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自己紹介

次の日、僕たちはまた僕の家に集まった。昨日は夜だったためあまり深い話ができなかっえたので改めて今日、話をしようということだ。


「よし!じゃあ、まずは自己紹介からしよう」


座るってすぐに未来がそういうと自己紹介をし始めた。


「私の名前は未来です。好きなものは漫画で好きな食べ物はシュークリームです。嫌いなものも嫌いな食べ物も特にないです。以上!」


そういうと未来は僕のほうを見た。きっとこれは次に自己紹介しろという目線なのだろう。


僕はこの視線に従い自己紹介するほかなかった。


「僕の名前は……って本当に自己紹介しなくちゃダメ?」


「ダメ」


「正直言いたくないんだけど」


「別に変な名前でもないじゃない。何が不満なのかわからないんだけど」


「なんというか普通なのがあんまり好きじゃない」


「わかったよ。わかったから早くして」


そういうと未来は鋭い目線をこちらにぶつけてくる。なので、仕方なく僕は決意を固めた。


「僕の名前は信彦です。好きな食べ物は肉で、好きなものは本です。嫌いな食べ物は野菜全般かな」


「信彦さんですか。いい名前ですね」


「あんまりその名前で呼ばないでくれない?あんまり好きじゃないからさ」


「そうですか……。いい名前だと思うんですけど」


「そうだよ。そんなに恥ずかしがる必要ないよ」


「そこはまあ、いいんだよ。とりあえず別の呼び方してほしい。未来みたいに名前を呼ばなくてもいいから」


「わかりましたじゃあ……」


少し考えた後天使は


「あなたって呼びますね?」


「えっ?」


僕は驚愕した。予想のできない答えだった。とっさに助けを未来に求めようとしたところどうやら未来も驚いているらしく天使のほうを見て固まっていた。


「えっと、それは少しおかしくないかな?もう少しいいのがあるはずだよ。うん」


「そうですね。あなたって呼び方は少し慣れ慣れすぎましたかね。じゃあ、ご主人様って呼びますね」


「うん、わかった……もうそれでいいよ」


この子は少しおかしいのかもしれない。たぶん未来も同じことを思っているだろう。


「じゃあ次は私ですね」


そういうと困惑している僕たちに向かって自己紹介をし始めた。


「私に名前はありません。好きな食べ物は特にないです。嫌いな食べ物はトマトです」


「えっ?名前がないってどういうこと?」


「私は名前を付けられませんでした。ただ、天使の中では珍しいことではないので気にしなくても大丈夫ですよ」


「じゃあ私たちで名前を付けようよ」


正直反対する理由もなかった。僕はその提案に乗ることにした


「わかった。君がそれでいいならそれでいこう」


「私はそれで構いませんが」


「よし!じゃあ決まりだね」


そういうと未来は一人でぶつぶつとつぶやきながら考え始めたようだ。


「僕は名前とか気にしたことなかったからわからないんだけど、ちなみにどんな名前がいいとかある?」


「うーん……思い浮かびませんね」


難しそうな顔をして天使はそう言った。正直、自分でも思い浮かばない。


こういう時はモノからとるのが無難なのかもしれない。


そう思ったため僕は周りを見渡した。しかし、あまりものを置かないため参考になるものもない。


ソファーからとってソフィーとか天使に合うかな?カーペットからとってカーペとか?でもカーペは名前として違和感があるし。うーん難しいな。とりあえずソフィーって名前が合いそうだから提案してみるか。


「ソフィーとかどうかな?雰囲気に合うと思うんだけど」


「いいねその名前!ソフィーちゃんもそう思うよね」


「はい……そうですね、ソフィーですか……うん、いいと思います。ありがとうございます!」


ソフィーは満足したように何回かうなずいた。


「気に入ってくれたならよかった」


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