都合よく使うな!
オレはバッティングセンターで沙織と別れ家に着いた。
打ちまくったせいか、手に力が入らない。
運動不足だな、こりゃ。
今日はこのまま寝よう。
するとスマホから着信音が鳴った。
沙織だ。
「はい、もしもし」
【あ、仲村君?今日は付き合ってくれてありがとね。ホームラン打つなんて思わなかったよ】
「あ、ありがとうございます」
【また行こうね、それじゃおやすみ~】
「はい、おやすみなさい」
あっけない会話だな、ホントに。
もう少し気の利いた事が言えないのかオレは…
でも、あのホームランはよく打てたな。
もしかして沙織の言うとおり、持ってる男なのかオレは。
…んなワケないかwww
たまたまだよ、たまたま!
あ、そう言えば沙織とどのくらい一緒にいたんだろ。
いつもなら持病のコミュ症でろくに話せないのに、今日はかなり話したような気がする。
克服できるのかも…
まぁとにかく寝よ…
ーーーーーー翌朝オレはいつものように出勤した。
あ、沙織だ。
「あ、おはよう仲村君。昨日はありがとう。また行こうぜwww」
「は、はい、おはようございます。解りました」
何だあの笑顔は…
っ、もしやオレに気があるのか?
いや、ないなそれは。
あまり期待を膨らませて、後で恥かくのもイヤだしな。
とはいえ、意識しちゃうよなぁ。
…ん?廊下で沙織が何か言ってるな。
何だろ。
ありゃ、野村と何か言い合いしてるな。
「だからもう、仲村君を連れ回さないでください!野村さんのオモチャじゃないんですから」
「誰もオモチャになんかしてねえだろ、相変わらずカタイなオマエは」
「カタイとかじゃなく、ここは会社です!野村さんの遊びに彼を振り回さないで下さい!」
「わあったよ、ったく」
何だ?オレの事で揉めてんのか?
昨日の事かな。
「お、仲村。怒られちったよ、高橋にwww」
「おはようございます。野村さん、昨日あれからどうしたんですか?」
「ん?あれから?」
そう言うと野村はオレに耳打ちした。
「昨日一緒に飯食ったろ?あれからスマホ眺めてたらこの近くに昼からやってるキャバクラがあってな。んでそこでギャルと楽しくお話してきたんだよwww
いや~、若い娘はいいね、うん!サイコーだった!」
そう言いながら野村は自分の机に向かった。
昼からキャバクラ?
仕事サボって何考えてんだ、あのエロオヤジは!
あんなのが直属の上司だと下にいるオレらだってヤル気無くすじゃん!
まぁ、普段からヤル気ないけどね、オレも。
そりゃ沙織も怒るわな…
何事も無きゃいいんだが。
で、今日も沙織の使いっぱの様にこき使われて1日が終った。
…テメーらオレを都合よく使ってねえか?
どっちもどっちじゃねーか、これじゃ!




