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48話

放課後の訓練は予想外に本格的だった。


「今日は庭園の周りを20周してから始めましょうか」

「え?」

「え?」

「何を二人で呆けているのです?魔法の基本は持続力、

 剣の基本は足腰です。どちらも走りこみが肝心なの

 は分かってますよね?」

「「……はい」」


インディゴライトの言葉にルベライトも、シトリンも

反論できなかった。

走りながら魔法を撃ったり。

魔法を練りながら走る。

そう言った行動は実践でしか使わない。


授業では立ったまま魔法を撃ったり、長い詠唱を唱え

るほど威力も増すと思われていた。

だが、実際は誤差程度の威力しか変わらなかった。


それならばと、インディゴライトが考案したのが走っ

ているうちに横から来た敵を的確に撃ち抜くという技

術だった。


「息が切れるとその分、命中力も下がる。では息が切

 れるのはなぜか?体力がないせいだ。だったら試験

 までの間は、まず体力作りから始めるべきだろう」


インディゴライトの言葉には説得力がある。

とにかく脳筋としか思えない訓練内容だ。

そして、そんな特訓の様子を陰ながら見ている人物が

いた。

それはシトリンの幼馴染みのインペリアルト・パーズ

だった。


なかなか、出るに出られないと言ったところだろう。

なぜなら、ルベライトが大怪我を負った原因でもある

からだった。

これには勘違いだと分かったものの、なかなかに謝り

づらかったというのが大きいだろう。


「シトリン、あそこ…」

「なに?あ〜、アルトだね」

「彼、あそこでずっと見てるけどいいのか?」

「かまわないよ。だって、アルトったら、僕がルベライ

 トくんと組むって言ったらすっごい剣幕で反対するん

 だよ?もう、暫く口も聞いてやらないっ!」


なんだが可哀想に思えてきた。

きっと彼はシトリンが気になって言った事だろう。


実際なら、シトリンはインペリアルトを選ぶルート

だってあるのだ。

幼馴染みだからこそ、簡単にフラグが立つのだ。


ただ………最近ではシトリンがルベライトにべった

りだったりするせいで、そこの進展は望めない。

そのせいか、シトリンはいまだに誰ともフラグが

立っていないのだった。

あろう事か、ルベライトの方がシトリンとインディ

ゴライトとの仲のが親密度が高い気がするのだ。

最近ではアメトリン殿下も同じ傾向にある。


「他所ごと考えてないで、走れ!」

「………」

「返事は!」

「「はい!!」」


インディゴライトの怒号にルベライトもシトリンも

必死に走り込みをしながら途中で的が出来るとそこに

魔法を当てたのだった。


最初は全く当たらなかったが、10日ほどでしっかり的

に当てられるようになってきた。

火力は少し落ちるが、当てられることが大事だそうだ。


「では、次はシトリン!君は魔法のコントロールを

 そしてルベライト、君は剣の稽古だ」

「お願いします」


こうしてあっという間に試験当日となったのだった。

騎士科と魔法科の生徒が組むのが一番効率がいいよ

うに見えた。


だがそれはルベライトとシトリンとの組み合わせに

よって予想外の方向へと向けられる事になるのだった。







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