バツミ空爆-2
バツミから南約700km 5月24日 0901時
「敵のレーダーを捕捉・・・・ミュージックスタート!」
EA-6BプラウラーとEF-111レイヴン、Su-24MPがバツミ基地の防空レーダーに対して妨害電波の発信を開始した。これらの飛行機は、武器は対レーダーミサイルのみで自衛することはできない。さらに、レイヴンに関して言えばハードポイントすら無いので、妨害電波を発信する以外の役目を果たすことはできない。妨害電波は強力で、これで敵のレーダースコープは砂嵐状態になっているはずだ。
「こちら"エレキ"。妨害電波発信済み。そろそろ奴らの目を潰す。あと50秒待ってくれ」
バツミ空港 5月24日 0904時
AGM-88EやKh-31がレーダーサイトを破壊した。一部のミサイルはレーダーを途中で切られたために標的を見失ったが、ほとんどが完璧に役目を果たした。レーダーは高性能爆薬でズタズタになり、へし折れた一部の鉄骨が兵士を押し潰した。次にやってきたのはコガワのF/A-18Cだ。GBU-39SDBで格納庫や建物を破壊する。敵のMiG-29やミラージュ2000が離陸滑走を開始した。しかし、トーネードIDSの編隊がデュランタール滑走路破壊爆弾を投下して、迎撃機の離陸を阻止した。ミラージュは上から爆弾を喰らって破壊され、ファルクラムは滑走路にできた穴に擱座して動けなくなった。
「ようし。滑走路と誘導路は穴だらけだ。敵機の離陸は阻止された」スタンリーが無線に向かって言う。
「こいつはいい。後は絨毯爆撃でも構わなそうだな」ようやく追いついた佐藤が下界を眺めて言った。爆弾や空対地ミサイルが破裂し、様々なものが炎上する。エスコート役の佐藤、カジンスキー、コルチャックの出番は無しだった。敵機の迎撃は無く、殆どが地上で破壊されてしまっているようだ。
「こちら"ウォーバード1"、敵の迎撃は無し。爆撃機は空爆で壊滅したようだ。繰り返す、空爆でバツミは壊滅」
しかし、傭兵部隊は、念には念を入れる作戦を実行した。ヘリから地上部隊を投入し、徹底的に基地の中を調査することとした。うわべだけ空爆して、後で何か大変なものが残っていた場合、問題になるのは確実だ。CH-47、
CV-22、Ka-60等がまだ炎上する基地へと着陸した。
「ようし、徹底的に調べるぞ。ゴーゴーゴー!」ジャック・ロスを先頭に歩兵部隊が突入を開始した。
「飛行機はほとんど破壊されているだろうが、もし残っていたら軽火器で穴だらけにして手榴弾で吹き飛ばせ」ロスが地上部隊員に指示した。これはフォークランド戦争でSASが行った手口で、アルゼンチン空軍はかなりの打撃を受けた。歩兵部隊は格納庫やエプロンへ走り、まだ残っている飛行機が無いかどうか調べに走った。




