2020年1月21日 日めくれ! ハーフアニバーサリー!
2020年1月21日
衣玖「ついに迎えてしまった……日めくりが半年を……!」
迎えてしまったのである。7月21日のなんでもない日から始まり、そして今日、1月21日。中途半端な日にスタートしたこの日めくりは、ついに半年なのだ。
というわけで、五人少女たちはリビングでのんびり半年雑談である。
留音「わーついに来たかーっ! 続いたな~!」
真凛「本当ですよっ! でも惜しかったですね! もうちょっと調節すれば連載200回と一緒に半年って出来そうでした!」
西香「【ショート】、だとか言って余計な小さい回やるからですわよ。ファンアート回は良いとして」
ちなみにここで203部。【ショート】は4回あったので、ぴったりだったはずなのだ。
衣玖「とにかく半年よ半年。よくやってきたわよね……我ながらよく始めて続いたと思うわ……なんて振り返ってもね、まだハーフだし。感動の歴史の振り返りは1年にとっておきたい気持ちはあるんだけど」
留音「そうは言ってもさ、ホントによく続いてると思うよ」
真凛「いろんな方に助けてもらいましたね~……たくさんの感想をくださる水渕成分さん、絵を描いてくださるhatimituhanaoさん、羊毛フェルトで形を作ってくださった天理妙我さんからは特に元気をもらってますよね」
留音「あとは名前を貸してくれた爆散芋さんだろ、最初の日めくり隣人だった本見ようさん……」
衣玖「もちろん読んでくれる人に応援してくれる人、リツイートしてくれたり、誤字報告やアドバイスをくれた人も、ブックマークや評価を入れてくれた人も、レビューも書いてもらったり……そういう人たちのおかげでなんとか半年まで来たって感じよね」
西香「それ以上にわたくしがモチベーションを保っていることに読者の方は誇りを持つべきですわ、読者の方のヨイショがなかったらもうわたくしとっくに飽きてますからね」
留音「お前はどこから見下ろしてんだ」
真凛「そしてここ一ヶ月では新しい人たちも増えてくれて……最初よりも賑やかになりましたよねぇ」
留音「そうだな。ミニーズの連中。一応敵対してきてるけど不思議と鬱陶しくないし。一番鬱陶しいのが近くにいるせいかな?」
留音は西香を見ながらそう言った。話を振られたと思った西香は首を傾げている。
西香「敵対していましたっけ? わたくしほとんど絡まれたこと無いんですの」
衣玖「アンジーとかお淑やかだからね、誰と接するべきか知ってるのよ」
留音「あいつ男だけどな」
そんな風にサクッと振り返る五人少女のいるリビングの窓が開いた。窓の向こうからミニーズが顔をのぞかせ、イリスがビシッと指を伸ばして言った。
イリス「おらおら! カチコミよ!! 五人少女共!!」
とはいえ玄関から勝手に侵入しないミニーズ。
聖美「こんにちはー! ハーフアニバーサリーおめでとうみんなー!」
聖美は「パカン!」と紙吹雪が散らばらないタイプのクラッカーを鳴らした。
アンジー「すごいね~!ボクたちはまだ1ヶ月ちょっとだけど、なんだか誇らしいよーっ」
西香「え? なんであなたが誇らしいんですの? わたくしの頑張りから生まれたハーフアニバーサリーですけど」
留音「ありがとなミニーズ。今日は何しに来たんだ? また勝負か?」
イリス「ふふ……留音。お前がそのつもりならあたしが新たな魔法であんたを……」
イリスがいつものように高揚した戦意をぶつけるように言おうとするのだが、聖美がイリスの袖口を引っ張り、小声でたしなめている。
聖美「違うでしょイリスちゃん! 今日は仲良し!」
イリス「そうだったわ……いいか留音、そして五人少女よ……聖美の強すぎる圧によって今日は勝負しない事にしたのよ」
アンジー「普通にお祝いに来たんだよね。お家入っても良い?」
真凛「わぁっ☆ もちろんいいですよぉ♪」
イリス「言っておくけど今日だけなんだからね!」
そうしてみんなで集まった日めくりヒロインズ。当然のようにこたつにみんなで入って、聖美の持ってきたお菓子を広げている。
留音「今日で1年まで折返しかぁ……ちゃんと1年出来んのかな?」
なんだかんだでこれまでの半年あっという間だったけどさ、と留音。
聖美「やらないつもりなの……? やるよね……?」
