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拒絶したのに、今更です…   作者: みかさん
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28/51

28話


『き、気まずい… リード様とボートに乗ってみたのはいいが、話すことがない!』


「この間は…」


「えっ?」


「この間はチョコレートありがとう。旨かったよ」


「あ、いえ…」

『心臓に悪いよ~ 』


「あの文字は…」


「あの文字?」

『あの文字って【I LOVE YOU】の事?まさか!』


「いや、やはり何でもない。忘れてくれ…」

『ちょっと最後まで言ってよ… 気になるじゃん!』


「…… 」

「…… 」

『沈黙が恐ろしい…』


「あっ!あそこ。さっきローズが見たがっていた花がありますよ」


「近くへ寄ってみよう!」

湖に浮かぶその花は前世でいうチューリップに良く似た花だった。


「この花は何て名前なのかしら?」


「この花は アナリア という花だよ。綺麗な水にしか生息しないと言われている」


「綺麗ですね。なんだか懐かし… んっ?」

『あれ?今、ここには絶対に生息するはずのないものが見えた気が…』マリーは身体を乗り出し、水面を覗く。


「おい、そんなに体重をかけたら…」

「居た!マグロよ!嘘?何で湖にマグロが居るの!?有り得ない!」


「おい、そんなに騒ぐと…」

マリーはますます体を乗り出す。


「届かない~!こんな大人しいマグロがいるわけない。捕まえなきゃ… 後、少し… キャー!?」

「おわっ?!」

ボートは見事に転覆した。


「マリー嬢大丈夫か?マリー嬢?」

『駄目、ドレスが重くて… 息が出来ない…』


「ぷはぁーゲホッゲホッ。ありがとうございます。アルフリード様」


「私にしっかりと掴まれ…」


「はいっ」

『ひゃー近い近い近い!リード様の首筋が… 頬が… 襟足が… 全てが近い~ しかも、いい匂いがする…』


『な、なんだ?急にマリー嬢から甘い匂いが… これはまずい!嗅いでは駄目だ!』

アルフリードはマリーの首筋に鼻を寄せるとスンスンと匂いを嗅ぐ。


『!?★◇☆▶◇■◆★☆ リード様が!』

マリーの頭はパニック状態である。


『まずい!無意識にマリー嬢の匂いを嗅いでしまう!くそっ仕方ない…』

アルフリードは羽を広げるとマリーを抱き抱えたまま空へと舞い上がる。もの凄い勢いで岸へと舞い降りた。『えっ、今 私 飛んでた?』


「向こうにいるメイドに頼んで着替えてくるがいい。私はこれで失礼する」


「あ、はい…」

『嘘!嘘!今、一体何が起きたの?』

マリーはしばらくその場を動けないでいた。


◆◆◆


「へっくしゅんっ」


「馬鹿ねぇ~濡れたままでいれば誰だって風邪引くわよ。何であんな状態で座ってたわけ?」


「…… 」

あの後しばらく放心状態だったマリーはオゼットが声を掛けるまで濡れたまま地べたに座っていた。


「帰ったら直ぐに温泉に入って来なさい」


「は~い…」


◆◆◆


「ふふん~♪温泉~温泉~」

着替えを済ませたマリーは温泉へと続くドアに手を掛け固まる。

『待てよ… もしかしたら誰かいるかも…』マリーはなるべく音を立てないように抜足で進んでいく。


「なーんだ。誰もいないじゃん!」

「誰だ!」

「へっ?」

振り向いた先の岩影から現れたのは上半身裸のアルフリードだった。


「リ、リ… ハ、ハ、ハダカーーっ!?」

バタンッ マリーは後ろに引っくり返るとそのまま意識を失った。


◆◆◆


「うぅ~寒いっ」

マリーは布団にくるまりガタガタと震えている。


「風邪ね」

「熱もあるわ」

呆れた顔のオゼットと心配そうなローズが薬や食事を運んできてくれた。


「全く、体を温めに温泉に行ったのに、倒れて帰ってくるなんてねぇ~」

「アルフリード様も心配していましたよ」


「リード様が…」

マリーは温泉で見た光景を思い出し、顔をますます赤くする。


「あらっ?熱が上がったんじゃないの?顔が真っ赤よ?」

「大変氷で冷やさなくっちゃ!」


この後マリーは連休いっぱいベッドで過ごす事になった。

そして皆無事に3年生へと進級した…


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