静濱の物語 残響 番外編 潮風の招待状 MC MIX
②保栄茂ビン 東風平こちんだ
は仰せの通り数日前より 柚子屋敷に待機させて有ります ならば 我らもこれからそちらへ向かおう まあやはどうします 捨ておけ 後で何かしら 聞かなければならなくなるかもだが 柚子屋敷に到着すると 東風平こちんだが 玄関前にシャベル等を用意して佇んでいた どうなさいますか 一箇所だけ 毛並みの変わった植え込みがあったろう 玄関手前の右側一角を指差す ビニールハウスがあった 恐らくあそこだ ビニールハウスの中は いちご畑だった この中だとして どこになりましょうか 玄関入って右側が 確か リビングだったはず そこからビニールハウスを眺めやると 一箇所だけ透明になっているところがあった リビングから透明のビニールを見渡すとその延長上は ビニールハウスに入って右側の奥の四隅になるはずだ なるほど 東風平こちんだ コッチだ 保栄茂ビンが呼び入れる あそこだ 右側の奥の隅っこ あそこを掘れ 二の腕が太い 間もなく ツボを掘り出した 中には 赤ん坊のものと思しき骨が納められていた つまり この子がもう一人の苺花だ 先代と娘 とは言っても 実の娘ではないだろうが 二人の間の子だろう 苺花の両親の墓は両親ではなく別人の骨が納められてあった DNA等で確認済みだ その近辺には他に墓らしきものはなかった としたら何処か 静濱の本田の別邸の事を思い出した 恐らく 元々は苺花の両親の住んでいた家だったはず そう見当がついた では苺花の両親は何処に ソレはわからない 骨が無い と言う事は 何処かで生きているか 何らかの事情で行方不明になっているのか あるいは既に死んでいるのか 何とも言えない この子はどういたしましょう 元通りに埋めてもいいが ソレは少し可哀想だ もう一人の苺花の墓にとりあえず納めるしかあるまい それまでのあいだは 柚子屋敷のリビングに安置しておこう




