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ゴブリン

まさかの言葉に耳を疑いつつセシルに遅れて剣を抜いた。

両刃の直剣もまた聖銀の輝きを放っていた。



ゴブリンの一体が、俺を目掛けて走ってくる。



初めて明確な殺意を向けられ身体が強張る。



感覚が研ぎ澄まされ、思考が加速される。



身動きがとれないうちにどんどんと距離を詰められる。



身体は恐怖で動かないがゴブリンの姿だけは鮮明に捉えられる。



人間の子供くらいの背丈

うちの娘より少し大きいな



ボロボロでサイズの合わない服

襲った人間の衣服を奪って着たんか?



刃こぼれだらけで錆びているナイフ

あんなので切り付けられたら破傷風は確実やな



引き伸ばされた時間の中で、感覚が視覚に全振りされて音が聞こえない。



自分を殺そうとする相手のことを観察することしか出来ない。



距離が3mを切ろうとした時



「カズサ様!!」



「はっ!」



セシルの声が頭に響き、一気に現実に引き戻される。



失っていた聴覚が戻り、ゴブリンがペタペタと裸足で走る音が聞こえる。



呼吸も出来ていなかったのか肺に酸素が取り込まれ、身体中に神経が通るような感覚を覚えた。



「うらぁ!」



手に持った聖銀の剣を横薙ぎに斬りつけた。



その美しい刃がゴブリンの血で汚れることなく空を斬る



ゴブリンが下衆な笑みを浮かべながらナイフを構え、脇腹を目掛けて突撃してくる。



あかん!避けられへん!



フルスイングを躱され、体勢を崩した状態では何も出来ず

刃こぼれだらけのナイフが無防備な脇腹に突き立てられる。



ガギン!



脇腹に衝撃を感じたが痛みはない。

聖銀の鎧には傷一つなかった。



むしろナイフの方がダメージを受けたようで先が欠けていた。

ゴブリンは少し困惑したが、すぐに鎧を貫けなかったことに怒りの表情を浮かべて再度飛びかかってきた。



落ち着け!落ち着け!落ち着け!

この鎧はナイフを通さん!大丈夫!



「ふーーーっ。集中せぇよ。」



再び剣を構える。



今度は剣先をゴブリンに向けて弓を引くように引き絞る。



下手な大振りはせん!

突っ込んでくるゴブリンの勢いを利用して、突く!!



飛びかかってきたゴブリンの胸部を狙って突きを放つ



ゴブリンは空中で体をよじり、回避行動をとった。

しかし、躱しきれず右肩を貫かれた。



「ぐぎゃあーあーーあーーー・・・!!」



痛みにもがきながら上総に掴みかかろうとするが

ゴブリンの短い腕でゆっくりと空を掻く。



上総の心臓の音が間延びしていく

頭にゴブリンのステータスが思い浮かぶ。



名前:   

種族:ゴブリン

クラス:

Lv.1

HP:0

MP:0

ATK:5

DEF:10

RES:20



スキル:ナイフ術Lv.1



これはゴブリンのステータス?

そうか、剣を介した間接接触もギフトの対象か!

奪えるのはスキルだけか?



ナイフ術スキルを奪った時にはゴブリンは事切れていた。



ゴブリンの手から落ちたナイフを手に取り、

剣とナイフの特殊な二刀流スタイルになった。



1人殺されたことにゴブリンたちが怒り、一斉に襲いかかってきた。

ふと拾っただけの汚いナイフが不思議なことに手に馴染んだ



スキルの影響か?



激昂したゴブリンが次々と襲いかかってくる。

突出した1体のナイフを剣で受ける。

剣とナイフが接触した瞬間に思考が加速した。



剣の角度を絶妙な角度に調節し、ゴブリンのナイフを捌く。

ナイフ術スキルを奪い、すれ違いざまに首を切りつける。



ナイフがどんどん感覚的に使えるようになる!



飛びかかるゴブリンのナイフを今度はナイフで弾き、剣で切りつける。



しかし、刃がゴブリンの身体に食い込んで止まってしまった。



やばっ!



『レベルアップを確認しました』

!!

必死に握りしめていた剣が手に吸い付くように安定するのを感じた。



あんなに抜けなかった死体に食い込んだ剣がいとも簡単に抜けた。

後ろから飛びかかるゴブリンをそのまま剣で斬り伏せる。



まじで死ぬかと思った。



「お見事です!カズサ様!」



こいつ!スパルタ過ぎんか!?



「レベルが上ってスキルも獲得できたのではありませんか?」



「レベルアップはしたと思います」



ステータスオープン

名前:白銀 上総 76.4

年齢22

クラス:勇者

Lv.6

HP:25

MP:12

ATK:55

DEF:55

RES:20



スキル:

ナイフ術Lv.3-⅓

回復魔法Lv.2

剣術Lv.1

礼儀作法Lv.1

精神攻撃耐性Lv.1

呪い耐性Lv.1



ギフト:生物のステータスに干渉し、奪い与えることが出来る



ナイフ術Lv.3-1/3?

スキルレベルが上がるのに同一のスキルが一定数必要ってことか。



「初めての討伐ですし、今回はこれまでにしておきましょう」



これで終わり?早くレベルを上げて帰る方法を探さんとあかんのに。



かといって無理に残っても不審がられるか?



「分かりました。日も暮れてきたので帰りましょう」



つい先ほど通った道を再び馬車に揺られて帰る。

討伐の行き帰りで2時間か。無駄すぎる。

1人で馬に乗れれば早いか?

いや、市街地を馬で爆走するのは危ないし現実的じゃない。

さっさとレベル上げをして実力をつけないとお守りからは解放されへんやろう。



「セシル先生、講義の枠を増やしてもらいたいのですが。可能性ですか?」



「もちろんです!ソシャに予定を組み直させます!」



やる気に燃え、目を輝かせるセシル

これならなんとかしてくれるやろうな



「慣れない馬車移動は疲れますね。」



「シロカネ様お疲れのところ申し訳ございませんがお客様がいらしてます。」

ナタリアに案内されてきたのはイケメン鑑定士バロン・レーンだった。



「シロカネ様、討伐訓練でレベルアップしたと報告を受けましたので改めて鑑定をさせていただきたいのですがよろしいでしょうか」



「・・・分かりました。」

上総に緊張が走る。


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