グリードの苦悩85
その日の朝、グリードは会議室に呼び出されていた。
四大貴族の四人は、グリードにはっきりと言った。
「グリードさん。このままだと、ハロルド殿下にフィリア嬢をもっていかれますよ。」
「いい加減、しっかりと自分の気持ちを伝えるべきでは?」
「とりあえず、過剰なスキンシップは止めるべきだ。」
「その上で、真剣に婚約を考えてくれるよう伝えてみてはどうだろうか。」
その言葉に、近くで見守っていたニフエルが現れた。
「ちょっと待て。グリードとフィリアさんは、、、婚約者でもなんでもない関係?もしや恋人でもないんですか?」
あ、この人は知らなかったのかと驚いた四人は、頷いた。
ニフエルは、グリードを睨みつけた。
「この駄犬は、それなのにも関わらず、あんなにも聖なる乙女に触れていたのか。」
すると、四人はため息を付きながら答えた。
『いつもの事です。』
そう。四人は気付いていた。
最初の頃はグリードも見えない所でスキンシップを取っていたようであったが、一緒にいる事が増えれば嫌でも気付く。
グリードのスキンシップは過剰である。
「本当に、この駄犬には躾が必要ですね。グリード。いいですか?女性には軽々しく触れてはいけないのです。」
その言葉に、グリードは言った。
「だって。最初、フィリアは頭を撫でると、とても喜んだんだ。」
『え?』
「フィリアは幼い時は側に誰もいなかったから、撫でたり、抱き上げたりすれば、恥ずかしそうにしてはいたが、とても喜んだんだ。だから、フィリアが求めているのに俺が躊躇ったら駄目だろう。」
その言葉に五人は、一瞬言葉を失った。
グリードがただ単にスキンシップが過剰なのかと思っていたが、それなりな理由が在ったのかと驚く。
だが、それをニフエルは一刀両断した。
「だが、それは家族愛であった頃だろう。今邪な気持ちがあるなら駄目だろう。」
グリードは項垂れた。
「あぁ。そうだよな。」
それから五人に色々なことを注意され、今後はフィリアを振り向かせるために動くべきだと促された。
グリードはげんなりとした。
フィリアに触れてはいけないなど自分は耐えられるのであろうか。
クラスに入るとフィリアは晴れやかな顔をして令嬢らと話をしていて、グリードはその可愛らしい笑顔に天を仰ぎ、手で顔を覆った。
我慢できる気がしない。
グリードの苦悩が始まった。
グリードさんファイト。
頑張ればハッピーエンドが待っています!




