第十話 特急ダンジョンと竜人と
翌日、
サクッと起きて身支度をして、
早速ダンジョンへ来た。
にゃん吉「もっと休めば良かろうに」
ソラ「だって、どうせやる事ないしさ、ダンジョン入ってた方が楽しいよ。やっぱり一人で気楽に冒険が良いしさ」
にゃん吉「普通はパーティー組んで助け合うのが楽しいと思うんじゃがな、して?どうするんじゃ?、予約はしてないじゃろ」
ソラ「ふふふ、今日は特級ダンジョンに行きたいんだよねぇ、上級ダンジョンからは予約要らないしさぁ」
にゃん吉「特級じゃと?龍人化して挑むつもりか?」
ソラ「それもあるけど、普通のソラでどこまでやれるのかなぁって。あ、そういえば爺ちゃんてさ」
にゃん吉「なんじゃ?」
ソラ「冒険者ランクって何だったの?」
にゃん吉「Aランクじゃ。当時はAランクから上のランクなど無かったからの。まぁ、今の体制に置き換えるなら、Sランク以上だったじゃろうの」
ソラ「ほんとにぃ??」
にゃん吉「ほんとじゃい!」
ソラ「ふうん、Sランクで3階層までだったって事だよねぇ、私じゃ1階層で終わりかなぁ、あとは龍人化してどこまでやれるか、ちょっと試してみたくない?」
にゃん吉「わしが無理じゃと判断したら戻るのじゃぞ」
ソラ「うん、解ってるよ」
……………………………………
と言う訳で、
ソラとにゃん吉は特級ダンジョンの入り口に来ていた。
受け付けでは職員にくどくど言われた。
何はともあれ命を大事にして、
無理だと思ったら直ぐに逃げるようにと、
何度も何度も。
まぁ仕方ないね。
気を引き締めて、
どこまで行けるかやってみる。
特級ダンジョンの入り口は、
いきなり階段で地下に向かっていた。
そおっと階段を降りる。
刀は既に抜いていた。
にゃん吉「そこまで慎重にならんでも良いぞ」
ソラ「なんか緊張しちゃってさ」
にゃん吉「楽にした方がいざという時には動けるのというもんじゃ」
確かにその通りだ。
ソラは深呼吸して落ち着こうとする。
すーはー
気持ちと呼吸を整えた。
まぁいざとなれば龍人化して逃げれば良い。
リラックスして階段を降りて行き、
やがて下に着くと扉があった。
ソラ「なんだ、ここが入り口かぁ、緊張して損しちゃったよ」
にゃん吉「忘れとったなぁ、まぁここから気を引き締めて行け。修行だと思って、いつでも引き返すつもりなら、緊張もせんじゃろ」
ソラ「うん、そうだね。じゃぁ行くよ」
扉を開け、中に入る。
鼻をつく植物の匂いがした。
ソラ「えっ?!」
目の前には、木、木、木、つまりは森が広がっていた。
ソラ「えぇえ〜〜〜!!!」
にゃん吉「ふぁっふぁっふぁっふぁ、驚いたか!」
ソラ「な、なんで?!ここ地下だよね?!」
にゃん吉「それがダンジョンなのじゃ、世界にはまだまだ不思議なダンジョンがたくさんあるぞ」
凄い!
素直にそう思った。
不思議なんて物じゃない、
異空間そのものだった。
にゃん吉「一説によれば、ダンジョンは生き物とも言われている、異世界に繋がってるとも言われているらしいが、まだまだ謎だらけじゃ」
ソラは上を見上げぐるりと見渡す。
潜ってきた扉は、森の中にポツンと建つ、
まるで塔屋のような佇まいだった。
その塔屋の後ろにも森が広がっている。
空もあるし明るい。
これ、雨とか降るのだろうか?
