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春の季節 28

楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!

 試験結果から言えば、フィリア、グリード共に優秀な成績を収め、特別クラスとなった。


 学問はグリードは1位。フィリアは2位で、礼儀作法ではフィリアは瓶底眼鏡が減点されたたが順位に然程影響はなかった。


 その為、総合でもグリード1位、フィリアが2位となった。


 もちろん、攻略キャラ、悪役令嬢達も優秀な成績を収め共に同じクラスでありフィリアとしては万々歳である。また第二王子も同じクラスになった。


 今日はホームルームだけであり、明日から授業は本格的に開始となる。


「ねぇ、フィリア嬢。」


 座席が前なため、ユーリは振り向くとよくフィリアに話かけてくる。


「なにかしら?」


「ずっと気になってたんだけど、その瓶底眼鏡やめたら?」


 フィリアも、一目見ただけで、攻略キャラが自分に惚れるとは思っていない。だが、フィリアは自画自賛ではないが、4人全ての攻略の為のゲージをクリアしている自信がある。


 これで高感度まで上がったら惚れられてしまう。


 なので、顔は晒さないほうが得策なのだ。


「お気に入りなんです。それよりユーリ様。前からプリントが回ってきています。」


「わぁ、ごめん。」


 ユーリは慌てると直ぐにプリントを渡してきた。それを受け取り、さっと後ろへ回す。


 だが、気になるのはユーリが話かけてくる度にこちらを見るエマの姿をである。


 可愛らしくこちらを伺う姿に微笑ましくなってしまう。


 なので、フィリアはとんとんとユーリの肩を叩き振り向かせると口元に手を当て、ユーリの耳元に囁いた。


「あんまり私に喋りかけると、エマ様が心配されますわ。ほらこちらを見ています。」


 囁かれた耳を手で抑え、真っ赤に頰を染めながらユーリはエマを見た。


 エマは慌てて視線を外すもこちらを見ていたのは明らかだ。


「フィリア嬢、、、。あの、僕も気をつけるけど、多分君も気をつけたほうがいい。」


 言われたことの意味が分からず首をフィリアが小首をかしげると、ユーリはフィリアの後ろを見て顔を青くした。


 訝しげに思い振りかえると、グリードが眉間にシワを寄せていた。


「どうしたの?」


 グリードはため息をついた。


「男に耳元で令嬢は囁かない。」


「あら。ごめんなさい。でもいつもグリードは囁くじゃない。」


 その言葉にグリードはぐっと顔をしかめた。


「俺はいいんだ。」


「私はいけないの?」


「、、、、だめだな。」


「そうなの?なぜ?」


 グリードはちょいちょいとフィリアを手で呼ぶと、近くなった瞬間にフィリアの耳元で囁いた。


「可愛いフィリアの声と息を違う相手に向けるな。」


 最後に息を耳にふっとかけられ、フィリアは赤面した。

 その顔にグリードは満足げに笑った。

 フィリアはなんとも言えない表情を浮かべたのであった。




 プリントの配布が終わり、担任と挨拶を終えると今日は解散となった。


 フィリアとグリードは寮へと帰り、それぞれの部屋へとはいった。


 フィリアは今日配布されたプリントに目を通した。そこには部活動紹介が書かれている。


 部活動をするつもりはないが、部活動はイベントの宝庫である。攻略キャラの部活動イベントを逃さないようにしなければとフィリアが意気込んだ時であった。


 部屋がノックされた。


 フィリアは返事をすると、扉へと向かいあけた。


「こんにちは。」


 そこにいたのは、エマでありフィリアは驚いた。


「どうかなさったの?とにかく、どうぞ。」


 中へと通すと、フィリアはとりあえずお茶の準備をして、それをエマに勧めた。


「自分でお茶を入れられるなんて凄いのね。」


「いいえ。エマ様、どうかされたの?」


「いえ、あの。ね、、、あの。」


 言い淀むエマに、フィリアはどうしたものかと、自分もお茶を一口飲もうとした。


「フィリア様はユーリ様をお慕いしているの?」


 思わずお茶を吹き出しそうになったがぎりぎりこらえ、フィリアはごほごほと咳き込んだ。それをどうにか抑えると慌てていった。


「慕ってなんておりません!」


 その言葉に心底安心したようにエマは微笑んだ。


「よかった。」


「エマ様とユーリ様がご婚約されていることは皆が知っていますわ。まして、今日学園は始まったばかりですのに!」


「だって、今日だけでも何度もユーリ様ったらフィリア様に話しかけるんですもの。」


 頬を膨らませながらそう言うエマに、フィリアは笑みを浮かべた。


「好きなんですね。」


 ついにやにやしそうになるのを堪える。


 エマは小さく頷いた。


「えぇ。とっても。でも、、ユーリ様は違うみたいなの。」


 その言葉に、フィリアは悲しくなる。


 エマの手を取り、フィリアは言った。


「大丈夫。エマ様は素敵ですわ。私、応援しますわ。」


「フィリア様。、、、ありがとう。」


 悪役令嬢自ら声をかけてくれるなんてなんてやりやすいのだろうか。


 うまく応援をして、二人を絶対に相思相愛にしてみせるぞと、意気込むフィリアであった。




読んで下さりありがとうございました!

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