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044⚫️砂の城
海でしばらく遊んだ。
リンリンは大はしゃぎで、波が来るたびに小さく跳ねる。
オレも、胸の奥に詰まっていたものが、すっと抜けていくみたいで気分がいい。
波打ち際を走ったり、足あとを並べたり、
流れ着いた貝殻や、つるりとした石を拾い集めたりした。
「おっ、この石、綺麗な色だな。」
手のひらにのせると、陽の光で黄色に透けて見える。
なんだろう。妙に気になる色だ。胸のどこかがくすぐられる。
「リンリン、見ろよ! すげえ色してるぞ!」
・・・返事はない。
見ると、リンリンは砂浜にしゃがみ込み、夢中で砂の城をつくっていた。
指先で塔を立て、壁をならし、波が寄れば’あっ’と言って急いで治している。
「そっか。今はお城の方が大事なんだな。」
オレは笑って、石をポケットにしまった。
潮風がふたりの髪を揺らす。
遠くでカモメが鳴き、
波が、砂にそっと形を刻んでは消していく。
・・・こんな穏やかな時間が、ずっと続いたらいいのにな。




