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冷蔵庫整理

河内さんとのやり取りが途絶えたのはプライベート携帯のメッセージなんだけど、仕事の部分では僅かに繋がりがあったし、もともと以前から「冷凍だから雨の時とか外にお弁当買いに行くのが面倒な時に食べたら」と言ってあった。


それに、仕事で少しその頃は絡みがあったので、その件でたまに話し掛けてきたり、会社メールでやり取りしたり、社有携帯に連絡があったりしてたので。

だから、10月の中旬ぐらい迄はあまり気にしてなかった。


しかし・・・

中旬超えても食べた形跡はなく、どうもやはり同じ課の営業マンとお昼を一緒に行っているようで、偶然一緒にお昼から帰るところや、河内さんからお昼を誘いに行っているのを見掛けてしまった。

まぁ、それ自体は何度も思うことだけどこちらが干渉する事ではない。


ただ、もう要らないならそう言って欲しかった。

だから、以前そのようにメッセを書いたつもりだったのだけど。

河内さんから断りやすくしようと思って。


一つ失敗したのは、以前メッセした時に「河内さんが要らないというまで勝手に作る」と書いたけど、あの時に「要らないと言うか、こちらが余計なことをしてるなと感じたら止めるね」ともう一言付け加えておけば良かったなって。

以前の送別会で転勤していった営業マンが河内さんの首をマフラーで巻いて引っ張りまわしていたことを思い出した。


それにしても、お弁当のことはすっかり忘れているようだけど、相変わらず普通に話し掛けて来るのが正直理解出来なかった。


11月になっても食べた形跡はなし。

もはや、完全に無視されているか、忘れられてるとしか思えない。


でも、不思議と平気で声を掛けてくる。

事務所の文房具置き場で探し物をしてると

「何探してるの〜」


「○○ってどこだっけ?」


「ここに、あるじゃん」

って笑顔で教えてくれたり、


普段使っているコピー機が修理になって、河内さんの課が使っているコピー機を使わないといけなくなったけど、そのコピー機は事前設定した社員証をかざさないとプリント出来ないので、そのコピー機に僕の認証(社員証)は設定してないから改めて社員コードを打ち込んでログインボタンを押して・・・

とかちょっと面倒なのと慣れてないから戸惑っていたら、ちょうど河内さんがコピーを取りに来て、

「分からんの〜、ほら、こうだよ」

と教えてくれたは良いけど、早過ぎて覚えられなくて、暫くしてまたコピー機の前でマゴマゴしてると偶然再び河内さんがコピーにやってきて

「またなの〜、ほら、こうだって。私がいて良かったでしょ〜」

なんて平気で言ってくる。


こちらと話しをしていたり、顔見たら冷凍のお昼ご飯のことを思い出したりしないのだろうか。


そして、11月の中旬に総務から社内web掲示板に通達があった。

[社内の冷蔵庫のモノには名前を書いてください。名前がないものは11月末で処分します]


もちろん、あの冷凍パックには僕の名前も河内さんの名前も書いてない。

このままでは、処分されるのは必至になった。


そして、11月末になったが冷凍パックは放置されたままで期限を迎えた。

ところが、冷蔵庫で名前がないものは冷蔵庫の上段に集められて[12月○日までに処分します]とあったが、流石に冷凍庫のものは冷蔵庫に移すと解凍されてしまうせいかそのままだった。


とは言え、もう河内さんの頭にはこの冷凍パックがないことがはっきり分かった。

食べ物をしかも自分が作ったものを粗末にされるという事は思いの外にダメージとなった。

取り敢えず、棄てられるぐらいなら自分で食べようと、河内さんが在宅の日に食べたけど。

ただでさえ、男が持参のお弁当を食べているのは目立つのに、電子レンジで温めたせいとチーズや香辛料をふんだんに使っているので結構匂いがするみたいで、女性スタッフから「どうしたの、お弁当って珍しいね」とかいろいろ声を掛けられた。


それにしても・・・

我ながら美味しいなぁとは思った。

もともと、我が家の土日とかの夕食に使っているモノだからお昼にこの料理を食べれるって結構ご馳走な気がした。


このような料理をもう10回以上渡していた。

それなのに、河内さんは簡単に忘れ、(結果的に)捨てることも平気で出来る人なんだなと思うと少々凹む。


そう言えば、もともと河内さんは見かけだけ礼儀正しい含羞草(オジギソウ)だったんだ・・・

ここ2年ほど低位で安定していたからすっかり忘れていたけど、今に始まったのでなく以前からずっとこのような態度だった。いつの間にか忘れてしまっていたけど強烈に思い出してしまった。

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