第九話 裏切り
俺とお嬢様は銃を取り出し、五弾ずつ分け合う。
「それじゃ、女の子の部屋から入るぞ?」
「わかりましたわ」
二人が女の子の部屋の近くに行く。怪しい動きをしているようなやつがいないことを確認し、二人の後をついていく。そして、みんなと二人の距離がある程度出来た時、俺はお嬢様を撃った。
「えっ、なん、で」
お嬢様はばたりとその場に崩れ落ちる。ここからはスピード勝負だ、お嬢様が落とした銃をすぐに拾い、ジジイを撃つ。
ジジイは悲鳴をあげることもなく、息を引き取った。
「キャァァァァァァ」
他のみんなが散り散りになって逃げ惑う。その中で、部屋に向かって走り出しているやつから撃っていく。
バタバタと人が倒れていく。
だが、人が多すぎて、一人に銃を持たすのを許してしまった。
「あなたは配下ではないッス、なのになぜ全員殺したッスか?」
銃を持ったJKが問いかけてくる。他の奴らは全員殺したから、そいつだけをしっかりと見つめる。JKは壁の向こうに隠れている。俺もタンスの横側に身を隠し、返答する。
「俺には誰が配下かわからねぇし、いつ隙をついて殺してくるかもわからなかった。そして、俺は人を信じることは出来んからな。俺一人だったら絶対にサイコパス野郎と戦うまでには持っていけると思ったのさ」
「うちのマスターがもし仲間が必要なゲームをしたらどうするつもりッスか?」
「そんなことは有り得ねぇだろ。あいつはゲームを楽しみたいんだろ?なら俺が勝てる可能性はあるはずだ」
「ゲームを楽しむのは他の相手とでも出来るッスよ?」
「だったとしたら元々俺に勝ち目ねぇだろ、俺は負ける時は負けると割り切っているからな。そもそも拉致られてしまった時点で俺は負けてるも同然だったからな」
「そうッスか」
沈黙、そして静寂。その静寂を破ったのはJKの笑い声だった。
「あははははははははははははははははははは」
「どうした?とち狂ったのか?」
「いや、あなたの考え方が面白すぎてついッス、あなたには生きていてほしいッス。ですが私が死ぬのも嫌なのであなたを殺すッス」
JKは壁の向こうから出てきて、タンスの横側に隠れていた俺を見つける。こちらには弾が3発残っているので、牽制で撃つ。
「あはははははははははは、当たらないッスよ?」
狂気に満ちてやがる。なんでこの状況でそんなに楽しい顔できるかねぇ?
「最初で最後の攻撃、こっちからもいくッスよ?」
まずい!そう思った時には弾は発砲されていた。顔面を狙った当たれば即死の攻撃。だが、その弾は俺の顔面の横スレスレを通過していった。
「私の負けッスね。殺してくださいッス」
「ああ、お前が銃の扱いに長けてたら死んでいたのは俺だったかもしれんな。すまない」
パンッ
「サイコパス野郎、宣言だ、プレイヤーは俺しかいない」
「素晴らしいですねぇ、まさか全員殺すとは思いもしませんでしたよ」
評価ブクマレビュー感想、それから俺の他の小説もよろしくお願いします!(九回目ともなるとネタ思いつきません)