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ノリで・・・

2019年10月下旬


お昼休みにお客さんの所に行くの使う社有車の駐車場へ向かうためにビルを出たところで、偶然お弁当を買いに行ってた河内さんとすれ違った。

そういえば、3月下旬に一緒に食事に行く約束をした時にも偶然この場所で会った。


あの時の河内さんの態度はとても約束をしている同士の雰囲気ではなく、嫌な胸騒ぎがしてやはりその通りになった、まさにあの場所。

あれからなんとか持ち直したと思ったけど、7月初めに「(カレーも貰うのは)辞めとくよ」との言い方が拒絶であるかのように感じ再び接点は無くなっていた。


でも、今回は何故か天真爛漫の笑顔で近づいてきたかと思うと

「ねぇ、カレー作ってよ」とすれ違いざまに声を掛けてきた。


全く想像してない言葉に戸惑ってしまった。

多分「あっ、またメールでもするね」みたいな感じで返したと思う。


他の人ならとっくに愛想を尽かしているけど、もともと河内さんには里江と別れた後に見たあのホワイトデーのメールとかいろいろ聞いたり話しをしてみたかったこともあって気持ちが揺れる。

ただ、また洞本さんもセットと言うならもうやめよう。それだけは決めた。


洞本さんは河内さん同様にアラフィフだけど見た目は若く見え、既婚者だが子どもはいないようだった。

パッと見は木村多江を可愛くした感じで、割と男好きのする顔立ち。


そして、わりと甘えた声をしていて、馴れ馴れしい感じもあるのでそういうのが好きな男からの受けは良い。

仕事中にミスをすると、両手で自分の頭をポカポカ叩き、「バカバカ、小百合のバカ」と自分の名前を連呼するといった不思議ちゃん行動をします。

そしてそれが、堪らないという男は確かにいる。


まぁ、それは良いとして社内でひと回り年下の男と不倫関係にあったとの噂が流れていた。

これは公然の秘密で知っている人が多く、結構目撃談も多く実は僕も二人で手を繋いで帰るとこを見てしまった。

そして、今でも切れてないとの噂も。

そういう人とごちゃごちゃと表や裏で関わることになるのが鬱陶しい。

そいつが洞本さんに『なんで、花谷からご飯作ってもらってるの?』ともし聞いたらきっと彼女は

『私もよく分からなんだぁ。頼んでないのに勝手に持ってくるんだよぉ』って言いそうなのがたまらなく嫌だった。


不倫に関してはあれこれ言える立場ではないことは重々分かってはいる。

好きになるつもりがないのに、ホントに好きになったらそれは仕方ないと思う。

瀬戸内寂聴の言うところの「雷に打たれたなら天災なので仕方ない」と。

ただ、ひと回り離れた年下男と年上女の組み合わせだけは偏見かもしれないけど嫌悪感がある。

男がひと回り年上の女をまともに選ぶことはまずないとは思う。

あるとするならば、それは肉欲だけな気がして。

しかも、せめてバレないようにするのが鉄則だと思うけど、あまりにも目撃談が多い。むしろ、その男から直接その話しを聞いたという人を数人知っている。


河内さんには次のようにメッセージを送った。


「確か以前、廊下でばったり会ったときに「(洞本さんがお昼当番の時に)お弁当買いに行くなら300円で作るよ」とふと口に出た言葉が元々のきっかけだから、それでダメかなぁ。

まぁ、洞本さんもセットにした方がお互い楽なのは分かってたんだけどね・・・

日程的な面で。


でも・・・

どうしても、洞本さんとは関わりを持ちたくないんだ・・・


それで、洞本さんにお昼当番のスケジュールを確認して、同じ課の人にもその日程で良いか確認したうえで5月は作って、この前もそうしようとしたんよ。


洞本さんと絡めないのは別に個人的に何かあった訳ではないよ。

元々接点は殆どないし。


洞本さんとある人の個人的なことから起因してるんよ。

でも、それは洞本さんのプライバシーに関わることだから河内さんに理由が言えなくて・・・


だから、数回はそういう形にして、自然に河内さんと一緒に食事とか出来るようになってサラッと話せるならそうしようとかなって思ってたんよね。


今まで、この話題が出るのが恐くて河内さんに声を掛けれなくなってった。

社内で話すとまた中途半端になりそうだったから・・・

と言って、いきなり一方的にメッセして、洞本さんの話題に触れるのも出来ないし・・・


だから、この前は河内さんから話しを振ってもらってありがとう・・・で良いのかな。

でも、言えて気持ちが軽くなった」


と打つと返事が・・・


『なんだかよくわらかんけど、洞本さんとトラブったってこと?

ま、ノリで言ってるだけだからよいんだけどね』


まぁ、予想通りちゃんと読んでないんだなって感じる。わざわざ『洞本さんと個人的に何かあった訳ではないよ』って書いたのに。


でも、ここは大人の対応で

「まぁ、顔見ないメッセでは伝えるのは難しいよね。オラと洞本さんは別になにもないよ。

むしろ、接点が全くないに等しいぐらい。

簡単に言うと、オイラがお昼を洞本さんに渡すことで洞本さんの周りや裏でごちゃごちゃ言ってくる人がいる可能性があるだけで嫌だなぁってことね」

と再度返した。

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