声がデカいよ…
「そ、それじゃオレたち童貞の集まりを祝して…乾杯…」
「ジョニー、何言ってるかわかんないよ、もっと大きな声で言おうよ」
ナニ?弾丸、お前童貞なんて大きな声で言ってみろ!
オレら一発で童貞の集まりだと思われるじゃないかっ!
オレはそんな事、大きな声で言えん!無理だっ!
「もう一回言おうよジョニー」
泡沫まで言うか!
しかもデカイ声でジョニーとか言うんじゃない!
恥ずかしいじゃないかっ!
…何でオレはこんなヤツラと居酒屋で飲まなきゃならんのだ!
しかも半数はアルコール苦手だと言うし!
何なんだ一体!
「いや、待て。ここはオレより年長のストライカーが乾杯の音頭をとった方がいい」
そうだそうだ、このオヤジが年長者だから乾杯の音頭をとるべきだ、ワハハハハハ!
「い、いや、私、皆さんと年齢は大して変わらないですよ」
ナニ?ストライカーまだ若いのか?
「ウソっ!」
「マジで?」
「で、何歳?」
オレたちは一斉にストライカーに聞いた。
「え、えっと私、32才です…」
そうか32才か…
32?!!
ウソだろ、50近いツラしてるじゃねぇかっ!
「皆さんは何才ですか?」
「オレは25才」
オレは正直に答えた。
「オレ、23」
弾丸はオレより2才下か。
「オレは言わない。だってお互いの事を詮索しないのが約束じゃん」
この泡沫、コイツ何かムカつく!
何か理屈っぽい!
あぁ~、出来れば殴りたい!!
だからテメーは童貞なんだ!
しかし、そんな事は言えるはずもなく…
「あぁ~そうだったな。んじゃいいよ言わなくて。
んで最年長のストライカーが乾杯の音頭をとろう、そうしよう」
オレは強引に乾杯の音頭をとらせようとした。
「は、はい。じゃ、では…乾杯!」
「乾杯!」
えっ!それで終わり?
いいのそれで?
フツー何か言ってから乾杯!て言うんじゃないのか?
まぁいいか。
とりあえず飲も。
「でさでさ、みんなやっぱ童貞でしょ?」
だ、弾丸!いきなり何を言うんだね!
しかも周りに聞こえるじゃないか!
「もちろん童貞だよ」
「わ、私もです…」
「う、うんまぁ何せオレが作ったサークルだからな。そりゃあったりめーだよ」
「そっかー、やっぱ皆童貞かぁ」
何か意味ありげに言うな、弾丸は。
「んじゃ弾丸はどうなんだよ?」
まさか童貞じゃないと言うんじゃないだろな?
「オレ?いや、オレも童貞だよ。あぁー厳密に言えば半童貞かな」
「何だ?その半童貞ってのは」
泡沫がいきなり食いついた。
「いや、ほら。なんつーのかな。途中までイッたっつーヤツかな」
「何だ途中ってのは?」
オレも気になる!
「いや、あの。要は途中でダメになって。キンチョーして最後までできなかったんだよ」
「あぁ~、そういう事だったんですか。でも羨ましいですね」
ストライカーが妙に納得するような言い方したけど、これっていわゆる…
「先っぽだけってヤツだろww」
「wwww」
泡沫とストライカーがウケてる。
そうか先っぽで終わったのかww
「弾丸!これから弾丸じゃなく、先っぽってハンネにした方がいいかもなww」
ワハハハハハ!
ナイス、オレ!
コイツは今日から先っぽだ!
ギャハハハハ~ww
「笑うんじゃねぇよ!皆はそこまでいったことあんのかよ?!どうなんだよ?」
先っぽいや、弾丸がムキになって言い返した。
「ないよ」
泡沫、お前はずいぶんアッサリしたヤツだな。
今日から泡沫じゃなく、淡泊ってハンネでいいんじゃねぇのか。
「ま、まぁ確かにオレもない…」
「はい、すいません私もないです…」
オレもストライカーもそんな経験はない。
「んじゃオレを笑う資格ないじゃん!みんな純度100パーセント童貞じゃん!」
だからデカイ声で童貞って言うな!
コイツは恥ずかしいとかそういう気持ちがないのか?
「わかった、悪かった!今日こうやって初めて会ったばかりで言い争うのは止めよう。オレたちは同士だ」
「そうそう、同士!」
「そうですね…同士ですね」
泡沫とストライカーが同意してくれる!
さすが同士だ!
そんなこんなで宴の時間は過ぎていった。




