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異世界人育成ゲーム ~生贄の少女たち~  作者: 鬼影スパナ


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第80話



 スリアドの町を散策したり、ホーム経由でツードンに戻って依頼を受けたりした。

 流石にそろそろ仕事あるしリアルで休まないとマズいな、と俺達はゲームからログアウト。時刻はちゃんと狙った通り深夜で、それでいて十分休める時間だった。

 ついでにいえば精神的な疲労はなく、むしろ解消されていて。これもう1日分くらい行けるんじゃないか? と思わざるを得なかった。


 ちなみにマハリクさんと別れて後、一切マハリクさんには会わなかった。

 スリアドの町中で部下の子(多分サンちゃん)に会ったので確認したところ、マハリクさんは元々数日に一度しか現れないらしい。


 ……アレだな。一週間分とかまとめて指示を出すタイプのシステム。

 選択肢を選ぶADV(アドベンチャー)系の経営ゲームではよくあるヤツだ。


 なんというか、時間の流れについての考察はやめとけという運営の意志を感じる気がしないでもないぞ?

 多分気のせいだろうとは思うけど。多分。きっと。うん。



「……うーん」

『ぉー? どうしたぉ同僚?』

「いや、なんかやっぱりマハリクさんの正体が気になってきた」

『そうかぉ。ボクはおススメしねぇけど、チャット繋げてやろうかぉ?』


 そうか。少なくとも同僚はチャット繋げられるくらいに近い関係なわけだ。

 ホント直属の上司とかそんな感じなんだろうなぁ……


「いや、遠慮しておくよ。お前の上司なら役職持ちだろ? 仕事中に邪魔するのは悪いよ」

『さっきからゲームの話でうるせぇから引き取ってくれてもいいんだぉ』

「え、マジか。……いや、やっぱりやめとくわ。こっちも仕事あるしな」


 これでも、チャットしながら別窓の方でちゃんと仕事しているのである。


『まぁそれがいいぉ。上司押し付けて同僚の仕事を邪魔するのは悪いぉ』


 なんでもマハリクさんの中の人、ゲーマーバレしたのでここぞとばかりに同僚と語り合いたいらしいようで。嬉々として大洪水の雑談ラッシュを繰り広げているらしい。

 そして『カイト・ア・ルイセ』以外のゲームの話も大量で、今度ネット対戦しようと誘われていたり色々……


「平和に雑談できるなら、それに越した事はないけどね」

『クレーマーが出たら即応だからぉー。はぁー』

「営業のお陰でこちらはのんびり仕事ができるよ。ありがとなー」

『どういたしましてだぉー』


 それにしても、だ。

 なぜ俺がマハリクさんの正体がやっぱり気になる、ということになったかというと……

 ……そう。あの口調だ。


 マハリクさんは間違いなく女性口調で話していた。

 だから、女性の可能性が高いのではないか、と、そう思ってしまったのだ。

 あるいはそういう気合の入ったロールプレイだったのかもしれないけど。

 なんせもしマハリクさんみたいな美女がオッサン口調だったらガッカリ……いや、それはそれでアリだな? 美女や美少女なら。


 現実を知ってしまったら現実が頭をよぎってしまうので、やっぱり正体は知らない方が良いな。

 とりあえず8割くらいの確率で女性。できれば美女上司。そう思っておいた方が心身健康でいられるだろう。


 まぁ、今夜にでもゲーム内で再会するだろう。

 あの様子なら制限解除コードも即座に適用しそうだし、また長話する余裕もあると思われる。

 もし正体を聞きたいならその時に改めて聞けばいいか。


「ちなみに同僚。お前から見てリアルのマハリクさんってどんな人かだけ教えてくれ。でも性別は言わないでくれると助かる」

『ぉっぉ、良い趣味してるぉ同僚。そうだぉねー、見た目詐欺の鬼軍曹だぉ。あ、鬼に失礼だったぉ!』


 あ、じゃあ見た目はいいんだ? へー。捗るぅー。



 * * *


 ちなみに、夜。無事ゲーム内スリアドの町でマハリクさんとは無事再会した。


「ねぇ、制限解除云々ってメールとかは特になかったわよ?」

「あれ? そうなの?」

「ええ。『2人目』開放済みなのがキーなのかしらね? Wikiを見るにそんな感じだったわ」


 なるほど、そうなると未だ『1人目』のマハリクさんは制限解除コードを手に入れられないってわけか。


「ちなみにその制限解除コードってのは、使うと何が解除されるの?」

「ああ、■■■■■が解除され……ん?」

「え、なんて?」

「■■■■……■■■■■。ノイズになってる? これ」

「そうね、よく聞こえなかったわね」

「あー、横から失礼しますぉ。■■が解放……■■■……うん、フィルターかかってるぉ。多分マハリク氏が解除されてないからだぉね」


 なんというフィルターか。そういやあったわ謎フィルター。


「アルト。明日リアルで教えて頂戴」

「……ぁー、ちょっと話せないのでご勘弁ですぉ」

「ネタバレに配慮ってこと? 気にしなくて良いわよ」

「■■■に■■……ぉっふ。理由も言えねぇぉ……!」


 多分法に触れるからね。仕方ないね。

 とりあえずマハリクさんも『2人目』開放するといいよ。開放条件については謎だけど。

 俺達はなんかエレメンタリオンとかいうボスモンスター倒したら出てきたし、ペンペンは借金返済時点で解放されたとかだし……


「『2人目』開放条件ってなんなのかしらね? 未だに私のUIにはそれらしいものが表示されないんだけど」

「ま、制限解除できたらすっごいビックリするとだけ言っておきますぉ」

「わー楽しみ。……他の人の条件を聞くに、シナリオに寄るっぽいのよねぇ……会社だし、資金が一定額溜まるとかかしら? 社員数の可能性もあるわね。……少しの間荒稼ぎする方針にしてみようかしら」


 少しあくどいこともするようなので、代わりに治安が一部犠牲になるらしい。

 仕方のない犠牲。コラテラルダメージってやつだね。





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