6話 入学式とルミナスの謎
遅れてすみません。
あと新キャラたちのご紹介
レオ・ヴァレンティア
男子、15歳
火系魔法の使い手陽気でお調子者
エリナ・セリス
女子、15歳
水・氷系魔法の使い手
クール、言葉遣いが荒い
カイ・オルフェウス
男子、16歳
風系魔法の使い手
良いとこの貴族で真面目な性格をしている
朝の光が学園の大理石の柱に反射し、壮麗な校舎を静かに照らしていた。
新入生たちは緊張した表情で講堂へ向かう。アーサーも、ネクタイを直しながら歩いていた。
「……くそ、何回やっても左右逆に見える……」
鏡の前で唸るアーサーに、同室のレオが肩を揺らして笑う。
「才能あるよ、そういうとこ」
「いらねぇ才能だよ……」
廊下を歩くと、すでに学園は活気に満ちていた。新入生同士で声をかけ合う者、上級生に礼をする者、魔法の小さな演習をする者。
そこに、エリナが静かに歩いてくる。
「アーサー、こっちよ」
小柄だが、視線には鋭さがある。
「昨日、結界に不具合があったらしいわ。大事にはなってないけど、今日も警備が多いみたい」
アーサーは頷きながら講堂に入った。
天井には神話のフレスコ画が描かれ、月光ならぬ朝光が魔力を淡く反射して幻想的に輝く。
式が始まる。
校長の長い挨拶、教師陣の紹介――そして、空気がざわついた。
「次に、生徒会より一言」
講堂の中央に姿を現したのは、金髪の少女。
アーサーは一瞬息を飲む。
(……ルミナス先輩?)
だが、いつも見ていた上級生のルミナスとは少し違う。
姿勢、視線、そして周囲の静まり方。
皆が彼女を「剣姫」と呼んでいるらしい。
「新入生の皆さん、入学おめでとうございます」
声は冷静で落ち着いているのに、誰も私語をしない。
その途中、講堂の外で鈍い衝撃音が響く。
一瞬ざわめくも、生徒会メンバーがすぐに動き、収める。
詳細は語られず、ただ「何か起きた」とだけ空気で伝わる。
式が終わり、退場の流れでアーサーは寮へ向かう。
同じ新入生のレオとエリナも一緒だ。
「……同室、よろしくな」
「無事に過ごせればいいけど」
エリナは小さく笑った。
部屋に入ると、各自荷物を整理しながら雑談になる。
アーサーは小さな炎を手のひらに浮かべ、感覚を確かめる。
「……こっちの生活、どうなるんだ?」
「まぁ、最初は右も左も分からんよ。私も最初は迷子になった」
レオがにやにや笑う。
廊下の向こうでルミナスが通りかかる。
生徒会のメンバーに何か言われ、少し困った顔をしている。
「……先輩」
アーサーが呼びかける。
ルミナスが振り返る。
「あ、アーサーくん」
「なんで……剣姫って呼ばれてるんですか?」
アーサーは正直、理由が知りたくて仕方がなかった。
ルミナスは視線を少し逸らし、微笑む。
「秘密」
「……金髪なのも?」
「それも秘密」
あっさり言われ、アーサーは言葉に詰まる。
「そのうちね」
そう言うと、ルミナスは去っていった。
アーサーは残された寮の部屋で、胸の奥に小さな違和感を感じていた。
——この学園で、ルミナス・エテルネルはただの上級生ではない。
その特別な存在感は、誰も簡単には教えてくれない。




