の中でも視野が広くなったらしい。わたくしも早く暗視装置が欲しい所ですわね。そうすれば夜間警備がしやすい。できれば下着はもっと早く欲しい……。

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