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「ありゃ毒だね」


アリッサが舌打ちする。ブランは、レイモンドの雇った傭兵が毒の煙で死に至ったというハートストンの話を思い出した。


「じゃあ、あれは致死性のある毒ガスってことですよね??」


そのような短いやりとりをしている間にも、煙は恐ろしい勢いで噴き出し続け、次第に倉庫内を満たしていった。


「風の精霊、呼ぶ」


ブン・ラッハがそう言って何かつぶやくと、周囲にヒュッと風が渦巻き、三人を守るように吹き始めた。

倉庫内はついに、風の幕に守られたアリッサたちの周り以外すべて、紫色のガスにおおわれてしまった。ブランはキリー村でのことを思い出し、自分はよくよくガスに縁があるのだなとため息をついた。


「やはりあいつらは平気みたいだね」


毒の霧が立ちこめる中、ゾンビ達は何のダメージを受けることもなく、再びアリッサたちに接近してきた。


「あいつら、風の流れ乱す、危険」


彼らが無理に風の幕に入ってこようとすれば、気流が乱れこちらに毒ガスが入ってきてしまうようだ。


「そんときゃあたしが結界をはるさ。だが、そうしちまったらそこで詰んじまうね」


さすがのアリッサも、三人分の結界を維持しようとすれば守りの一手となってしまう。


「こないだみたいにガスを吹き飛ばしちゃったらどうです?」


キリー村では、アリッサが竜巻を起こし、石化ガスを打ち払ったのだ。


「それをしたいのはやまやまなんだが…」


アリッサは皮肉な笑みを浮かべる。その額には汗が浮かんでいた。


「どうやらそれは無理なようだ」


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