秋の季節 41
楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!
やってまいりました!
秋の一大イベント。紅葉狩りです。
このイベントは、ロイと一緒に委員になる→準備をする→紅葉狩りにいく→山でロイと共に遭難→ミニゲーム落石よけ→ロイに救出される。という物である。
ロイはあれから何か心境の変化があったのか、マリアに対して真剣に向き合っているように感じられる。
委員としてもかなり協力的で、マリアと共に運営側として張り切っていた。
「ここまでは順調ね!」
木の影に隠れながら、ロイとマリアが仕事に勤しむ姿を見つめる。
グリードは頷いた。
「ああ。だが、どうやって遭難するんだ?」
「紅葉狩りの途中の看板が、通行人のかばんに引っかかって違う方向を向いていてそれで迷うのよ。」
「なるほどな。」
「私は念の為にロイ様とマリア様の前方を歩くから、グリードは二股道に私達が入ったら看板を戻して。」
「わかった。戻してから合流する。」
「ええ。」
2人はにやりと悪い笑みを浮かべた。
順調に紅葉狩りは始まり、フィリアはロイとマリアの少し前を歩いていた。
ロイとマリアは一番後ろにつく事で、遅れたものが出た時に助ける役割を担っていた。
二股道にさしかかり、フィリアの前にいた子のカバンが引っかかって看板が向きを変えた。
フィリアは近くの木の影に身を潜め、様子を伺うと、違う方向へと歩き始めた2人を追った。
すぐにグリードが看板の向きを戻して追いついてきた。
その時であった。
急にゴンと大きな音がしたかと思うと、山の岩肌から大きな岩が落ちてこようとしているのが見えた。
ゲームの中では小岩で、ミニゲームで岩に当たらないようにとミニキャラを動かしてほのぼの遊んでいたが、そんな雰囲気ではない。
これは当たったら確実に死ぬ!
春のイベントの時の魔物の恐ろしさといい、イベントは命がけなのだろうか。
ロイとマリアの位置からは岩が落ちてきているのが見えていないようであった。
フィリアとグリードは荷物を捨てると地面をけり、岩へと飛んだ。
「グリード!」
「よし!」
呼吸をピタリと合わせ、2人は魔法で粘着質の網を作り上げるとそれを岩に向かって投げつけていく。
岩は網に引っかかると、網の粘着により地面に張り付き転がるのをやめた。
「フィリア危ない!」
背後に岩が転がってきた事に気付かず、フィリアは顔を青ざめさせたが、既の所でグリードがフィリアを抱き、空へと舞い上がった。
岩はロイとマリアの方へ転がったが、編みを投げひっつくと、どうにか止まった。
「はぁ、、、。よかった。うげっ!?」
グリードに内蔵が出てくるのではと思う程強く抱きしめられ、フィリアは潰されたカエルのような声を上げた。
「グリード!苦しい!」
そう言ってもグリードは離そうとはせず、いやいやと首を振った。
フィリアは仕方ないかと背中をポンポンとたたき、安心させるように言った。
「大丈夫。グリードのおかげで、何ともなかったよ。」
グリードは顔を上げ、フィリアをじっと見つめた後にもう一度、今度は優しく抱きしめ直した。
「気を抜くな。あぶなかった。」
「うん。ごめんなさい。」
グリードの胸は暖かく、包み込まれていると幸せな気持ちになる。
だが、ゆっくりこうもしてはいられない。
「さぁグリード!ロイ様とマリア様の所に行きましょう!」
グリードはもう少し抱きしめていたかったのにとぼやいたが、フィリアはそれを無視して尾行へと戻るのであった。
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