消えたグリード 71
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シオンに対して、フィリアは冬もあと少しだと張り切って演技を続けていたある日、それは訪れた。
「グリード?」
フィリアは、寮へ帰る途中、グリードがふいに空を見上げたのにつられて自分も見上げた。
そして、次の瞬間には衝撃を受けた。
「グリード!」
「フィリア!」
突如として上空より光の柱が降りてきたかと思えば、グリードと隔てられ、またその衝撃波で吹き飛ばされる。
体を回転させ、どうにか体制を整えた時、フィリアの瞳に写ったのはグリードを拘束する光であった。
グリードは目を丸くし、フィリアの方へ顔を向けると声を上げた。
「フィリア逃げろ!」
「グリード!」
魔法を発動させ、迎え撃とうとした。だが、一瞬で空気が変わる。
フィリアは地面に何かに押さえつけられる。
「あれの事は忘れろ。」
低い声が響いた。
フィリアは意味がわからず、戸惑いながらも炎の魔法を展開させると、火の玉を飛ばした。
だが、火の玉は空気を切った。
そこには何もなかった。
そう。
一瞬にして何もなかったかのように、何もなくっていたのだ。
「グリード?」
あたりを見回しても、姿が見えない。
「グリード!」
何度呼んでも返事がない。
フィリアは必死でグリードを探したが、その痕跡はない。
「グリード!」
返事はない。
フィリアは皆に声をかけ、その日は夜通し探した。
だが、どこにもグリードの姿はなく、暗礁に乗り上げた。
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