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梅雨明けの清々しい晴天の下、颯は友人と待ち合わせをしているカフェに向かっていた。
そろそろ夏本番、容赦なく照り付ける日で喉の渇きと少しの疲れを覚えた颯は、吸い込まれるようにカフェに到着した。
アイスミルクティーを頼んでしばらく待っていると、窓の外に見覚えのある姿が見えた。
窓の外に見えた彼は山崎悠葉。
颯と同じクラスで、突然那由多から告白された颯の背中を押した張本人である。
「やっほ!」陽気に入ってきた悠葉は、向かいのソファに勢いよくダイブした。
「やっほ、悠葉」
颯が、周りからの若干の視線を代弁する。「もうちょっと静かにしてくんないかな…」
「あーね、おけ」
「そんでさ、先輩とは最近どうなん?」若干の視線くらい気にしない悠葉はすぐに本題に入った。
「それなんだけど、那由多が最近かまってくれなくてさ…」
「まじか~、冷め期かもな」
自分で聞いておきながら、早くも悠葉は興味がなさそうだ。
メニュー表を眺める悠葉は突然、「キスはしたん?」と突拍子の無いことを聞いた。
颯は飲んでいたミルクティーを噴き出した。「んぶっ!!……ちょっ、いきなりやめてよ!w」
颯のプライベートをほじくるとっかかりを見つけた悠葉は、満足気に続けた。
「ひひ、その反応はもうしてるな?」
「うん…してるけど」
「ベロ入れた?」
「うん…」
「やっばぁぁぁぁ!」
悠葉は本日二度目となる視線を浴びた。
「え?まじ?ベロチュー?したん?へぇっへへぇww」
気持ちの悪い声を出した悠葉は、颯に近づきキスをするふりをした。
「んんんんんん~~♡」
颯は悠葉から視線を逸らし、小声で「きもっ」と呟いた。
「いやいやごめんじゃん?許してや~おごるからさ!」
「まじ?」
「まじ」
「りょ」
ユーゴ―の手紙に次ぐ最短の会話を済ませた颯は、追加でサンドイッチとメロンソーダを注文した。
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五分後、運ばれたサンドイッチを幸せそうに頬張る颯を恨めしそうに見つめる悠葉は、これだけでは圧倒的に損だと思い、続けて質問をしようとしたが、適当な質問が思いつかずにとっさに出てきた質問を投げた。
「それ系はもうしたん?」気づけば、右手がOKのサイン、左手が一のサインになっていた。
メロンソーダで先程の行為を繰り返した。
「やめんかい!してないよ!」
「しー、しー、見られてるよ」
顔を紅潮させた颯は、もう一度サンドイッチを頬張った。
「そっか~、してないんか~、俺はした方がええと思うんやけどねぇ~???」
「やめんしゃい」
謎の方言がうつった颯は、まだパンに埋もれていた。
「っていうかできないよ…だって那由多くんだよ?なんか僕も好きになってきちゃったんだし…」
しまったと言わんばかりにあからさまに口を塞いだ颯。
それを見逃さなかった悠葉は少しニヤリとしてから、「いい?先輩は颯が好きなん。で、その颯からお誘いがあったら先輩はどう思う?」
「どうって、僕に聞かれても…」
「あーもう!『もちろんうれしく頂く』にきまっとるやろ!」謎にキレた悠葉は全部いうまで止まらない。
「ええ?あんたが誘うんよ?直接『なゆたくんだいすき!』って言ったら先輩が飛び上がって喜ぶってことや、絶対ミスんなよ?」
「わかった、わかったから。とりあえず静かにね。」
音量に比例して視線の数が少なくなっていたが、それでもこんな理由で目立ちたくなかったので、三回目の注意をした。
「とにかくいい?颯が誘わな意味ないけんね?」悠葉は念押ししてから、会計へ向かった。
こんにちは、神門です。何気に一週間すっぽかしてました。皆さん、忘れてたらコメ欄で教えて頂けると幸いです。((
そんなわけで今回は颯と悠葉の作戦会議ですね。
ここで初登場、颯サイド「悠葉」の裏設定でも書いていきますね
*颯が告白されたとき、「タイセツナジンセイケイケン」と言って背中を押しました。
*悠葉もちょっとショタです。どちらかと言えば髪ツンツン系少年ですね
*岡名さんに引き続き、悠葉も作者の性癖を颯に吹き込むための私的重要人物となっているので、いろいろうるさいです。悠葉に代わりお詫び申し上げます。
次回、せっかちな作者がとうとう那×颯を書いてしまうのか、乞うご期待です!