10メートルも進めば森の中だけれど、
圧倒されてどうしたら良いのかわからない。
にゃん吉「どちらが北か分からんが、便宜上扉の正面を北として、東へ向かえ」
ソラ「東?」
つまりは扉を出て右の方角。
にゃん吉「そうじゃ、少し行くとスポットがあるのじゃ、普通は扉を出たら正面の方に進むのが人間の心理じゃからの、そのスポットはある意味穴場じゃ」
ソラ「解った」
ソラはにゃん吉爺ちゃんの指示に従って、
便宜上決めた『東』へと進んだ。
「ふしゅるるるるぅぅ」
ソラ「え?!もお?!」
にゃん吉「ふむ、出おったか」
ソラ「えっ?!ミノタウロス?!」
中級ダンジョンのボスが最初のモンスターって。
ミノタウロス「ぐもおお!」
ミノタウロスは斧を振りかぶって襲いかかってきた。
にゃん吉「斧と刀では武が悪い、いなせ!」
キーンッ
にゃん吉に言われたように、
まともに受けずに斧の軌道をズラす。
ソラ「くっ」
それにしても重い一撃だった。
こんなのまともに受けたら、
確かに刀がもたないだろう。
一旦距離を取る。
どうしたら良い?
にゃん吉「ソラよ、魔法を併用するのじゃ」
ソラ「魔法?そんなのやった事ないよ」
にゃん吉「良い機会じゃ、魔法を交えた戦い方をやってみろ」
ソラ「うん、じゃ、じゃぁ、氷柱の矢≪アイシクルアロー≫」
田舎村で剣術と一緒に散々爺ちゃんに習った魔法。
ソラは剣の方が得意だから、
戦いでもあまり魔法は使わない。
でも、爺ちゃん曰く、
ソラには飛び抜けた魔力と才能があるらしい。
それでも私は剣技の方が好きなんだよねぇ。
氷柱の矢は真っ直ぐにミノタウロスに飛んで行くが、
簡単に斧で撃ち落とされた。
しかし魔法攻撃されるとは思ってなかったのか、
ミノタウロスは怯んだように見えた。
にゃん吉「今じゃ、行け!」
ソラ「雷光石火、三閃!」
高速の3撃をミノタウロスに当てる、
胴、肩、脚に3撃が決まるが、
決定打にならない。
さすがは中級ダンジョンボス。
でも、なんとなく解ったかも。
ソラ「火柱の矢≪ファイヤーアロー≫!」
今度は間髪入れずに、魔法を撃った直後に突撃した。
ソラ「真剣爆雷!」
炎に目が眩んでいるミノタウロスに、
上段からの一撃を喰らわす。
さすがのミノタウロスもこれには耐えられずに、
一命を落とした。
ソラ「ふぅ」
にゃん吉「ふむ、まずますじゃな。あとは、魔法だけで倒す事も覚えれば上出来なんじゃがな」
ソラ「魔法かぁ」
にゃん吉「魔法の方が楽だと思うがのぉ」
ソラ「そうかなぁ、敵がきたら、刀でスパーってやった方が早くない?強力な魔法だといちいち詠唱とかめんどくさいじゃん」
にゃん吉「遠くにいる魔物ならどうじゃ、魔法の方が手っ取り早いじゃろ」
ソラ「むう、そうか。なら爺ちゃんなら、何の魔法使う?」
にゃん吉「わしは氷の魔法が得意じゃが、ソラには電撃魔法が良いのではないか?相性が良いじゃろうからな」
ソラ「電撃かぁ、なるほどぉ」
……………………………………
スポットに着いた。
にゃん吉「ふむ、やはりな、ここには誰も来た形跡がない」
ソラ「まぁ普通は入り口から直ぐに横には進まないもんね」
にゃん吉「まぁそういう事じゃ。それにここなら人目に付かずいろいろ試せると言うもんじゃ。ちょっとここで魔法を使ってみろ」
