6.勇者の遺志を継ぐ者
この世界には2つの紋章が存在していて、勇者の遺志を継ぐ者とその偽者に現れるものがあるらしい。それを見極めるには教会にいき、判定してもらうらしい。また、勇者の遺志を継ぐ者とはこの世界の魔王を倒すために現れる英雄のことらしい。
そんな大層なことをするのではなく、さっさと氷翠と迴斗を見つけて帰りたいんだが……。
それはとりあえず置いといて、いい機会なのでこの世界についてもっと詳しく説明してもらう。
カリファいわくこの世界にはスキルというものが存在していて、そのスキルを使って生活の利便性を高めたり、戦闘に活用したりして様々な場面で利用されているらしい。俺にもスキルは宿っていて、これもまた教会にいって発現してもらうらしい。アニメやゲーム好きとしてスキルははやく使ってみたい。
「スキルを早く使ってみたくて教会に行きたいのはわかるのですが、もう少し落ち着いてください。」
「驚いた。カリファは思考を盗聴するスキルでももっているのか?」
「そんなスキルは持ってませんよ?何となく顔に書いてあったので。」
そんなおもちゃが欲しくて親にねだる子供じゃあるまいし、カリファはスキルを持っていることを隠したいのだろう。確かにそんなの持っているとしたら、少なからず離れていく人はいるだろうからな……。
そう思うことにする!そうでもしなきゃ恥ずかしすぎる!
「ところでカリファはこんな所で何をしていたんだ?」
「実はですね…ここら辺で新たな勇者が誕生するような予兆があったので来てみたのです。」
「その予兆ってなんなんだ?」
「虹が3重になったりとか、そういう超常現象が起きたりしますね。」
「ちなみに今回は何が起こったんだ?」
「今回はこの地は常雨地帯で雨が止んだことが記録の限りは存在しない大地なのに、今はこの通り天体観測ができるレベルではれていることですね。」
確かに空を見上げてみると雲ひとつない綺麗な夜空だ。
「なのでこちらに来てみたらこのザマですよ!」
横転した馬車を指差す。
「それはなんというべきか……不運だったな…」
「いえ!!勇者の可能性のある人を見つけられたのでむしろ幸運ですよ!!」
これ偽者だったらだいぶ悲しいことになりそうだ……。
自分が本物の勇者であることをそっと祈っておく。
「そろそろいい時間ですし、寝ましょうか。」
確かにココ最近事件が起きすぎて忙しかった。しかし、まだ気がかりなところがある。
「俺も眠いは眠いんだが、エンペラーベアがまた襲ってきたりしないのか?」
「エンペラーベアには1度興味を失ったものは襲わなくなる習性があるので大丈夫です!」
現地の人が大丈夫と言うなら大丈夫なのだろう。
「それならいいか。じゃあおやすみ。」
「…………。」
返事がないので見てみるともう眠っている。
はええなおい。




