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災いの魔力が消えし山 69

新しい問題発生です。

 その山には誰も近づかないように、強力な結界、封印が幾重にも重ねられていたはずであった。


 そのはずだった。


 暗い、暗い山の洞窟に人影があった。


 僅かに残った災いの魔力が、岩の間をゆらゆらと風に流された。


「、、、どういうことだ、、。」


 その人は驚きの声を上げ、ここにいるべきはずのものを探す。


 調べれば封印は全て解除されており、恐らく何年か前に解き放たれたであろうことが分かる。


 だが、それができる存在など、この世にいるわけがない。


「どこへ行ったんだ、、、。」


 静かな声は洞窟に響き渡った。


 手がかりはないかと、岩の隙間までくまなく見て回るが何もない。


 だが、災いの魔力を身に宿したあれが地上に出てなにもしないわけがない。


 災いの魔力が溢れて千年。


 防がなくてはと、人々が動き、悪戦苦闘し、あれが封じられたのがおよそ八百年前。間の二百年はまさに地獄絵図であった。


 皆の幸福と引き換えに八百年もの長きに渡って封じられ、苦しみを与え続けられたものが憎しみを抱かないはずがない。


 ここから災いの魔力が消えたということは、あれがその身に災いの魔力を宿し、そして復讐の為に動き出したのだろう。


 このままでは世界が危うい。


 その人は地面に魔法陣を描いた。


「古の災よ、光を持って闇を払わん。」


 次の瞬間、岩穴を恐ろしいまでの光が埋め尽くす。


 残っていた災いの魔力は消え去り、空気が揺れる。


「対策を考えなければ。とにかく、一度戻るか。」


 空中に手をかざすと魔法陣が浮かび上がる。そして次の瞬間、大きな龍の扉が現れた。


「どこへ消えたのか。」


 小さなつぶやきは、扉の向こう側へと消えた。





 いつも読んで下さりありがとうございます。

 また楽しんで読んでもらえたら嬉しいなと思います。


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