39.一生の相棒
「わぁ……っ凄い、綺麗!」
「あぁ、俺たちには勿体無いぐらいだ」
キラキラと輝く正真正銘俺たちの武器を、グリュンと二人で眺める。おそらく俺の鱗で作ったからだろうが、漆黒に光る刀身は何というか、こう、魔王が持ってそうな、少なくともただの冒険者が持つような武器ではないように見えてしまった。
「やっぱ素材が良かったんだよ、なんせ竜の鱗なんて滅多に使えねぇからな」
「じゃあ楽しかった?作るの」
「それはめちゃくちゃ、な」
「スーウェンがそう言ってくれると、提供した身としても嬉しいな」
改めて、自分の武器を見る。
俺の方は片手剣のようではあるが、サーベルのような形状も入っている。ふと手元を見ると、柄の部分にアメシストが埋めてある。これはもしかして、彼のサービスなのだろうか。
そしてグリュンの方を見る。
グリュンの方は二対の短剣で、こちらも俺と同じように柄の部分にペリドットが埋め込まれている。ただ違うとすれば、あちらは俺のように曲がっておらず真っ直ぐな刀身であることだろうか。
どちらにせよ、素手と魔法以外の選択肢が増えたことには違いない。あんな事があった直後ではあるし、身を守る術はいくらあっても困らないからな。
「じゃ、思う存分使ってあげてくれ」
「ああ、すまない助かった」
「武器作ってくれてありがとう!」
「あんたたちならいつでも承るからなー!」
そう言って俺たちはスーウェンの所から離れる。
さて、これからどうしようか。
正直、早めに街から離れたい。だとすると、アルトリウス様の言っていた『ネーヴェ』に行ってみるのがいいのかもしれない。
もしかしたら何か、分かるかもしれないからな。
俺の謎の加護もそうだし、グリュンのことについても。
「……ん、どうした?」
「ヴェルは、俺のこと嫌わない?」
「急にどうした?嫌う訳がないだろう」
「……ちょっと不安になったの」
俯いてそう呟いたグリュンに首を傾げつつも、その頭をそっと撫でる。
嫌いになる要素なんて一つもない。そんな想いを込めて。
「……ふふ」
「…今度はどうした?」
「やっぱりヴェルは、俺の自慢」
「はぁ……?」
突然笑みを浮かべて、走り出したグリュンを慌てて追いかける。
やっとグリュンの事を理解できたかと思えば全然出来ていなかった。
───やっぱり子供って分からんなぁ……。
それでも、最近ようやくグリュンの突発的な行動に慣れてきた。
………ような気がする。