ソラ「え?いきなり?うーんと……」
電撃系の強力な魔法かぁ。
うん、アレにしてみよう。
ソラ「メーテオーローローギアー、雷神トニトゥルスよ」
詠唱を唱え出すと、途端に空に暗雲が現れ暗くなってくる。
ソラ「汝の刃を我が元に、その稲妻で敵を滅ぼせ。」
暗雲はどんどん濃くなり、ゴロゴロと音を立てている。
ソラ「稲妻落とし!≪ケラヴノス≫!」
暗雲の中心辺りから、激しい光りを放ち、
雷が地面に突き刺さる。
カカッガラガラドシャーッ
凄まじい衝撃と爆音が起こった。
直後、暗雲はかき消え、
衝撃の余韻を身体に残して、
直ぐに静寂が戻る。
ソラ「ふう」
にゃん吉「ふむ、まずまずじゃな、ではあと数回魔法を撃って、慣れたら森に入るのじゃ」
ソラ「うん」
ソラは言われた通りに、
次の魔法の詠唱に入った。
………………………………
何回か魔法を撃ったら、
なんとなく感覚が掴めたような気がして、
最後の魔法はとてもスムースに撃てた気がした。
考えてみたら、田舎村にいた時も、
思い切り強力な魔法を撃った事など無かった。
基本的には天気の悪い日に魔法の学習と練習をしていたので、
村の人たちに見られるという事は無かったが、
あまり強力な魔法はさすがに思い切りぶちかます事は出来なかった。
そっか、ここなら思い切り撃てるんだ。
ソラ「なんか、ちょっと気持ち良いかも」
にゃん吉「ふふふ、そうじゃろ」
田舎村を出る時の開放感に似ている。
誰に止められる訳でもなく、
何を壊しても咎められる事もない。
ソラはまた詠唱を始め、魔法を放った。
ソラ「≪ケラヴノス≫!」
カラカラキシャッガラガラドシャーッ
これまでにない1番大きな轟音を立て、近過ぎる場所に雷が落ちる。
にゃん吉「いかん!」
ソラ「きゃぁ!」
雷は寸前で枝分かれし、
地面と、魔法を放ったソラ自身に落ちた。
にゃん吉「ソラ!大丈夫か!!な、なんじゃと?!」
ソラは何事も無かったように、
ただ呆然と立っていた。
身体には薄っすらと青白い光りを纏っている。
ソラ「あ、私、どうなったの?」
にゃん吉「な、何ともないのか?」
ソラ「だ、大丈夫みたいだけど、少しくらくらする……」
そこでソラは意識を失くした。
………………………………
ソラ「ん……」
にゃん吉「お、気が付いたか。驚いたわい、雷を喰らって気絶で済んだとはな。」
あ、そうか、私自分の魔法を自分に落としたんだっけ。
ソラは身を起こして手や腕を確認してみた。
ソラ「何ともないみたい」
にゃん吉「まぁまともに喰らった訳ではないが、普通なら大火傷を負ってもおかしくない威力じゃった」
ソラ「運が良かったのかな」
にゃん吉「お主には雷に対する耐性があるのかもしれん……」
どれくらい寝ていたのかはわからないが、
既に辺りは薄暗い。
にゃん吉は焚き火を起こして、
野営の準備も整えていた。
それにしても、ここはダンジョンの中なんだよね。
ちゃんと夜まであるとは、
びっくりだ。
とりあえず今日はこのまま野営して、
明日から森に入る事にした。
……………………………………
にゃん吉「居たぞ。口縄じゃ」
ソラ「うわ、でっかい蛇だ」
夜が明けて、
ソラとにゃん吉は森を北へと進んでいた。
魔物を見つけては魔法を使ってやっつけている。
今回見つけた口縄は、
大木を思わせる太い胴体に、
