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異界と現実の狭間(end)

▽3を選びました






「どうすっかなー……」


うーん、あの狼との戦闘怖いし。

限定レア職もそこまで魅力的には感じなかったから、他のレア職になろうかな?

もし転職する時に悩んだら引き返せばいいだけだし。まず神殿まで行っちまおう。


「うん、そうしよう」


声に出してみると、心は決まった。

そうと決まればJOBレベルを9にあげて、門をくぐり抜けなきゃならない。

門の向こうに敵がいるとは限らないしな。

むしろいない可能性が高い。


すぐさま引き返し一度勝手口から出て、近くの数体を攻撃したらすぐ9になった。

おそらく狼を倒すだけでも9にはなったんだろうが、倒さないんだから仕方ない。

戦闘が長引かなかった事にほっとしつつ、俺は扉の前に舞い戻り、ゆっくりと扉を開けた。


「さて……問題は、あれが飛びかかってきたら怖いって事だが……」


門番は、のっそりと門の横に寝そべっている。

どうやらさっきと違い、昼寝モードに入ったようだ。さっき一度開けた時に反応したようにも見えたけど、入って来なかったから気を抜いたって感じ?

割と一度戻ったのがいい方向に動いたみたいだな。うん。


本来ならクリックして起こして戦闘を挑む、となる筈だから近寄らなければ起きない、筈。

しかし予想通りになるとは限らない。

狼が起きたらすぐさま走り抜けられるように、そろりそろりと端の方を移動する。


「ぐるる……」

「!」


唸り声。

一瞬躊躇したが、俺はそのまま狼を見つめつつ、こそこそと通りぬけた。

狼ってほら、逃げたら追いかけてきそうじゃない!

じりじりと動いたのが良かったのか、精神は疲れたものの起きてくる事はなく、俺は無事神殿らしき建物にたどり着く事が出来た。







「さて、ここまで来たけど何になろうかな……」


とりあえずベースのステータスは、転職してからでもふれる筈なので保留。

というか転職してみないと必要なステわからんしな。

スキルを見て、必要ステを見てあげてスキル使えるようにする、って言うのが基本なのでそこは触れない。

転職可能になる一般市民レベルがマックスである事を確認してから、俺は建物へ足を踏み入れた。


神殿の奥に入っていくと、そこには転職アイテムを入れる箱のようなモノと、水晶玉が転がっていた。

そういえば、ゲームでは更生システムを起動させた時と同じように黒画面白抜き文字で転職は進むんだっけかな?

アイテムを投入して、選べる職業を選ぶ、と言う感じになる筈なのでとりあえず手持ちの転職アイテムを全部ぶちこんで見る。


「お、水晶玉が光り始めた」


恐らくこれがシステムの鍵、なんだろう。

クリックすると転職メニューが出てきて、それを選んで行けば転職は完了になる。

ここまでで特に、ゲームとの差があるようなものはない。


「よし……行くぞ」


気合を入れて俺は、水晶玉へ手を伸ばした。



―――すると。



「!」



ぱぁ、と水晶玉が光り辺り一面が白く染まる。

これは、確か。

最初にパソコンの画面で更生システムを起動させた時と同じ―――――。





そう思った瞬間、俺はパソコンの前に座り込んでいた。




「は? え? 何?」



思わず辺りを見回せば、良く見知った部屋の光景。

開けっぱなしのドアの先にはダイニングとキッチン。

まぎれもなく、ここ数年暮らした俺の、部屋。


「うわ、なんだよ、ええー……」


白昼夢? だったのだろうか。

思わず目を瞬かせ、服装を見ればいつも通りの使い古したシャツとパンツの部屋着。

先ほどまで着ていた筈の、鎧などはどこにもない。


「まさかPCやりながら寝てた、とか。うわ、笑えねえぇ」


PC画面にあるのは、黒い画面に白抜き文字。

当然PCの前で記憶があるのは更生システム起動前の筈だから、その選択肢があると思いきや―――。


「は?」


並ぶのは、職業転職の文字。

画面の端にあるステータスは、一般市民レベル9.

目の前にいる自分の分身アバターは、ちゃんと初級の装備を見につけている。


「ええ、ええ……おい、どこまでが夢で、どこまでが現実、だよ……」


思わずなれる職業をスクロールして行く。

夢の中の本で・・・・・・見た、職業が文字として並んで行く。

そして最後は。


「『異界旅行士』…………」


ありえない、選択肢が。

そこにはあった。


「異界と現実を行き来する、者……? なんだよ、それ、どんな職業だよ……」


まだ俺は夢を見てるんだ。

そう思うのに、説明を見るためにクリックしてしまう。

それがどんな結果をもたらすか、頭では分かっている筈なのに勝手に動いてしまう。


ゲームなのに。

ゲームの筈なのに、どうして、こんな。


「"行き来"出来るんだ、よな?」


熱に浮かされたように呟いた声が、答えだった。





『――――転職しますか?』




『――――Yes/No』





ぴっ。








―――――――――――――『異界と現実の狭間』End。


――To Be Continued?


と言う事でGoodなの? 曖昧なの? というノーマルエンドでした!

お疲れさまでした!


他の選択肢がみたいぞーと言う方はいらっしゃいますでしょうか。

その場合は9まで戻って選択肢を選び直しますので、お気軽にどうぞ。

活動報告にざっと9話までの動きを乗せる予定です。


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