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拒絶したのに、今更です…   作者: みかさん
21/51

21話


「あれ?ここは…」


「マリー!目が覚めたのね」

「良かった!マリー具合はどう?」


「んっー良く眠ったなぁって感じ?」


「馬鹿!貴女拐われたのよ。一歩間違えればどうなっていたか…」

「そうですよ!心配したんだから…」

ローズがほろほろと涙を流す…


「そうよ!わたくしだって…」

オゼットが勢い良くマリーに抱きつき、わんわんと泣き出した。


「ごめんね。2人とも…」


コンコンッ

突然ドアを叩く音が聞こえた。


「はいっ」


「マリー嬢、具合はどうかな?」

アンソニーとアルフリードが部屋へ入ってくる。アルフリードは何やら箱を持っていた。


「はい、お蔭様で元気いっぱいです」


「それはよかった。アルフリードが迅速に対応してくれたお陰だね」


「アルフリード様が!!あ、ありがとうございます」

横目でチラッとアルフリードを見上げると何故か眉間にシワを寄せている。


「マリー嬢、君は盗まれた下着をとても気に入っていて犯人を探していたと聞いたが間違いないかな?」


「はいっ。とても大切にしていました。それが何か?」


「いや、実は犯人が捕まって下着を見つけたんだが…証拠品でね…なかなか返せないんだよ」


「えっ?」


「今、この箱の中には女性の下着が五人分入っている。マリー嬢の物はあるか確認して欲しいんだが…」


「は、はい…」

『ちょっと待って… まさかとは思うけど、リード様は見てないよね… 見られたら不味い!マズすぎる!』


「ちなみに私達は先に確認しているんだ。すまないね」

『や、や、やばーい!絶対にヤバイ女だと思われる。どうしよう?』

箱を明け、中を覗くとドラゴンの刺繍とバッチリ目があった。『ご、ごめん!ドラゴンさん…許して…』


「こ、この中に私の下着はありません」


「本当?犯人は君の下着を盗むためのカモフラージュで他の四人の下着を盗んだと言っていたけど…」


「な、無いです!本当に無いんです」


「私はてっきり龍…」

「ち、違います!こんな趣味の悪い下着、買うわけ無いじゃないですか…」


「そうか…すまなかったね。では、ゆっくり休んでくれ。アルフリード行こう」


「はい」

アルフリードは箱を持つと部屋から出ていった。


「あっ、マリー嬢 明日君の部屋を捜索することになっているから宜しく頼むよ。では、良い夢を」


『はぁ!今なんて!こうしちゃいられない!帰ってリード様の写真を隠さなくっちゃ』


「マリー何をしているの?」

「帰る支度」

「駄目よ!今日は泊まって行きなさいな」

「帰る!帰らせてーーーっ」

マリーの悲痛な叫びは何処までも鳴り響いた。



◆◆◆



『最近ついてないなぁ~ イベントは見逃すし、泥棒には入られるし、酔っぱらいには絡まれるし、拉致されるし… 何この運の悪さ… 何かいいことないかなぁ~』1人でトボトボ廊下を歩っていると


「あの… スカーレット先輩ですよね…」

声のする方へ振り向くとそこには可愛い男の子?が立っていた。

『う~ん?何処かで見た様な?』


「あの… 僕… 1年のメイルーク・エドワードと言います!実は… スカーレット先輩にお願いがあって…あの…あの…」


「私にお願い?何かなぁ?」

『何この子可愛い!』グレーの髪の毛を後ろで一つに縛り、大きな目は赤色。桃色の唇はプクッ膨れている

『やだぁ、ショタっ子よ!ショタっ子が居たわ!』


「ぼ…僕!ハイアーン先輩の事がす…好きで!!おと…お友達になりたいんです!スカーレット先輩はハイアーン先輩と仲がいいですよね?僕…お友達に慣れればそれで…恋が叶わなくたっていいんです!それでも傍に…」

『分かるわ~その気持ち!!分かるよ!エド君!』


「分かったわ!私が協力してあげる」


「あ、ありがとうございます!スカーレット先輩」

上目遣いで見詰めてくるエドワード。

『きゃ、きゃわいい~お持ち帰りしたいわ~』


「お昼に学食食べに来る?そしたら、一緒に食べようよ」


「はい、ありがとう!」

『はぁ~お昼が楽しみだなぁ。でも…メイルーク・エドワード… 何処かで聞いたような…』


◆◆◆


「おっかしいなぁ~」


「何よ。どうしたの?」


「んっ、友達が出来たから、一緒にご飯食べよって誘ったんだけど… あっ、来た!エド君こっちだよ~」


「えっ男性を誘ったの?珍しいわね」

「んっーこのシチューとっても美味しいですよ」


「メイルーク・エドワード君だよ!友達になったんだ。可愛いでしょ?」


「本当ね!本当に男の子かしら?」

「女の子みたいに可愛いです」


「ぼ、僕は男です!女ではありません。」

「みんなひどいよ!エド君は可愛い男の子だよ。男の子ってとこがいいんじゃない」


「貴女… 目付きが怖いわよ。エド君、マリーの近くに居ては危険よ!わたくしの隣に来なさいな」


「だーめ!エド君は私の友達なの。今日は私の隣ね」


「は、はい!み、みなさんお綺麗でぼく…緊張しちゃいます」


「「「か、かわいい~」」」


エドワードを囲ってわいわいと食事を楽しむのであった。


◆◆◆


『チッ、俺はローズがいいって言ってるのに、あいつ使えねぇ~な。せめてマルクス家の女の隣が良かったぜ。俺はぺたんこ女は大嫌いなんだよ…』


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