春の季節 29
楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!
このゲームでは攻略キャラの季節ごとに細かなイベントの他に好感度が一気に上がる一大イベントがある。
春の一大イベントは、部活動→園芸部選択→花壇の世話係を率先して行う→花壇荒らし事件→解決。という流れで一気にユーリの好感度は上がるのだ。
本来ならヒロインが動くが、ここにエマを当てはめてしまえばいいのだ。
「ふ、ふ、ふ。」
フィリアは笑みを深めると、にやにやと笑いが止まらない。
エマには園芸部に入って花壇の世話を進んで行ってみたらどうかとアドバイスをしてある。
そして、エマは行動的にすぐに入部を果たし、ユーリと共に花壇の世話に勤しんでいる。
今も、二人で花壇の花に水をやりながら、きれいな花が咲くかなぁなんて、笑い合って話をしている。
「はぁ。眼福。」
うっとりとそう言ったフィリアに、グリードは何がそんなにいいのだろうと首を傾げた。
「二人で花の世話をしているだけではないか。」
「何を言っているの。好きな花を好きな人と世話をする。素敵じゃない。」
その言葉にさらに首を傾げる。
「素敵か?」
「素敵よ。」
グリードの眉間にシワがよる。
「フィリアも男と花を世話したいのか?」
「好きな相手っていう言葉が最初に付かないと、危ない印象を受けるわね。」
「好きな、、男。」
「好きな人となら何をしても楽しいでしょうね。エマ様可愛い。」
グリードはうつむいてもう一度「好きな男」とそう呟いたことにフィリアは気付かなかった。
「さぁ、花壇には申し訳ないけれど、花壇が荒らされるのを待ちましょう。グリード?どうかしたの?」
「いや、なんでもない。ちなみにその犯人は誰なんだ?」
フィリアはゲームを思い出した。
このイベントでは、犯人を捕まえる時にミニキャラになって戦うミニゲームがあった。犯人は土の魔物で、、、。
魔物?
ゲームではミニゲーム仕様で可愛らしいキャラが戦っていたが、現実ではどうなるのであろうか。
まさか本当に魔物が、、、。
フィリアは考えるのをやめた。
たぶん、きっと、どうにかなるはずだ。
だってゲームではあんなに可愛い魔物のキャラクターだった。
主人公は聖魔法の片鱗を少しずつイベントごとに見せていくのだ。
その初めの春のイベント。
あまり難しいものはゲーム会社はもってこないとふんでいた。
実際ゲーム内でもさほど難しくなかったと思う。簡単にいうともぐらたたきのようなゲームだった。
だから、余裕だと思っていた。
そう。
余裕だと。
今、過去の自分を殴ってやりたくて仕方がない。
魔物と戦うんですよ。
リアルですよ。
はい。
すんなり行くわけ無いですよね。
読んで下さりありがとうございました!




