それぞれの戦い(ゴドリック) 9
ここ数日PCがアップデートした後に立ち上がらなくなるという不具合が発生して更新できませんでした。
(やはり、対人戦に長けている連中相手に大振りの攻撃は当たらんか。ならば……)
バッ!
ゴドリックは右側にサイドステップを踏んで向かって来た騎士達の側面へと回って、抱えていた丸太を横向きにした状態でブン投げた。
範囲の差を利用して優位に立ち回るつもりであったが、当たらないのでは意味が無いので即放棄した。
ついでとばかりに、邪魔になった丸太を騎士達へと放り投げて攻撃していた。
回避されても牽制にはなる。
「「「「ッ!!」」」」
ゴドリックの近かった4人の内2人は左右に頭から横っ飛びして、残りの2人は姿勢を低くして丸太の下を掻い潜って回避に成功する。
咄嗟の判断であった。
急場を凌いでホッとする間もなく、『ゴキリ』と何かが砕けるような音が聞こえた。
丸太の下を潜り抜けた2人の内、ゴドリックから見て右側の方に居た騎士……
その顔面にゴドリックの突き出した杖の先端が突き刺さっていた。
額をカチ割るどころか、森に乱立する太い木々ですら容易に砕く威力の突きは、騎士の頭を後方に仰け反らせて首の骨までも圧し折っていた。
ある意味、レベルを上げて体が頑丈になっていたからこそ発生した悲劇と言えた。
弱ければ、痛みを感じる間もなく、一瞬で頭を木っ端微塵にしていただろう。
ゴドリックは投げた丸太で動きを制限させて、行動を誘導して狙い撃ちしていたという訳だ。
更に後ろに居た残りの4人は、丸太が重力に引かれて落ちて来た所を飛び越えて回避していた。
ゴドリックは杖を引き戻す時に杖の先端を物言わぬ死体となった騎士の鎧に引っ掛けて手前に引っ張り、自らの近くに引き寄せて……
ドッ!!
思いっきりその胴を蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた死体はゴドリックから見て左側へと飛び、先程の丸太を横っ飛びで回避して立ち上がろうとしていた騎士にぶつかった。
立ち上がろうとしていたタイミングで死体をぶつけられた騎士は『うわッ……!』と声を漏らす。
「クソ!」
丸太の下を潜り抜けて生きている方の騎士は今、何が起きたのか正確に理解してしまい思わず悪態を吐いた。
ゴドリックが死体を蹴り飛ばさなければ、彼が正面から向かって時間稼ぎをしている間に、左右に飛んだ2人が同時に挟撃を仕掛けられた筈であった。
そして、その間に後ろの4人が更に追撃を仕掛けて手数で圧倒する筈であったのだ。
だが、片方が死体をぶつけられて完全にタイミングを狂わされた形だ。
目の前の黒いオーク個々で向かって行っても勝てる相手では無い。
それは嫌になる程理解しているからこそ……
そして、自らのやる事は変わらないと理解しているの悪態だった。
稼がなければならない時間が伸びてしまったのだ。
悪態の一つも吐きたくなるというものだろう。
ゴドリックの攻撃はとても受けられるような威力ではない。
その猛威を前に1人で時間を稼がねばならないとなると回避一択になる。
現状、距離が近過ぎる為に背を向けた時点で叩き潰される光景しか浮かばないという絶望的状況。
故に立ち向かう以外の選択肢を取れない状況であった。
「うおおおおッッ!!」
圧倒的な脅威を前に恐怖しながらも勇気を振り絞り前に出る。
「フッッ……!!!」
ズンッッ!!!
騎士が姿勢を低くして駆け出した瞬間、ゴドリックはただ踏み込んだ。
それだけで、近くの地面が大きく揺れた。
「なッ……!?」
駆け出して、後ろ足で地面を蹴り出して加速しようとしていた、片足だけが接地していたタイミングで地面を揺らされてその騎士は思いっきりバランスを崩されてしまった。
だが、それでも体制を無理矢理立て直す。
前に出て、剣の切っ先を突き付けてゴドリックに向かう。
踏み込みと同時に突き出された杖を頬の横を通り抜ける形で紙一重の回避に成功する。
杖の間合いの内側に入った騎士はこのチャンスを逃さない為にも必死で突き進む。




