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家族との決別



スキル『全能』

そのスキルは全てのスキルの複合であり、取得したものにありとあらゆる知識と力を授けると言われている。

机上の空論でこのスキルはあるとされているが実際に発現した例は無い。

俺の頭の中にスキルの説明が再生される。

ただ...うん...何となく...字面でヤバいの引き当てたって事はわかった...

「ちょっとアンタ何したの!!」

ヤバい...姉さんに見られたら俺のスキルがみんなにバレる!!

全能って言うのなら...この場を何とかする様なスキルを使わないと...

俺は咄嗟に認識誤解のスキルを水晶にかける。

「いや...何もしてないよ?」

「ふーん...」

姉さんは水晶の方を見つめていた。

水晶に映し出されていたのは『無能』

『全能』とは真逆で何もする事が出来ないスキルだ。

それをさして

「てか俺にスキルが無いなんてどういう事だ!!」

そう高らかに叫んだ。

もちろん周りの人は嘲笑ったし、親父は

「恥晒しめ!!お前はもう私の子では無い!!二度と我が家の敷居を跨ぐな!!」

と怒鳴った。

少し計算が狂ったが、概ね上手くいった。

「......」

俺のスキル鑑定が終わったあとから、姉さ...ミレイユは終始黙っていた。

スキル審判が終わり、みんながそれぞれの家に帰る頃、俺は

「さてと...これからどうすっかな?」

と考えを口にし、教会を出た。

「ねぇ...アンタ...」

その出口で、真剣な表情をしたミレイユが俺を待ち伏せていた。

「なんだよ...お前も俺を嘲笑いに来たのか...嘲笑いたきゃ笑えよ...」

その言葉を聞いてもミレイユは眉一つ動かさず、こちらに近づいた。

「質問に答えなさい。アンタ...『全能』って知ってる?」

...ヤバい...バレたか?

隠すのが少し遅かったか?

まぁでも...今ならリカバリーは出来る...

「は?そんなもん知らないね...『無能』なら知ってるけど?」

「そうよね...アンタが知るわけないもんね...」

よし...隠し通せた。

「私もさっきまで知らなかったもの...」

んん?さっきまで?

何故だろう...冷や汗を感じる...

「さっきまでって?」

「正確にはアンタの鑑定までは...ね」

なんで...バレてるんだ?

どう誤魔化そう...

「スキルにはね、熟練度っていうものがあるの。使えば使うほど、力がより強化されたり新しい技を会得したりね」

「私のスキル『魔術師』の熟練度は十段階ある内の五段階...つまり、ある程度の認識疎外を見破れる『真の魔眼』て言う力があるの」

...マジか...じゃぁどうやったって誤魔化せないんじゃ...

「それを踏まえて聞かせて?なんでスキルが無いって嘘ついたの?」

黙れよ...

「そのスキルがあればお父様やお母様から認められるし、どんな職業だって付けるのよ?それこそ...」

「黙れよ!!」

ミレイユの言葉を遮り、怒鳴る。

「何年、お前らが俺を虐げたと思ってる!!妾の子だからってバカにして、怒鳴って...」

「だから俺はもうお前らの元に居たくない!!この国に居たくない!!」

ミレイユは俯き

「...ごめんなさい...」

と呟いた。

もう...遅いんだよ...

「俺はこの国を出る...悪いって思うのなら...俺の邪魔をするな...」

そう言って俺はこの場を後にした。

じゃぁな...クソッタレな俺の元家族...もう二度と会うことは無いだろう...


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