16話
王家からの手紙…
呼び出し状だ。呼び出した相手はアンソニー様。
学校で話せないとなると、よっぽどの事なんだろう…
「スカーレット・マリー、 殿下のご命令により、登城致しました」
「入れ」
「はいっ失礼致します」
「良く来てくれたねマリー嬢。今日は君に提案があって呼んだんだ。そこのソファーにかけてくれ」
「は、はぁ…」
「この間の学園祭はとても見事だったね。まさか私もマリー嬢があそこまで商売気質だとは思わなかったよ。いつからアリア商会と繋がっていたんだい?」
「いつから…学園に入る前からでしょうか…でも、本格的に共同経営始めたのは最近ですかね」
「そんなに前から!アハッ想像以上だね君は」
「はぁ…」
「ただね…ちょっと事業を拡大しすぎたね」
「そ、それはどういう意味でしょう?」
「国王の耳にも入ってしまったようだよ。君のやっていることが」
「それはいけないことなのでしょうか?」
「んーどうだろう?王子様コスプレやお姫様コスプレはもしかしたら王家を侮辱しているとかで、賠償金を払うことになるかもしれないね」
「そ、そんな…」
「そこで提案なんだけど、アリア商会で商品を新しく作った時は一番最初に王家に献上するっていうのはどうかな?そうすれば、王家を蔑ろにしていないという証明にもなるし」
「本当にそれで事は収まりますか?」
「私を誰だと思っているの?」
「ですが…」
「ねぇ、見て!この写真欲しくない?」
「欲しい!です」
ズラリと並べられたアルフリードの写真がそこにはあった。
「なら…」
「献上します。どうかやらせてください!」
「決まりだね。後で契約書類は送るからサインして私に直接渡してくれるかい?」
「はい!なんでもしますからその写真をください」
「契約成立。時々、アルフリードの写真を君に渡す代わりに君もローズ嬢の写真を私にくれないか?」
「物々交換ですね」
「やってくれるかい?」
「喜んで」
「君とはいい関係を築けそうだ」
◆◆◆
「あちぃー海行きたーい」
「もうマリーだらしないわね。このくらいの暑さで」
「だって…」
「海… 私行ったことないです海…」
「えっ!ローズ海行ったことないの?海の幸は最高なのよ~」
「海で泳ぎたーい」
「泳ぐ?何言ってるの?海に入ったら服が濡れてしまうじゃない?男性じゃあるまいし泳ぐなんて無理よ」
「チッチッチッ女性でも泳げる服があるんです~試作を作ったからちょっと着て泳いでみたいんだけど…」
「あら?そんな素晴らしい物があるの?」
「水着って言うんですよ。他にも浮き輪やビーチボールも作ってみました~」
「また訳の分からないものを作ったのね…ではどうかしら?もうすぐ大型連休があるじゃない?わたくしの家が所有する海辺の別荘に行くのはいかが?プライベートビーチがあるから誰も居ないわよ?」
「行きたい!是非お願いします」
「私も行きたいです」
「では決まりね。勿論、出された課題は持っていきましょう」
「「はーい」」
「あ、一ついい忘れたことが!!この話は絶対に男性人にはしちゃ駄目だからね!時にアンソニー様だけには絶対に言わないでよ!オゼット」
「な、なんでわたくしだけに言うのよ!ひどいわ」
「前科があるからね」
「まだ根に持ってたの?しつこいと嫌われるわよ」
「余計なお世話… それと、1人だけ女性スタッフ連れてくから宜しく~」
「勝手な人ね。まあいいわ」
「楽しみですね」
◆◆◆
「んっー最高のシュチュじゃん。青い空 白い砂浜。写真日和だね。クリスティ写真の準備は?」
「いつでも任せてください。」
この間、ミラクルを起こしたクリスティはあの後本当に昇格してスタッフリーダーをしている。
「これが海… 本当に何処までも水が続いてる…」
「さぁ、一度別荘に行きましょう。」
「お嬢様方お待ちしておりました」
流石 公爵家。別荘にも10人以上の使用人いて総出でお出迎え。圧巻である。
「早速水着に着替えて海で泳ごー」
「では更衣室に案内するわ。ここよ」
「じゃあこれ水着ね。私が皆に似合いそうなの勝手に選んできたから。後これビーチサンダルね。これは上に着る服だけど海に入る時は脱ぐんだよ。あと、日焼けクリームね。後でみんなで塗りッこしよ」
「ちょっとまって!これ下着じゃないの?これで外に出るの!無理よ」
オゼットには黒色のビキニ
「私のはオゼットよりは布地が多いけれど、お腹が丸見えです…」
