9.異空間
「こんにちは、勇者さん。」
そう話しかけられ、目を開けると転生の時の天使がいた。
「俺死んだんですか?」
「そんなわけないでしょう。」
「じゃあなんでまたここにいるんですか?」
「私がここでこの世界について軽く話してあげようとおもったのですよ。いわゆるチュートリアルっていうところですね。」
「なるほど…確かに分からないところしかないのでよろしくお願いします!」
「まずこの世界には魔王がいて、勇者とは魔王を倒す使命を与えられたものです。そして貴方がた勇者は…」
「ちょ…ちょっと待ってください!」
「はい?どうかしましたか?」
「そういえば目覚めた時に勇者さんと呼びましたよね?俺って勇者なんですか?」
「そうですよ?」
「そうですか…。」
にせものじゃなくてよかった…。
「続けていいですか?」
「どうぞ。」
「それでその勇者を影からサポートするのが私達天使の役割なのです。」
「具体的には何をしてくれるんですか?」
「例えばスキルの付与とか加護を与えたりですね。貴方はゲームに精通しているようですし説明は不要でしょう。ゲームと同じようなものです。」
「そのスキルって自分で決められるんですか?」
「残念ながら、初めからチート能力で無双!!みたいなことはできない場合がほとんどですね。」
今年一のショックを受けた。
「じゃあスキルはどうやって決まるんですか?」
「それは私があなたに向かってスキルを付与する権能を行使することであなたにあったスキルが勝手に付与されますね。」
「そんな残念そうな顔をしないでくださいよ。私だってチート能力をあげられるんだったらあげたいんですからね!」
「すいません……。そういえば、加護も色々あるんですか?」
「あっ!説明を忘れていました。加護はこの世界に存在している8天使がそれぞれ加護を持っていて自分に合ったものを貴方がたに選んでもらう形ですね。ちなみに私は回復とかの補助魔法へのバフです。とりあえずかけておきますね。」
「ちょっと!こちらが選ぶって話じゃないですか!そんな熟練の医者みたいにパパっとしないでくださいよ!」
「この加護は現実世界にある神像に触れることで付け替えることができるのですよ。でもしばらくの間はほかの像に触れられないと思うのでかけておきました。」
「なんで触れられないのですか?」
「その説明もまだしていませんでしたか。忘れてました。」
天使によるとこの世界には10個の島がありそのうちの8個に神像があるらしい。だから、冒険しないとどちらにしろ加護は変えられないということだそうだ。
「これでだいたい説明しましたが、理解できましたか?」
「はい!もちろん!!」
「本当ですか……?まあいいです。また分からないことがあったりしたら神像に祈ってください。そうすれば来れるので。」
その言葉を聞いてすぐに自分が落ちていく感覚に見舞われる。天使さんとの距離が離れていく。
「わかりました!色々とありがとうございました!」
「最後に!自分のステータスはステータスオープンということで見れますからね〜。」
「は〜い!」
そう返事をしたかどうかでまたも意識が途絶えた。
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「それにしても嵐みたいな子だったわね……。」
何も無い空間からティーポットとカップを取り出して午後のティータイムを始める。ここでは午後という概念はないのだが……。




