異世界No.3―ガーデン
新章突入!
これからはぼちぼち更新でき、たらいいですね。
今回は前の2つとは違い人外に転生することになった。とは言っても外見は人に違い種族にするらしい。前2つの人生では親が居ない或は縁がない身の上に生まれるようにしていたがそれでも色々とあってダメだなと思ったのだ。ノワールの母親も子供に関心がなかった訳でもない、捨てたかったのでもなかったから。
だから親が必要ない種族に今後はしてもらうつもりだ。
コチラの都合でその人生での親に私は何も出来ないのだから最初から居ない方が心はまだ軽い。自分勝手な事故防衛と言うわけだ。
そして今回はなんと花人と呼ばれる種族に転生するらしい。他の世界では見ない種族らしく、白神が管理する世界固有の種族らしい。
先ずはのんびりと成長しろとのことだ。
一応どんな気候でも生きていける種族ではあるが、やはり極寒の様に寒い場所よりは暖かい場所を好む種族なので生まれる場所は温暖な気候の土地にしてもらった。
ここまで至れり尽くせりだとバチが当たりそうで怖いが、保養も兼ねているのでのんびりいこうと思う。成長するまでの間だけどね。
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そして無事に転生した、らしい。
動けないんだけど、どういうわけなんだろう。卵にでも入ってるのかな?
自分の周りを覆っている壁に触れるが柔らかいようで弾力もある。その為いくら押してもびくともしない。親から生まれる種族ではないと聞いていたけど、今の私の状況は羊水に浸かっていない胎児のようだ。とは言え胎児の様に未熟ではないらしく手も足も五歳児程には成長している。不思議と窮屈に感じない位にはそこそこ広い為そこまで嫌でもない空間だ。不思議と落ち着く。
親が居なくても生きていける種族なのである程度成長して居ないとこっちも困るのでこれは想定内。てか、ありがたい。できればもう少し成長してから出たいものだ。外は危険だから。
だって世界は違えど二度も殺されてますからね私。今度は長生きしたい。
そう思っていた私はこの時思いもしなかっただろう。通常この種族は五歳程度の姿で生まれる事を。そして自分が今居る場所はとんでもない場所だったことも。
時間の許される限りこの卵の様な場所に引きこもっていた私は漸く外に出て早々にトラブルに遭遇することになるのであった。
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???視点
とうとう我が国にも太陽花に蕾がついた。我が国の悲願は漸く成就される。これほど喜ばしいことはないであろう。周辺諸国の横暴もここまでだ。ここら一帯の国でもう100年程花を咲かせていない我が国は他国から疎んじられ格下に見られ搾取され続けてきた。もうその時代は終わりを告げるのだ。
漸く、漸くだ。この受難は終わるのだ。
後何年だろうか。後何年持つのだろうなこの国は。間に合えばいいが。
ー数年後ー
なぜだ!なぜ花は咲かない!
もう咲いてもいい頃だなぜ咲かぬ!!
当に五年はもう過ぎたのだぞ、なのになぜ咲かぬのだ。何がいけないのだ━━━━
━数十年━
もう終わりだ。この国は終わる。私の代か子の代か、どちらにせよ咲かぬのならばもう終わりというものよ。何が駄目だったのだろうなぁ。
あの蕾はついてから二十年、二十年経ってしまった。もう望みは無いのだろう。もしかするとあの蕾は何らかの影響で中は空か腐ったか━━どちらにせよもうどうでもよいことだ
もうわしも歳だ。後は息子に託すしかないのだろう。このところ身体も怠い。浮腫んだ手ではペンも持てん。まともに文字も綴れぬわしに何の価値があろうか。王として意識がはっきりしているうちに王位を託すのも王としての最後の務めか。
身体を横たえているベットからふと窓を見ると昼でも分かる程の眩しい、神々しい光が今までにないほど成長した太陽花の蕾に吸い込まれ消えたように見えた。
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主人公視点
あれから少し眠くなったので眠ってしまった。何か眩しさに目を覚ますといつの間にか出来ていた小さな壁の隙間から光が漏れて私の顔に当たっていた。強すぎない光だけれど流石に目に受ければ眩しい。
目を手で隠しても不思議なことに眩しい。そんなに強くない光なのに、まるで掌を貫通して目に当たっているようだ。
眩しい、眩し過ぎる。
少し前まで眠っていたのにこんな眩しいと目が痛い。何とか出来ないかと壁に手を当てて隙間を塞ごうとした瞬間的
ふわり、壁が動いたのか指先を掠めた。
暖かな風と共に何かの匂いが鼻をつく。嫌な匂いもしたが今はそれどころじゃない。眩しい。
眩しい眩しい眩しい
どのくらいあの中に居たのかは分からないが目の奥が痛いほど眩しいのだ。その痛みで涙が溢れた。そのせいか視界がぼやけて少し熱い。ぼやけた目で何かが近づいて来るのが見えた。
赤だろうか、胴体の方は黒っぽく見えるが頭らしき部分は赤だ。もう一人居る。こっちは緑の服装にブラウン?