ローズにはピンク色のふりふりオフショルダービキニ
「わ、私も着るんですか~!」
クリスティには青色ショートパンツビキニ
「ちょっとマリーだけずるいわ!」
そして私は白色ワンピース水着
「だから、男性陣には言わないでって言ったんだよ!プライベートビーチなんだから誰も見てないよ!早く着替えて行こう!」
「あ、ちょっともう…仕方ないわね」
「着るしかなさそうです…」
「なんで私まで…」
「みんな早く~先行っちゃうぞ~」
「待ちなさいよ!ホントに下着よこれ…」
「は、恥ずかしい…」
「ヤバ!!こんな2人と並びたくないです~マリー様置いてかないで~」
「さっ、準備できた~パラソルに簡易サマーベット」
「貴女通りで荷物が多いと思ったらこんなものまで用意してきたの?」
「そうだよ!後は浮き輪とボールに空気を入れるだけ。さっ、先に日焼けクリーム塗ろう!このベットに横になって」
「こうかしら?」
「そう!自分で塗れない部分は人に塗ってもらうの」
「に、してもオゼット…凄いナイスバディーだね。どうやったらこうなるわけ?染みも一つもないし…」
「あら?ありがとう。特別な事はしてないわ」
「チッ 次ローズ」
「はい!」
「ローズも染みがない…毛もない…スベスベ」
「くすぐったいです~」
「はい、次はクリスティ」
「わ、私はいいです!服をずっと着てますので!!絶対に脱ぎません!」
「あ、そう」
『残念…女子の肌はスベスベで気持ちいいのだ』
「次はマリーね」
「私も手伝います」
「2人掛でやっちゃいましょう」
「えっ、ちょっ、きゃハハハッ、くすぐったいよ」
「あら、意外と胸あるのね?」
「マリーもスベスベです~」
カシャカシャカシャカシャ
「アハハハッ、止めてってストープ!!クリスティまだ撮らなくて……」
「やあ、あまりにもあまりにも美しい光景でついね」
「キャージョルズ!鼻血が出てるわよ!!」
慌ててジョルズに駆け寄るオゼット。走る度にボインボイン揺れる二つの塊。
「した、下着…… おっ、、、」
ジョルズはそれだけ言うと盛大にぶっ倒れた。
「ジョルズーーー!」
オゼットの悲痛な叫び声が辺りに響く。
「どうされました!お嬢様!?」
「ジョルズが、ジョルズが…」
「皆、ジョルズ様をお運びしろ」
使用人3人係で運ばれていったジョルズに付き添うオゼット。
『チッ一人脱落か…それにしても何故アンソニーとジョルズがプライベートビーチに?リード様が居ないのは不幸中の幸いか』
「君、なんで私たちがいるんだろう?そう思った?」
「良く分かりましたね。その通りです」
「オゼットは私の婚約者だよ?彼女が何をしているか把握するのも婚約者の務めさ」
「でも、前の雑誌の撮影の時はバレなかった…あっ」
「そう。君がそうやって私にだけ隠そうとするから。それにしても素晴らしい格好をしているね」
「キャーーッ」
ローズはすっかり自分の格好を忘れていたようで、今頃になって小さく踞り、隠そうとする。
「ローズこれ着て!後タオル」
「あ、ありがとうマリー」
「君は隠さないんだね」
「隠す必要がないですから」
「そう。向こうの方に私の護衛をしている龍騎士が3人来ているんだよ。なんでも龍騎士はこの距離でも相手の姿が良く見えるんだそうだ。私達には彼等がいるかいないかも分からないのにね。もちろんアルフリードも居るよ。彼は仕事熱心だからね。今も私の行動を逐一観察していると思うよ」
「ギィヤァーー!?」
「マリー!?何処へ行くの?」
『水の中ならいくら龍人族が優秀でも見えないよね』
マリーは慌てて海の中に入り、身を隠す。
『久しぶりに海に入ったけどなかなか冷たいわね』
久しぶりと言っても海に入ったのは前世の記憶。今世では始めてである。
「マリーいつまで海に入ってるつもり?風邪引いちゃうよ!タオル持ってこようか?」
『アンソニーめ、まだ居やがる。奴さえ居なくなればリード様だって…』
「ローズお願いがあるんだけど、アンソニー様を連れて散歩にでも行ってきてくれない?なるべく遠くまで連れていって」
「マリーは一人で平気なの?」
「寧ろそうしてくれないとここから出れないから…」
「分かった!」
ローズはアンソニーの元へ駆け寄るとアンソニーの手を引っ張り連れていく。遠くからでも分かるアンソニーの真っ赤な顔。写真を撮っとけば弱みになるのに…と思うマリーであった。