聖美はまっすぐ留音を見つめ、少し前のめりになって口調を冷たくしている。
イリス「聖美、目が怖いから……」
衣玖「もちろん今の所はやるつもりよ。当然ね。最低でも1年。続けば続くだけやっていきたい気持ちだしね」
ホッとした聖美は笑顔に戻った。
西香「その間にまずはボイスドラマ、そしてアニメ化……商業デビューを果たす予定も立てていますわ」
聖美「そうなの!?」
真凛「勝手に言ってるだけですよ^^」
衣玖「……まぁこういうのは目処が立たない状態で話すような内容じゃないわね」
留音「匂わせんなよ。なんもないんだから」
真凛「まずは1年ですよね~☆」
その会話の区切りで聖美がイリスに耳打ちをしている。
聖美「(ほらっ、イリスちゃん、なんて言うのっ?)」
イリス「……あ、あたし達も、1年続くように、一緒に協力するから、頑張りましょうね」
イリスは抑揚の無い平たい口調でそう言うと、目線を聖美に向けて「これでいい?」というような雰囲気だ。聖美は満足そうである。
留音「おぉ? どうしたんだよイリヤ、いつもなら喧嘩腰なのに……やけに協力的で」
イリス「なんか久しぶりにイリヤって呼ばれたわね……」
西香「あっ! さてはハーフアニバーサリーを機にわたくしたちに取り入って『日めくれ! 八人少女』を始めようなんて考えているのでは……?」
イリス「そんなわけ無いでしょ! やるなら乗っ取って『日めくりミニーズ』よ! あんたたちの中からまともなやつだけをこっちに加えるのがあたしの……」
聖美「イリスちゃん!」
再び聖美がイリスを制している。ペットと飼い主とか、そんな様子に見える。
イリス「(くっ……これもあたしたちの実績のためか……)」
アンジー「ねぇねぇ、ところでさ、今日の日めくりってもうやったの?」
ポリポリと出されたお菓子を食べながら、アンジーがみんなに訊ねている。
衣玖「ううん。今日はハーフアニバおめでとうって話題と、ここ読んでくれた人にありがとうを言って終わるつもり」
アンジーは「そっか」とうなずくと、聖美とイリスの方に何かコソコソと耳打ちをしている。
アンジー「(やったね二人共、作戦うまくいってるよ)」
イリス「(当然よ、あたしだってこんなに我慢してんだから……っ)」
聖美「(くふふふふふふ……)」
留音「じゃあ……そろそろ締めるか?」
真凛「そうですね^^ 年末年始から同じような挨拶しちゃってますけど……これからまた半年、是非見守ってて欲しいと思います」
西香「まぁわたくしもいますから、殿方は特に目が離せないでしょう。わたくしは女の子のお友達を渇望していますので、そういう方がいたら是非お声がけくださいね。お友達誓約書は既に1000部ほど刷ってありますので」
あの子「えと、これからも五人少女とミニーズはニコニコをテーマに……しないこともあるけど、毎日活動して行きます! だからよろしければ、みんなと……わたしたちと一緒に歩んでいって欲しいですっ」
みんな『これからもよろしくねー!』
半年、ありがとうございます。ここまでこれたのは本当に応援してくださる皆さんのおかげです。
これから半年、また頑張っていきたいと思います。
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ミニーズの帰り道
聖美「作戦成功だねっ!」
アンジー「やったねー!」
イリス「見事よ聖美。まさか誰も思うまい。あたしたちが暗に日めくりを実行していたことにね……」
アンジー「まさか今日が『ライバルが手を結ぶ日』って記念日だとはね……」
イリス「そう。これはポイント高いわよ。アニバーサリーにも関わらずあたしたちのほうが日めくりをストイックに実行したという事実が生まれた……これはやがてこの『日めくれ!』を乗っ取る足がかりになるでしょうね」
聖美「そうだね……(ごめん二人共……ライバルは相手がいないと生まれない……実質五人少女のみんなも日めくりを実行していた事になるから……)」
イリス「今に見てろ、五人少女共! 日めくり記念日紹介ポイントでお前たちを追い抜いてやるんだから!」
アンジー「そんなポイントあったの?」
イリス「半周年からスタートしたことにすれば実質スタートダッシュよ」
聖美「そ、そうだねっ!」
アンジー「これからも頑張っていこー!」