キツい!
成り行きでボクシング習う事になったが、オレ大丈夫なんだろうか…
とは言え、入会金も月謝も払っちまったからな。
最近酒ばかり飲んで腹が出てきたし、ここらで細マッチョになってみっか!バキバキの腹筋で女からキャー、かっこいい!
とか言われてみたいからな、ウハハハハハ!
よし、やろう!
仕事が終わり、ジムに向かった。
入り口の前に立ち、心臓が激しく脈打つ。
ドクンドクンドクンドクン…
「うしっ!」
オレは気合いをいれてドアを開けた。
「しゃーっす!」
「あ、ジョニーさん、待ってましたよ」
「よ、ヨロシクお願いしゃーっす!」
「こちらこそヨロシクお願いします。ジョニーさんは初心者だからまずは基礎体力からのスタートになります」
「ストライカー…その、ジョニーってのカッコわりぃから仲村でいいよ…」
いくらなんでも、ジムでジョニー呼ばわれするのはこっ恥ずかしい!
「解りました。では仲村さん、まずは着替えて柔軟体操から始めましょう」
「はい、コーチヨロシクお願いします」
オレはネクタイを外し、トレーニング用のジャージに着替えた。
「ではまず、ストレッチを行いましょう。これを怠るとケガをする危険性があります」
そして屈伸から前屈とストレッチだけでかなりの時間を費やした。
「イテッ、イタタタ、イテーっ!」
オレは身体が硬い。
だからストレッチは拷問に感じる。
「大分硬いですね、身体が。でも徐々に柔らかくなっていきますよ。次は腕立て伏せをやりましょう」
腕立て?
オレは自慢じゃないが腕立て伏せなんて20回もいかないぞ!
「はい、いーち、にー、はいっさーん、よーん、まだですよ、はい、ごー」
ダメだ!キツい!
腕がプルプル震えてきた!
結局何回やったか解らんが腕立て伏せは終わった。
スゲー汗だ!
ちょっとしか動いてないのに身体中から滝の様に汗が流れ出た。
「次は腹筋やりまーす。準備はいいですか?」
「ハァハァ…はぃ」
「じゃ膝を押さえますから起き上がって下さい。はい、いーち、にー、さーん」
ストライカーが膝に股がり押さえている。
く、苦しい…
腹筋が…なんて運動不足なんだオレは。
き、キツい!
起き上がれなぃ…
「まだまだ、はい、次ぃ!」
し、死ぬ…!
これまだ基礎体力の段階だよな?
どんだけ基礎体力が無いんだ、オレは…?
もう、ダメ…
「仲村さん、まだまだ続きますよ、はい立って」
涼しい顔してストライカーはオレに立てと言ってきやがる。
クソッ、イタタタ膝が、膝が笑ってる。
「ドンドン行きましょう、次スクワットやりまーす」
キ、キツすぎるっ!!