体長20メートルはあろうかと思われる巨大な蛇だ。
まだこちらには気が付いていない。
ソラ「いくよ」
魔法の詠唱を唱える
ソラ「稲妻落とし≪ケラヴノス≫!!」
30メートル程先にいる巨大な口縄に、
強烈な雷の一撃が炸裂する。
口縄は呆気なくその活動を停止した。
ソラ「なんか凄く簡単じゃない?」
にゃん吉「お主の魔法が普通じゃないんじゃよ。特に雷魔法だけは桁違いじゃ」
そう、ソラは雷魔法以外も撃っていたが、
ここまでの威力は発揮されなかった。
何故か雷魔法だけが、
他の魔法の倍以上の威力を発揮していた。
ソラ「何でだろ、雷に撃たれたからかな?」
にゃん吉「いや、これはおそらく……」
ソラ「おそらく?」
にゃん吉は少し考え込んでから、
ゆっくりと言った。
にゃん吉「龍人の血筋じゃ。今はこれしか言えん、いや、解らん」
ソラ「ふうん、血筋かぁ」
にゃん吉「それよりも、ほれ、スポットじゃ。今日はここで休んで、明日はフロアボスじゃ」
……………………………………
食事も終わり、
お茶を飲んでくつろいでいた。
ダンジョンの中でもくつろいげるという、
このスポットの存在は非常にありがたい。
でもこの特級ダンジョンの中でくつろげる人って、
なかなか居ないらしいけど。
にゃん吉「ところでソラよ」
ソラ「うん?」
にゃん吉「お主、今はいつでも龍人化できるのか?」
盗賊の一件以来、ソラは龍人化をしていない。
そういう局面も無かったし、
特に必要なかったから。
でも、最後に龍人化した時は、
確かに自分の意思で龍人化してたはず。
ソラ「たぶん」
にゃん吉「うぅむ、ソラよ、明日挑むフロアボスは、サイクロプスじゃ。今のお主より格上の相手じゃ。いざという時に龍人化出来なければ、大変な事になる」
ソラ「そっかぁ」
にゃん吉「緊張感の無いヤツじゃな」
ソラはおもむろに立ち上がり、空間から刀を抜いて、そっと呟いた。
ソラ「ソフィア…お願い」
≪ドクン≫
鼓動が鳴る。
辺りに風が吹いた。
風はソラを中心に集まり上に舞っていく。
薄い青色に変化した髪は風にたなびき、
薄暗い闇の中に輝いていた。
確かにソラには緊張感がないようだ。
この特級ダンジョンに入る時だけ、
わくわくして緊張してたけど、
強力なモンスターに出くわしても、
ソラはいつでもソフィアになれると、
多分どこかで思ってる。
にゃん吉「なんと……」
ソラの変化を目の当たりにして、
にゃん吉は言葉を失っていた。
ソラ「どう?」
にゃん吉「うむ、美しいぞソラよ」
ソラ「またまたぁ」
にゃん吉「それにしても、いちいち刀を抜いて龍人化するのか?」
ソラ「うーんと、何となく、心構えみたいなものかなぁ」
『ありがとうソフィア』
そう心の中で呟くと、
ソラの龍人化は解けていった。
……………………………………
翌日、森を抜けると忽然と建物が現れた。
大きな扉が正面にあり、
蔦が絡まり古い佇まいの石造りの建物。
ソラ「うわぁ、いかにもって感じ」
にゃん吉「うむ、では行くのじゃ」
扉を開ける。
妖気ともいえる何とも言えない澱みを感じる。
奥は暗くてよく見えないが、
強力な何者かの気配を確かに感じて、
ソラは刀を抜いて構えた。
『久しぶりの人間だな。小娘と、白虎の子か?また珍しい組み合わせだな』
!?
