第1話 暇つぶし
A.D.2500。人類は暇を持て余していた。
衣。ポリエステルなど石油製品を機械が全自動で製造。
食。AIが自動で判断し生産から世界中へ輸送まで完了。
住。3Dプリンターでいくらでも建設可能。
エネルギーは全て原子力発電。その他もろもろサステナブル。
あまりにも完璧である。ほとんどの人間が働く理由を失った。
school の語源でもあるように暇を持て余すと人は娯楽を生み出す。勉強は暇を潰すための語源だったのだ。2100年あたりにはもう、人類は娯楽を消費しきってしまったのだ。さあ、人類。一体何を生み出す?
「我々には革新が必要である。」
「浜田さんよ、そりゃどういうことだ?」
「松本、思わんか?あまりにやることがない。と」
「そりゃあ思うが。」
「もっと人類は熱狂すべきだと思う。娯楽が必要だ。」
「じゃあどうすんだよ。」
「人類は常に歴史から学んできた。アイザックニュートンだって巨人の肩に乗ったらしいじゃないか。まっつん、人類が一番熱狂したのはいつだと思う?」
「ワールドカップか?」
「違うな。」
「オリンピックか?」
「違うな。真逆だ。」
「真逆とはどういうことだ?」
「平和の祭典の真逆、死の祭典よ。」
「その心は?」
「コロッセオ。闘技場だ。」ここに、人類最初期の娯楽が蘇った。
配信業界の大御所浜田の鶴の一声で東京にコロッセオを設け、そこで格闘する「暇つぶし」が始まった。
闘技場を運営するにあたって戦士が必要である。浜田と松本はそれから始めた。
ルール
一、一対一で戦闘を行う。
一、ユニホームは自由。
一、用いて良い武器は一つのみ。
一、身体の自由を奪ったほうが勝ち。
大会構造
一、同武器の使用者によるトーナメントを行う。
一、その優勝者同士でトーナメントを行う。
この条件で日本各地に戦士を募った。どんな時代でも、というかこんな時代だからこそが、我こそはという武を極めた者がぞくぞく集まってきた。




