プロローグ
初投稿です。
子供のころなりたいと願っていた夢が現実的な夢ではなかったと悟る年齢になるとどうも現実がつまらないものだと思えてしまう。
なんでもできると思っていたのは本心で嘘偽りのないものだったが、それと同時に現実を知っていなかったという事実があったのだ。
そんな中二病真っ盛りの人間が言いそうなことを頭の中で考えながらいつも通りの通学路をゆっくり歩いていた。
現実は非常であり、アニメのような正義の味方になることも魔法少女のように変身することもできなかった。
もしかしたら世界のどこかしこに、存在するのかもしれないし、可能性としてはゼロではないのかもしれない。でも、僕の元にそのようなことが起きるものとは思えなかった。
そんなことを考えているうちに学校についた。まだ時刻は7時で学校には朝練をやっている人たちくらいしかいない。
僕は自販機でコーヒーを買い、図書館に向かう。
コーヒーはもちろんブラックである。理由は特にないが黒ってかっこいい気がする。あと苦いものを飲めるほうが少しかっこいいような気もする。
そのコーヒーを飲みながら新聞を読むのが平日の日課である。
僕の中で新聞は自分を成長させてくれるコンテンツのひとつでありネットの情報だけではなく様々な方向から知識を入れることで、より情報を正確に理解することができると考えているからである。
と、いうのは建前で実際は新聞を読むと少し頭がよくなった気がするからである。
もちろん情報うんぬんの話は嘘ではないがメインではない。
ここまででだいたい八時である。このサイクルは崩さないようにしている。何かのためにしているわけではない。あくまでもこれは自分のためにしていることである。
このサイクルを生きることでいつか子供の頃に思い描いていたことが現実になるのではないかと期待するための行動である。
自分でよく思うのだが僕は中二病であると思う。
ただ、中二病だとしても現実を知ってしまっている。
火をつけるために呪文を必死に唱えるのは子供だけで、大人はライターとかマッチを使い簡単に火をつける。
大人になったら後者になるべきで、前者のままの大人は周りから浮いてしまう。
そんなことがわかっているから中二病だと周りに思われないように僕は朝のこの時間に期待して行動しているのだと思う。
窓から外を見ると朝練終わりの人たちが教室に向かい始めている。
その様子を見て毎日僕は教室に向かうのだ。
授業は普通である。壇上で先生がたち黒板を使って授業をする。普通科ならこんなものだろう。むしろ他の方法があるのだろうか。
あるなら教えてほしいものだ。
放課後は部活だ。僕は写真部に入っている。
この学校に暗室がある。これが珍しいかどうかはわからないがなにか惹かれるものがあったから写真部を選んだ。
写真部は毎日写真撮っているわけでなく普段はだべっているだけである。それが僕には居心地がよくもあり悪くもあった。
こんなふうに特に何もなくいつものように一日を終えていく。このつまらない日常は退屈ではあったが嫌いではなかった。
意見があったら教えてください。お願いします。