にゃん吉「なんじゃと?!」
どこんっ
後ろの扉が重厚な音を立てて閉じた。
にゃん吉「しもた」
扉からの光が遮断され、
奥の様子が伺えるようになった。
よく見ると、
一つ目の大きなモンスターが、
大きな椅子に座って話しかけていたのだ。
ソラ「喋るモンスターなんて初めて」
にゃん吉「馬鹿を言うな、サイクロプスが喋るとは聞いた事ないわい」
『左様、俺はサイクロプスではない、キュクロープスである』
にゃん吉「なんと!キュクロープスじゃと?!何故古代の魔物がおるんじゃ!」
『さぁな、俺にも分からん、気がついたらここに居たのだ、さぁ、退屈してたのだ、俺を落胆させないでくれ』
キュクロープスは立ち上がり、
傍に置いてあった剣を手に取った。
立ち上がったキュクロープスは、
身長4メートル近くありそうだ。
ソラ「大きいー」
にゃん吉「いや緊張せんかーい」
『小娘、大した度胸だ。先に撃ってこい、ぐっぐっぐっ』
変な笑い声を上げたキュクロープスは、
小さなソラを前に余裕の表情だった。
ソラ「じゃ遠慮なく、メーテオーローローギアー、雷神トニトゥルスよ、汝の刃を我が元に、
稲妻をもって敵を滅ぼせ…」
『何?貴様剣士ではないのか?魔法とかずるいぞ!おのれぇ』
キュクロープスはそう言って剣を振り上げて向かってくる。
ソラ「もう遅いよ!稲妻落とし!≪ケラヴノス≫!」
カラガラガラドシャーッ
『ぐわー!!』
稲妻を食らったキュクロープスからブスブスと煙が上がる。
一つ目の怪物は白目を剥き、
身動きしなくなった。
にゃん吉「やったのか……?!」
『ぐぐっグアァァあああ!!!!』
キュクロープスは雄叫びを上げた。
物凄い波動を感じる。
ソラ「くっ」
にゃん吉「きいてないのか?!」
『いや、きいたぞ。こんなイカズチは初めて喰らった。人間の娘よ、なかなかやるな。侮って悪かったな。ここから本気の戦いだ』
そう言ったキュクロープスの気配が明らかに変化した。
物凄い威圧感だ。
これはこのままじゃ無理だね。
ソラ「ソフィアお願い」
≪ドクン≫
鼓動の高鳴りと共に、
ソラは龍人化した。
『なに?!人間が変化するのか?!いや待て、その姿は龍人!ぐっばっばばば!これは益々楽しめる!ゆくぞ龍人の子よ!』
キュクロープスの剣はソラの身長より大きく、
刀身も分厚い。
そんな剣に比べたら、刀なんて針金のように見える。
キュクロープスはそんな剣を軽々と振り回し、
横薙ぎにソラをぶった斬ろうとしてくる。
ソラは身を躱すが、
物凄い剣圧だ。
あんなの受ける事もできないし、
いなす事もできない。
にゃん吉「わしも居るんじゃぞ、忘れたか、≪アイシクルアロー≫!」
にゃん吉の氷柱の矢が飛んで行く。
『ふん、小賢しい』
キュクロープスはいとも簡単に魔法を弾く。
その隙にソラはキュクロープスに斬りかかる。
ソラ「えいっ!!」
スパッと脇腹を切った。
でも浅い。
『なかなかやるようだが、まだまだだ』
すると、傷が見るみる塞がってしまった。
ソラ「うそ、ズルい!」
にゃん吉「雷を喰らっておきながら、ダメージが残っておらんのも、それが原因か」
『そうだ、俺の回復力は特別製なんだ』
にゃん吉「ソラ、時間を稼ぐのじゃ!」
ソラ「うん!」
『ぐっぐっぐっ、何をしても無駄よ、行くぞ!』
ソラ「雷光石火、百撃!!」
高速移動の連続技を喰らわす。
キュクロープスはそこそこ速い動きではあったが、
対応できない速さではなかった。
それよりも多分ソラの方が速く動ける。
室内という事もあって、
壁や天井までを足場にして、
連続攻撃をしてみせる。
『ぐっ、小賢しい!』
キュクロープスはソラの動きは見えてるみたいだが、動作が追いつかない。
身体のあちこちに傷を負わす事ができた。
でも全然浅い。
まいったねこりゃぁ。
ソラ「ふぅ」
ソラはなんとかキュクロープスの死角に潜り込む事に成功した。
位置的には真下。
『む、どこだ?!』
ソラ「真剣火山雷!!」
