↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/101

そんな人

「今までに、男の人とよくケンカしなかった?」と聞くと、河内さんは「そんな人とは一緒にいないもん」と答えてきた。


『そんな人』・・・

結構、便利な言葉だなぁと思った。

もしかして、誰かとケンカや気不味(キマズ)い関係になっても『自分は悪くないもん、あんな奴なんか知らんやん』と言う人が好んで使いそうな台詞っぽくて。


今回の河内さんの対応では何回『もう止めよかな』と思ったことか。さっきも帰る寸前で名古屋駅の改札口で踏みとどまったからギリギリこうしているけど、先程さっさと帰っていたら、河内さんと洞本さんは僕の悪口を肴に今日は食事でもして、僕は『そんな人』リストに入ってしまったんだろうか。


アルコールも入ったこともあって少し責めてみた。

「ホントに俺への扱いって雑だよね」


河内さんは笑顔で「そうかも」と言っていた。


懐いているのか、ただのメッシーくん扱いなのかはやはり分からない。

でも、独り言なのか僕へなのか洞本さんに向かって言ったのかは分からないけど

「廊下でよく会うようになって仲良くなった」とはポツリと呟いた。

やっぱり、仲良しなの?

今までも今日でも、とてもとてもそんな態度には見えなかった。今まで何度も『なんか俺って邪魔者扱いされてるなぁ、話し掛けたら迷惑だろうからなるべくそばに近付かないように注意しなくちゃ』と思ったことか。


あと、分かったことは就職氷河期もあって、河内さんは保母さん大学のイメージが強い短大の英文科を出て、しばらくイギリスにいてお兄さんが迎えに来て帰国したとか。

やっぱり、ちょっとスケールがその辺の人とは違うのかな。


あっという間に時間は経ち22時近くになったので本日はお開きになった。


帰る前に洞本さんがトイレに行き、少しだけ二人きりになり、

「あの時、さっさと日時決めれば良かった?」

そう聞くと

「うん」と答えてくれた。


やっぱり、僕の段取りが悪かったのかなぁと反省しながら帰途へ。

大名古屋ビルは地下街直結で河内さんは地下鉄、僕はJR、洞本さんは名鉄だから地下鉄名古屋駅で解散。


これが、二人きりならホワイトデーのメールの話しとかして「あの時ふと浮かんだ『オイラならいくらでもケーキ買ってあげるのに・・・』をしてみたいから、今度はスイーツの店行かない?」と言ったのだろうけど、ここまでのやり取りが大変だったし今日も何故か第三者は入ってくるわでどういう仲なのか自分自身消化しきれなかった。

ただのお財布扱いなのか隠れ仲良しなのか。


そう思っていたら、帰りの電車の中で河内さんからメールが入った。

[ごちそうさまでした!]

【意外とちゃんとしてるね・・・】

[大人なんで(^^)]

【もし・・・アイスモンスター行きたくなったら誘うかも】


誘っているのかいないのか我ながら曖昧な返事をしてしまった。

決して、こちらからはこの細い糸を切るようなことはしないよという意味なんだけど、伝わっているんだろうか。

まぁ、いつものことながらこれには返事なし。こういうところが今までの仲良くなった人との違いなんだよなって感じてしまう。やっぱり本当はどうでもいいと思われているから誘ったら迷惑なんじゃないかなって気持ちになる。


河内さんとはこれがスタートなのか終了のゴールなのか分からない。

ただ、以前『里江が河内さんみたいな人だったならなぁ』って思ったことは全然間違っていたことが分かった。里江はホンの1か月程度だったけど、確かに僕のことを大切にしてくれた大切な人だった。隣の芝は青く見えるとはこのことか、なんかごめんねって心の中で里江に謝った。

今の僕にはこう思えた、『河内さんが里江や涼葉みたいな人だったなら仲良くなれるのに』って。


そんなことを思っていたら涼葉からメッセージが届いた。

花粉シーズンが終わり体調が良くなったのと連絡を絶っていたことの謝罪。


もともと、涼葉とはケンカや愛情面での心配をしたことがない。ただ、普段の生活「A面」と女に目覚めてしまった「B面」との葛藤で悩んでいたのを知っていたから、そっとしておこうと思っていた。

だから、すぐにまた涼葉とは元の関係に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。