き、筋肉痛が…
か、身体中が痛ぇ…
こんなんでやっていけるのか、オレは?
何とか家にたどり着き、飯も食わずに爆睡した。
翌朝、身体が動かない。
動かそうにも身体中が筋肉痛で動けない!
ヤベーぞこりゃw
筋肉痛で会社休むワケにもいかん。
とりあえず何とか起きたが、身体が言うこと聞かない。
会社に行かねば…辛うじて残ってる体力でギリギリ間に合った。
今日仕事出来るかな、オレ…
「おはよう、仲村君。ん、どうしたの?」
「あ、おはようございます…痛っ、いや、何でもないっす」
沙織に出くわした。
「そう、早速だけどこの在庫どのくらい残ってるか確認しておいて」
「はい…痛っ」
「…どっか悪いの?」
沙織が心配そうにオレの顔を覗きこむ。
「あ、大丈夫っす。じゃ倉庫行ってきます」
オレは筋肉痛でゆっくり歩きながら倉庫に行った。
「お、仲村。どうした?ケガしたか?」
声を掛けたのは同期の吉田だ。
「いや、ちょっと。そういや子供は元気か?」
吉田は既に結婚して2才の女の子を持つ父親だ。
オレとタメなのにもう所帯持ちとは。
それに引き換え、オレはいまだに…
あぁ、何て差だ!片や父親で片や童貞!
「あぁ、相変わらず元気だよ。たまには家に遊びに来いよ」
「あぁ、解った。んじゃまた」
吉田はいいよなぁ、幸せな家庭を築き、帰ればお帰りなさい、と言ってくれる家族がいて。
結婚かぁ。ストライカーも結婚したし、オレの周りはこうやって徐々に所帯を持つようになるんだろうな…
あぁ、それにしても痛ぇ!
しばらくは筋肉痛との戦いだな。
「お疲れ、今日はちょっと飲みに行かない?」
帰り際、沙織に誘われた。
どうしようかな。ジムに行こうとしたけど。
こんな筋肉痛じゃとてもトレーニングなんか出来ん!
しかし、今日はストライカーがジムに来てる日だからな…
「すいません、今日ちょっとこれから用事があるもんで…申し訳ないです」
オレはジムに行く事にした。
「そう、残念ね。っていうかさぁ、仲村君最近アタシの事避けてない?何かそう感じるんだけど…」
はぁ?避けてる?
オレはジムに行くんだよ。バッキバキのバディになるためにトレーニングに行くんだ!
「そんな事ないですよ。高橋さんの勘違いですって。じゃ、お疲れ様です」
そう言ってジムに向かった。
ジムでは今日もストライカーの指示の下、基礎体力のトレーニングをした。
「イタタタ、痛っ!イッテ~っ!!」
「仲村さん、ちゃんとストレッチやらないとケガしますよ」
「もうダメ…これ以上曲がらない」
ホントにオレは身体が硬い。
まだ25だというのに、年寄り並の体力なのが悲しい…
「今日はちょっとサンドバッグを叩いてみましょうか?」
おっ、今日はパンチの練習か。
いいねえ、いいねえ。
「じゃ思いきっり打ってみて下さい」
よぅし。オレは全力でサンドバッグをぶっ叩いた。
「ハァハァ、なんだこりゃ。全然サンドバッグが揺れない。パンチ力無いのかオレは…」
一心不乱にサンドバッグを叩いたが、オレのパンチじゃサンドバッグはあまり揺れない。
「もっと全体重をパンチに乗せて。腰の回転で素早く打ったら同時に素早く引く。パンチは腕力じゃなく瞬発力です」
成る程、打ったら素早く引くのか。
よし、これならどうだ!
バフッ!
「もう少し早く!大振りにならないように小さく構えて素早く打つ!」
ストライカーも熱のこもった口調でオレに指示を出す。
うぉぉ~、これならどうだっ!
バスバスバスッ!
「うん、中々良くなってきました。これをひたすら打ち続けて下さい。私は他の選手のミット打ちを見てますから」
そう言ってストライカーはミットをはめ、選手に教えていた。
今日はサンドバッグを打ちまくるだけか。
昨日よりはマシだが、段々と手が痛くなってきた。
「はいっ、そこまで!仲村さん次縄跳びやってみましょう」
おっ、ボクサーがよくやるあの縄跳びだなっ。
どれ、オレは縄跳びを始めた。
あり?何だ、上手く跳べないぞ?
もう一回、ありゃ?すぐに足に引っ掛かるな。
「仲村さん、最初はゆっくり跳んでみてください」
ゆ、ゆっくりか?
そうかゆっくりだな!
うん、何とか跳べた。
「わたしがいいって言うまで続けてください」
「はいっ」
こりゃフットワークを鍛える為の練習か。
しかしこれもかなりキツいな…
もう息が上がってきた。
あ~苦しい!何でこんなことやってんだ、オレは?
そして今日も筋肉痛でようやく家にたどり着いた…




