敗北感
「おーい、ヨシヒコ!久しぶりじゃんかよ!」
あれ、片チン!片チンじゃないか、久しぶりだな!
「おー、片チン!久しぶり。お前もあのクソデブの結婚式に呼ばれたのか?」
片チンこと、片岡祥一コイツもポチョムキンと共に一緒に遊んだ仲だ。
しかし、コイツは爽やかイケメンでしかも高1で初体験をしたという超絶リア充なヤツだ。
コイツの周りには常に女が付きまとい、オレやポチョムキンのようなコミュ症は少し距離を置いていた。
卒業後は大学に進学したが、その時に合コンで知り合った女とデキ婚して、今では一男のパパってヤツだ。
「おー、片チン、相変わらず女とヤリまくってるのか?」
「もうそういうのは卒業したよ。何せ来年から子供が小学校に入学だからな。」
「へー、すっかり落ち着いたな、片チンも。」
「ところでヨシヒコ随分変わったな。何か逞しくなったような。」
わかるか?わかるのか、片チン!さすが男は男を知る!
「あったりめーだろ!腹触ってみろよ、バッキバキに割れてるぜ~」
片チンはオレの腹をさすってみた。
「うおっ、スゲーな腹筋割れてるじゃん!」
ウハハハハ!これを待っていたのだオレは!
「お、新婦新婦の入場だ!」
ナニ?どれ、あのクソデブどんな化けもんと結婚するんだ?
そしてクソデブと嫁が登場した。
「スゲー、かわいいじゃねぇか!あんな娘が奥さんかよ!」
ウソだ!何かの間違いだろ?
何故あんなキモデブの嫁があんなにかわいいんだ?
アイツ騙されてるんじゃないのか?
っていうか、あのデブどうやってあんな娘と知り合ったんだよ?
ーーーーーーー
何か色々とショックだった…
式場にいるオレが惨めに思えてきた。
オレも確かに不細工な部類に入るだろう。
しかしあのキモデブよりは断然オレの方がマシだと思っていたからだ。
何だこの敗北感は。
やっぱり帰ろう…
くそっ、ポチョムキンにまで負けるとは。
オレは式場を後にした。
もうこういう学校時代のめでたい出来事に参加するのを止めよう。
オレは帰ってやけ酒を飲んだ。




