第11話 経営難?
「兄ちゃんさ、修行した?」
「は?」
「は?じゃねえよ。ちゃんと修行して来たかって。」
「したに決まってんだろ。じゃないとこれを振れねえよ。」
「うーん、振る練習をしたのか?」
「ああ。当たり前だ。」
「だから弱いんじゃねえか?弱いっていうか、ちゃんとしてない。」
「は?何だと?」
「そうだろ。あのなあ、自在に振るってのは鉞をやるうえで当たり前のことじゃないのか?野球に例えると、バットを振る、ボールを投げる。これができたやつが、投げられたボールを打ったり、変化球を投げたりするんだろ?兄ちゃんはやっとスタートにたったとこなんだよ。人を相手にして勝つ練習をしないと。」
「うるさい。対人戦の修行もした。」
「その対人ってのは相手も鉞か?仲間と練習したのか?」
「そうだ。」
「おいおい、それはないぜ。よく考えてみろよ。相手が鉞を持ってるなんて状況、現代には起こり得ないぜ。何をイメージした修行だよ。」
「……。」
「黙っちまったな。すまん。喋りすぎた。男なら拳で語るべきだな。」
ジャリッ
ボッ
「ハァッ!!!」
久遠の顎に上段蹴りを入れた。
「ハァッ!!!ヤァッッ!!!」
続けて上段突き、そして下段蹴り。
ドン。
久遠の体が地面に叩きつけられる。
「反応もできなくなったな。」
「くそ。」
「審判さん、俺の価値でいいんじゃねえか?」
「え?」
「実力差は圧倒的だ。このままじゃ兄ちゃんが怪我しちまう。」
「……そう、ですね。久遠選手、どうですか?」
「俺は降参……し、す、……する。」
「了解しました。」
「勝者、空手道大江ぇぇぇ!!!」
「あー、疲れたな。」
「大江さん、お疲れ様でした。」
「おおー!日本刀の兄ちゃん!」
「武器を持たない空手道って、あんなに強かったんですね。勉強になりました!」
「そうか。まあ、色々と喋りすぎたな。あんなに言うこたあなかったかもな。」
「そうですかね。」
「兄ちゃんとは決勝だろ?待っとけよ、楽しみだなー!!!」
「はい。その時はよろしくお願いします。」
「おう!」
「おい浜田。」
「なんや?」
「おもんないわ。」
「は?」
「だって今までどっちかが圧勝してるやん。ドキドキハラハラがないわあ。」
「そんなん今言ったってしゃーないやろ。」
「いやーおもんないで。同接減ってるわ。」
「まあ、今回は規模が小さいからな。」
「そうか?今回て、シリーズにするんか?」
「当たり前やろ。これを気に海外の奴らも集めてデカくするんや。」
「へー。」
「もうちょい興味を示さんかい。」
「すまんすまん。」
「まあこっから勝った同士やからおもろなるんちゃう?」
「それはそうやわ。」
「須佐野、次は短槍の柊さんだけど、どうする?」
「特に考えてはないよ。ただ、さっきの試合で見せてない技があるだろうから、楽しみだね。」
「おお。いいね。楽しんで行ってらっしゃい。」
「うん。」
「あー、皆さんこんにちは松本です。えー、なんかあ!同接がぁ!減ってるとかぁ!聞いたんで!来ました!えーっと、まあこれ見てる人に言っても仕方ないんですけどね。でも言わせて!これからものすご面白くなります。だって、これ見ないで何するのみんな。どうせおもんないことするんでしょ?いやいや、バカにしてるわけじゃないんですけど、でもそうそうこれを上回る面白いこととか、僕はないと思うんですけどねー。どう?ある?ないよね。……。ないよねって!っっハハハ。えーすみません。まあいいたいことはそれだけです。見といて!以上です。」
「こんにちはー!浜田ですー。皆さんわかってると思うんですけど、これ、やって終わりやないで。第2回第3回やりたいから、でも、そのためには稼がなあかんねん。やから、お前らもっとさ、こう、スマホ2個でみるとかしてや。我々商売人ですから、がめつく行くけど、みなさんもみたいでしょ、協力して。」
「これ、赤字なのかな?」
「うーん。そうだろうね。」
「楽しいのに、次が来てほしいな。」
「俺も須佐野ともう一回勝負したいよ。」
「それは普通にやろうよ。」
「ハハハ。それはそうかもな。」