真下から噴き上がる火山のような剣戟を喰らわす。
『ぐわっああ!おのれー!!』
キュクロープスの攻撃が来る前に離脱、
怒りで隙が多くなったね。
ソラ「豪剣稲妻!!」
横一文字に渾身の一撃を入れる。
ガキーーン
寸前で弾かれた。
ソラ「くっ」
にゃん吉「ソラ!」
時間稼ぎが終わったみたいだ。
にゃん吉「地獄の焔≪ケオイーンフェルヌス≫!!」
黒い炎のような物がキュクロープスに襲いかかる。
キュクロープスは剣を盾に防ぐが、
剣が黒い炎で燃え出した。
『なに?!』
炎は大きくなりキュクロープスの右腕も燃えだす。
「ぬっ?!』
燃えている腕は再生していなかった。
にゃん吉「やはり地獄の火には敵わんようじゃな」
『ぬぅ、こんな物!』
ソラ「えっ?!」
『うぐあぁああ!!』
ぶちぶちっ
キュクロープスは驚いた事に自らの右腕をもぎ取ってしまった。
『ふうふうっこれで燃える事はないだろ』
にゃん吉「お主もしぶといのぉ」
そう言ってにゃん吉はキュクロープスの目の前にジャンプしていた。
キュクロープスは驚き、
大きなひとつ目を更に見開いている。
にゃん吉「ふんっ氷柱の棘≪アイシクルソーン≫」
にゃん吉が放った無数の氷柱の棘がキュクロープスの眼球に突き刺さる。
『うがあっ』
たまらず目を瞑るキュクロープス、しかし目を閉じると余計に痛いようだ。
直ぐに目を開き痛みに耐えるキュクロープス。
涙が流れている。
にゃん吉「ソラ!ぼうっとするでない!」
ソラ「あっはい!」
自分で自分の腕を引っこ抜くとか、
目に棘とか、
とっても痛そうでちょっと同情しちゃってた。
でも相手はこちらの命を狙っているモンスター。
やらなければやられる。
ジャンプからの一閃。
『ま、待て!!』
ソラ「豪剣稲妻!!」
思わず左手で剣を受けようとしたキュクロープスだったけど、
左手ごと首を一閃。
ぼとりと首が落ち、
どすんと身体が倒れた。
やがて身体は灰塵となり消えていく。
ってあれ?首が消えないけど。
『見事だ!』
「「いや、気持ちわりぃ!」」
『気持ち悪い言うな。俺は不死身だからな。』
にゃん吉「ならばまた地獄の火で燃やしてやろう」
『いやいやいや待て待て待て待て、もう戦う気はない。流石は龍人だ、敵うまいよ、俺はこのまま見送る。奥の財宝を持って行くが良い。このまま二階層に行くもよし、地上に戻るもよしだ。』
ソラ「フロアボスを倒したって事?」
にゃん吉「なにか釈然とせんが、そういう事なんじゃろ。どうする?ソラ。先に進むか?」
ソラ私は龍人化を解いて答える。
ソラ「何だか疲れちゃったな。今日は帰るよ」
にゃん吉「うむ、それがいいじゃろ。ではキュクロープス、また来る」
ソラ「バイバイ」
『さらばだ』
にゃん吉「おっと、財宝は持って行かないな」
にゃん吉は収納魔法に財宝をいれて、
帰りの転移部屋に入った。
ソラもそれに続く。
魔法陣に乗り、
地上に転移した。
中級ダンジョンを攻略して帰る時も転移して地上に出たけど、
なかなかおもしろいんだよね。
光に包まれ、浮遊感が身体を襲う。
そして唐突に浮遊感がなくなり、
光が収まると、
地上の転移部屋に来ていた。
ソラ「いつも思うけど不思議だなぁ」
にゃん吉「それが魔法じゃからな」
扉を開けて転移部屋から出る。
ん?人が多い。
「隊長!出て来ました!」
ぞろぞろと騎士風の鎧を纏った者達がきて、
ソラ達は囲まれてしまった。
何事?!
「貴様がソラだな!」
女性の声がして振り返る。
あ、騎士団の女隊長さん。
ソラ「えっと、そうです」
マリアーノ「貴様を捕縛する!」
ソラ「えっ?!ええぇぇえーー!!」
【読者の皆さま】
いつも読んでいただきありがとうございます。
小心者の私に、
↓ の★★★★★を押して勇気を下さい。
よろしくお願いします!
白村
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