そう言えば目だけじゃない。息もすごく苦しい。息がしづらい。喘息の発作程ではないが苦しいのは辛い。高山病になったことはないがこんな風なのだろうか。頭も少し痛くなってきた。
ぼやけた目で見えた二人は私に近づいて来ている。彼らは何者だろう、敵?味方?それともお人好しの世話焼き?
逃げた方がいいのだろうが生憎と狭い場所に引きこもっていた今の私では逃げることも立つこともできそうにない。まさに生まれたての小鹿の様な有り様だ。
これはのんびりなんて期待できないんじゃないか?白神も自分の管理する世界を把握しきれてないなんてないよな?職務怠慢は許さないよ。
そうこう考えているうちに彼らのうちの一人、赤い方が私に触れようとしてブラウンの方に怒られている様だ。どうも耳の方も調子が悪いようだ。水が入っているようなぼやけた音にしか聞こえない。でも言葉が理解できないのは理解できた。これは言葉を覚えるのに苦労するパターンではないか?
「━━━━━━、━━━━?」
「━━━━━━━?」
ブラウンの方は赤方をどついて(ぼやけていたがそう見えた)自分の上着を私に掛けてきた。コイツ紳士だなデキル。
生まれたて?の私は勿論服なんて着ていない。そんな私に赤い方は手を掴もうとして怒られたのだろう。上着をかけた後も何事かを赤い方にやや強めに話している。多分まだ小言を言っているのだと予想する。
「━━━━、━━━━」
「━━、━━━━━━━」
何か安心してくれ的な事を言っているのだろう。多分ブラウンの方は安心させようと笑顔なのだろう。赤い方は少しムスっとしているのかも知れない。目で判断出来ないがそんな雰囲気を醸し出している気がする。もしかするとこの身体は気配に敏感なのだろうか?
先ずは身の安全の確保が優先だろう。この二人は悪人ではなさそうだがもしも誰かに仕えている騎士とか軍人な場合人柄に関係なく警戒はしないと危険だ。彼らの上司が敵なら敵だからだ。
目も大分慣れてきたので件の二人を観察する。
赤い方はどう見ても闘うことが本業といった風貌のスポーツマンみたいな見た目だった。さぞやモテるだろう。
ブラウンの方は細くはないがマッチョでもない優男だ。すごいモテる方ではないがそれなりにモテる様な、そんな感じ。少し私は苦手に感じるので少々腹黒なのかも知れない。
何度話しかけても私が言葉を理解していないのを埒が明かないと赤い方が再度私の腕を掴んで引っ張り立たせようとするが、生まれたて小鹿の私はきちんと立つことが出来ない。なので勢い余って赤い方に突撃した。
軍人に見えるだけあって私がぶつかってもびくともしないので大惨事にはならなかった。後ろから肩を引っ張られ支えられ漸くまともに立てた。どうやら私は意外にも背が高いらしい。彼らの頭一つ分低いだけだ。ちなみに二人は同じくらいの身長だ。
他に比べるものが無いので確証はないけどこの二人身長高そう。
そんな今あまり重要でもない事を考えていると赤い方がグイグイと私の腕を引っ張り歩かせブラウンの方には支えられ何処か大きな建物?屋敷?に連れていかれたのだった。
他人事みたいだか大丈夫だろうか私。
この小説見てる人居ないので気長に書いていきます。




