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058⚫️大空へ

歌い続ける黄色の巨人の胸部が、静かに、かつダイナミックに展開した。

艦橋ユニットを核とした流線型の機体が、ナガトの本体から分離する。


「全エンジン、点火!」


下部からまばゆい青白い炎が噴き出し、

神の手から放たれた鳥のように、機体はゆっくりと宙へ浮いた。

重力に抗い、機体は次第に加速する。

紺碧の海、白い砂浜、

そして自分たちが守り抜いた’黄色の守護神’を眼下に残し、

マチルダたちは高天の彼方へと吸い込まれていった。


「まてえ、わたしを離せえ!ここから出せえい!こらあ、マチルダあ!勝手にわたしたちを連れて行くんじゃあ、ないぃ!」

「先輩、いや大佐あ。大声だしてると、舌、噛みますよぉ。急速上昇中なんですからあ。」

「うるさい、トーマス!わたしはだなぁ!・・・痛て!舌、噛んだあ〜!」


人類が宇宙空間に飛び出した、ごく初期のころ。

ある宇宙飛行士は言った。

どれだけ目を凝らしても

宇宙から

国境を分かつ線は見えなかった、と。


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